ダウ平均が史上初の4万ドル乗せ

先週主要3指数がそろって史上最高値を更新 利下げ期待の高まりが追い風


先週の米国株式市場ではダウ平均が1.24%高と5週続伸し、S&P500は1.54%高、ナスダック総合も2.11%高とともに4週続伸となりました。


注目された米4月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びにとどまったことに加え、米4月小売売上高も前月比横ばいにとどまったことで年内の利下げ期待が一段と高まったことが株価の支援となりました。


ダウ平均は16日に一時40051.05ドルと初めて4万ドルを上回り、週末17日の終値は40003.59ドルと史上初の4万ドル乗せを達成しました。

S&P500も15、16日の連日で取引時間中の最高値を更新し、15日には終値で初めて5300ポイントを上回りました。

ナスダック総合も15、16日の連日で取引時間中の史上最高値を更新し、終値では14、15日に最高値を更新。主要3指数がそろって最高値更新の週となりました。


年初来ではS&P500が11.18%高、ナスダック総合が11.16%高と2桁高となり、ダウ平均も6.14%高となりました。

 


ゴールドマン・サックス、キャタピラーなどがダウ平均の4万ドル乗せに寄与


昨年末に37689.54ドルで終了したダウ平均は先週末に40003.59ドルと4万ドルの大台を初めて突破し、年初からの4カ月半の上昇幅は2314.05ドル、上昇率は6.14%高となりました。


ダウ平均採用銘柄の上昇寄与を見ると、ゴールドマン・サックスが538ドル(年初来上昇率は21.24%)と30銘柄中トップとなり、キャタピラーの398ドル(同+20.50%)、アメリカン・エキスプレスの364ドル(同+29.61%)、マイクロソフトの290ドル(同+11.75%)、JPモルガン・チェースの228ドル(同+20.39%)がそれに次いでいます。


一方、ダウ平均への下落寄与を見ると、ボーイングが497ドル(年初来下落率は29.05%)とダウ平均の最大の押し下げ要因となり、マクドナルドの158ドル(同-8.14%)、インテルの121ドル(同-36.66%)、ナイキの108ドル(同-15.10%)がそれに次いでいます。


業種別ではコミュニケーションが20%超上昇し、IT、公益、エネルギーなども2桁高


S&P500も史上最高値を更新し、年初来で11.18%高とダウ平均の約2倍の大幅高となりました。


年初来のセクター別の騰落率を見ると、不動産が3.51%安と11セクター中唯一下落となりましたが、その他の10セクターが上昇と、ほぼ全面高となりました。


上昇率上位はコミュニケーションが20.85%高となったほか、ITが14.72%高、公益が13.65%高、エネルギーが12.75%高、金融が12.53%高と2桁高となり、S&P500をアウトパフォームしました。


上昇率トップのコミュニケーションでは、メタ・プラットフォームズが年初来で33.32%高、アルファベットが26.04%高と時価総額上位銘柄が大幅高となったほか、ネットフリックスが27.57%高、ウォルト・ディズニーが14.35%高となりました。


上昇率2位のITでも時価総額上位のエヌビディアが86.74%高、マイクロソフトが11.75%高となったほか、スーパー・マイクロ・コンピューターが212.35%高、マイクロン・テクノロジーが46.81%高となり、ウエスタン・デジタル、アリスタ・ネットワークス、クアルコム、アンフェノール、アプライド・マテリアルズも軒並み30%超の大幅高となりました。





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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