先週は主要3指数がそろって上昇 S&P500とナスダック総合の史上最高値更新続く
先週の米国市場ではダウ平均が0.29%高と3週ぶりに反発し、S&P500が1.32%高、ナスダック総合が2.38%高とともに反発しました。
利下げを巡る不透明感が続きましたが、エヌビディアの時価総額が一時3兆ドルを上回るなど、ハイテク株の上昇が相場をけん引しました。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げの条件となる労働市場については、先週発表された5月JOLTS求人件数、5月ADP民間部門雇用者数、新規失業保険申請件数が軒並み弱い結果となった一方、先週金曜日に発表された5月雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回る増加となったことが利下げ期待の後退につながりました。
5月雇用統計で非農業部門雇用者数が上振れしたことで週末金曜日の取引では主要3指数がそろって下落しましたが、S&P500は5日から7日まで3日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、ナスダック総合も5日、6日の連日で取引時間中の史上最高値を更新しました。終値でもS&P500とナスダック総合が5日に最高値を更新しました。
年初来ではナスダック総合が14.13%高、S&P500が12.10%高と2桁の上昇となりましたが、ダウ平均は2.94%高と比較的小幅な上昇にとどまっています。
エヌビディアの時価総額が3カ月で1兆ドル増加
先週の株高をけん引したエヌビディアは5日の取引で一時、時価総額が3兆120億ドルと初めて3兆ドルを上回り、アップル、マイクロソフトに続いて3社目の3兆ドル企業となりました。
初めて3兆ドル企業となったアップルは2022年1月に時価総額3兆ドルを突破し、マイクロソフトは2024年1月に時価総額3兆ドルを達成しました。
1993年創業のエヌビディアは今年2月に時価総額2兆ドルを突破すると、わずか3カ月余りで時価総額3兆ドルを達成しました。
エヌビディアが5月22日引け後に発表した2025年度第1四半期(2-4月)決算は、売上高が前年同期比3.6倍の260億4400万ドルとなり市場予想の246億4600万ドルを上回りました。
純利益が同5.6倍の152億3800万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は6.12ドルと市場予想の5.59ドルを上回りました。
第2四半期(5-7月)についても売上高見通しを前年同期比2.1倍となる280億ドルとし、市場予想の266億1000万ドルを上回る強い見通しが示されたほか、1対10の株式分割を発表したことや、四半期配当を従来の一株当たり0.04ドルから0.10ドルに150%引き上げたことも好感されました。
予想を上回る決算やガイダンスを受けてアナリストの目標株価引き上げが相次いだことが株価の追い風となったほか、3月に発売した新型AIチップ「ブラックウェル」の後継機種となる次世代AIチップを6月に発表し、更なる開発加速姿勢を示したことも好感されました。
マイクロソフト、エヌビディア、アップル、アルファベット、アマゾン、メタの6社が1兆ドル企業
6月10日時点で時価総額が1兆ドルを上回る企業はマイクロソフト、エヌビディア、アップル、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズの6社で、かつて時価総額が1兆ドルを上回ったテスラは時価総額が5000億ドル台まで減少し、ランキングは11位に下落しました。
7位以下は、バークシャー・ハサウェイ8862億ドル、イーライ・リリー8210億ドル、ブロードコム6675億ドル、JPモルガン・チェース5543億ドルとなっています。