エヌビディアが初の1000ドル台乗せ 1Q決算は予想を上回る大幅増収増益 2Qガイダンスも予想を上回る

先週はダウ平均が6週ぶりに反落 S&P500とナスダックは5週続伸


先週の米国市場ではダウ平均が2.33%安と6週ぶりに反落した一方、S&P500が0.03%高とわずかながら5週続伸し、ナスダック総合は1.41%高と5週続伸となりました。


水曜日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が利下げに消極的なタカ派的内容だったことで利下げ期待の後退が重しとなりましたが、エヌビディアが予想を上回る大幅増収増益決算や強い見通し、1対10の株式分割などを発表し大幅高となったことがハイテク株の上昇をけん引しました。


ダウ平均は週明け20日に取引時間中の史上最高値を更新後、利益確定売りに押されましたが、S&P500は23日に取引時間中の史上最高値を更新し、終値では21日に5321.41ポイントの過去最高値を付けました。

ナスダック総合は20日から23日まで4日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、週末24日は終値の最高値を更新して終了しました。


年初来ではナスダック総合が12.72%高、S&P500が11.21%高と2桁の上昇となりましたが、ダウ平均は3.66%高と比較的小幅な上昇にとどまっています。

 


エヌビディアの1Q決算は予想を上回る大幅増収増益 2Qガイダンスも予想を上回る


人工知能(AI)ラリーの持続性を巡り注目されたエヌビディアの決算発表は予想を大幅に上回る増収増益となったほか、今四半期の売上高見通しも予想を上回りました。また、株式分割や増配を発表したことも好感され、株価は週間で15.13%高と急伸し、初めて1000ドルの大台を上回りました。


3次元グラフィックスプロセッサー製造の米エヌビディアが5月22日引け後に発表した2025年度第1四半期(2-4月)決算は、売上高が前年同期比3.6倍の260億4400万ドルと市場予想の246億4600万ドルを上回り、純利益が同5.6倍の152億3800万ドル、調整後の一株当たり利益は6.12ドルと市場予想の5.59ドルを上回りました。


部門別売上高はデータセンターが前年同期比5.3倍の225億6300万ドルと急増したほか、ゲーミングも同18.2%増の26億4700万ドルとなりました。


第2四半期については売上高見通しを前年同期比2.1倍となる280億ドルとし、市場予想の266億1000万ドルを上回りました。


また、従業員や投資家の株式取得を容易にするためとし、1対10の株式分割を発表しました。

株主還元については、四半期配当を従来の一株当たり0.04ドルから0.10ドルに150%引き上げ、株式分割後の一株当たり配当を0.01ドルとしました。

 

エヌビディアの株価は初めて1000ドルを突破 時価総額は2兆6200億ドルに増加


エヌビディアの株価は5月23日の取引で一時、前日比113.55ドル高(+11.96%)の1063.05ドルまで上昇し、88.49ドル高(+9.32%)の1037.99ドルで終了。初めて1000ドルの大台を突破し、3月8日以来、2カ月半ぶりに上場来高値を更新しました。週末24日の取引でも前日比26.70ドル高(+2.57%)の1064.69ドルと2日続伸。週間では15.13%高と大幅に5週続伸し、年初来では114.99%高となりました。

時価総額は2兆6200億ドルと、マイクロソフト3兆2000億ドル、アップル2兆9100億ドルに次いで第3位となり、アルファベット2兆1700億ドル、アマゾン・ドット・コム1兆8800億ドルとの差を拡大しました。






国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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