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中東戦争の長期化懸念で原油高・株安・ドル高に
米国とイスラエルによる電撃的なイランへの先制攻撃から2週間となりましたが、事態が収束に向かう兆しは見られず。WTI原油先物価格は週明け9日の時間外取引で一時1バレル=119ドル台と約3年9カ月ぶりの水準まで急騰しました。ただ、その後は「G7が原油備蓄の協調放出を議論へ」との報道が伝わる中で急ピッチで上昇幅を縮小。同日開催されたG7財務相会合では決定には至りませんでしたが、トランプ米大統領が「イランとの戦争はほぼ決着した」との見解を示すと、時間外で一転して81ドル台まで下落しました。この原油の動きを受けて、この日のダウ平均は一時880ドル超の下落から上昇に転じました。
翌10日には主要7カ国(G7)エネルギー相会合で石油備蓄の協調放出など市場安定化に向けた対応策が議論され、「石油備蓄の放出を含む必要な措置を講じる用意がある」との共同声明が採択され、石油備蓄の放出期待で原油安が進行しました。11日には国際エネルギー機関(IEA)加盟国が協調して4億バレルの石油備蓄を放出することで合意しています。

*Trading Viewより
原油が下落し、株価が上昇したことで、「このままマーケットは落ち着いていくか?」という雰囲気となったところで、週末にかけては再び原油先物が上昇傾向に。イランの国営テレビは12日、殺害されたハメネイ師の後継者でイランの新しい最高指導者に選出されたモジタバ師の初の声明を公開。この中でモジタバ師は「ホルムズ海峡は引き続き閉鎖されるべきだ」「戦争が持続すれば、他の戦線が開かれる」と述べたうえで、米国への徹底抗戦の構えを強調しました。中東情勢の緊迫化に伴う供給懸念から、WTI原油先物価格は週末に99ドル台まで反発しています。この日、トランプ米大統領はFOXニュースとのインタビューで「今後1週間でイランに激しい打撃を与える」などと述べたほか、米WSJは「米国防総省が海兵隊と軍艦を中東に追加派遣している」と報じています。

*Trading Viewより
結局、今週も株・為替市場は原油の動向を睨みながらの展開。結局のところ原油高・株安・債券安(金利上昇)・ドル高の様相となりました。ドル円は週明け9日こそ上髭陰線となりましたが、そのあとは週末まで4日続伸。底堅い展開となりました。NY取引終盤には一時159.75円と2024年7月以来の高値を更新しています。もっとも、政府・日銀による為替介入への警戒感も強く、一本調子で上昇する展開にはなっていません。ユーロドルなど他の通貨ペアと比べるとドル高のスピードは緩やかなものになっています。
投機筋の円売りポジション、4万枚を超える
米商品先物取引委員会(CFTC)が13日(日本時間14日早朝)に発表した3月10日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は4万1387枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から2万4812枚増加しました。10日時点では大きなポジションの偏りとはなっていませんが、投機筋がこのまま、円売りポジションを積み上げていくのかどうかに注目です。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
なお、投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、それ以降はその動きが反転。投機筋の円売りポジションが4万枚を超えるに至っています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(159.73円)で雲の下限155.25円、上限155.77円、基準線156.01円、転換線158.11円を全て上回っています。雲は非常に薄い状態ですが、テクニカル的に上サイドへの期待が高まる状況です。また、材料的にも「円安」と「ドル高」の両方を備えている状況であり、円安・ドル高のトレンドが続くとみる市場参加者は多いようです。

*Trading Viewより
ファンダメンタルズ的にもテクニカル的にもこのままドル円の上昇が想定され、節目の160円突破はもちろん、2024年7月3日の高値161.95円が視野に入っています。ただ、これ以上の円安・ドル高は私たち国民生活への負担が大きく、最近の物価上昇に加えて、今週のガソリン代値上がりなども家計の大きな負担となっている状況です。9km/1Lの車に乗っている身としては非常につらいところです。「中東情勢の混乱」が落ち着き、これまでの原油高・株安・債券安・ドル高の巻き戻しでドル円が下落することを個人的には願っていますが・・・。

ドル円の上値を抑える要因としては今のところ「政府・日銀による円買い介入」のみ。片山さつき財務相は13日の閣議後記者会見で、ドル円の上昇について「為替を含む金融市場に大きな変動が生じている。国民生活に与える影響を念頭に、いかなるときも万全の対応をとる」と発言。為替介入を示唆して投機筋をけん制した格好ですが、結局この発言後もドル高・円安の流れに変化はありませんでした。とくに最近のマーケットは「円安」ではなく「ドル高」となっているところがネックです。
私個人としては、これ以上のドル高・円安(さらには株安なども)は困るところですが、マーケットにあわせていくしかないもの事実。今後もこの状況が続くと想定し、来週以降もドル円の押し目を狙っていきたいと思います。
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