日本を代表する超大型銘柄 「TOPIX Core30」が入れ替え

JPX総研は10月7日、「TOPIX Core30」や「東証グロース市場Core指数」などの指数構成銘柄の定期入れ替えについて(詳細はhttps://www.jpx.co.jp/news/6030/20241007-01.htmlを参照)発表しました。


「TOPIX Core30」のほか、「TOPIX Large70」、「TOPIX Mid400」、「TOPIX Small」などの「TOPIXニューインデックスシリーズ」、ならびに「東証グロース市場250指数」、「東証グロース市場Core指数」、「東証スタンダード市場TOP20」について、銘柄の入れ替えが公表されています。


日経平均株価については、株式投資をされないかたでも多くの方がご存じだとは思いますが、TOPIXやグロース250指数になると、投資家以外ではあまりなじみがないかもしれません。さらに「TOPIX Core30」となると、普段投資をしている方でも、ほぼ見ないよという方もいるかもしれません。あまりメジャーとは言い難い同指数ですが、実は東証に上場している企業のうち時価総額が大きく、流動性も高い30銘柄にしぼった、まさに日本を代表する企業だけで構成された指数なのです。


アメリカのダウ平均株価指数がちょうど同じ30名銘柄で構成されています。算出開始時期はダウ平均の方が古いので、TOPIX Core30では、もしかしたらダウ平均の数も参考にした面もあったのかもしれません。


そんな日本を代表する「超大型銘柄」のみで構成された同指数ですが、2024年の入れ替えではJT(日本たばこ産業)<2914.T>、三菱電機<6503.T>、三菱重工業<7011.T>、ファーストリテイリング<9983.T>の4銘柄が追加、アステラス製薬<4503.T>、SMC<6273.T>、ニデック<6594.T>、ファナック<6954.T>の4銘柄が除外となりました(新しい構成銘柄による指数の算出、公表は10月31日から実施)。


TOPIX Core30入れ替え

(JPX総研公表資料よりDZHFR作成)



指数入れ替えというと日経平均株価の構成銘柄入れ替えもちょうど10月1日に行われたばかりですが、「TOPIX Core30」は、日経平均株価の銘柄入れ替えとは違い、株式市場でもそこまで大きく話題になることはありませんでした。


その最大の理由はパッシブファンドによる組み入れがほとんどないことです。日経平均株価は前述してきたとおり、株式投資をしない人でも知っているほどの知名度があり、同指数に連動したETFなどに対し、インデックスに連動したパフォーマンスをめざすパッシブファンドによる資金が大量に入っています。その構成銘柄になるということはパッシブファンドによる買いが期待できるということで株価にも大きな影響を与えることから市場での注目度も高いわけですが、「TOPIX Core30」は連動するETFこそあるもの規模は大きくありません。例えば、TOPIX Core 30連動型上場投資信託<1311.T>は時価総額が100億円程度です。


株価に与える需給要因の差からどうしても注目度は限られてしまいますが、だからといって「TOPIX Core30」が重要ではないとはなりません。先ほども言いましたが、日本に上場する企業のうち、時価総額および流動性で日本トップクラスの企業のみで構成されていることから、すなわち外国人投資家による売買の割合が高いという傾向があります。


海外の投資家は日本の銘柄について、日本にいる私たちほど簡単に情報を得ることはできません。時差や言語の問題もありますし、売買するのも手間がかかります。一方で投じる資金は巨額です。そのため、誰もがよく知る大型で流動性のある銘柄に売買が集中するのです。


株式市場の値動きなどについて、テレビやラジオなどで、「きょうは海外投資家と思われる買いが観測されています」などと要因を説明している際には、日経平均株価やTOPIXなどの指数や個別銘柄の値動きだけでなく、「TOPIX Core30」などの動きも見られています。あくまで予想にはなりますが、市場全体よりも「TOPIX Core30」の上昇率が高く、売買が活況である際には、外国人投資家による買いが入っていると推測できるわけです。


こうした点なども気にしながら日々の市場の動きを追っていくと新しい発見につながることがあるかもしれません。ぜひ「TOPIX Core30」に注目してみてください。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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