テスラが52週高値を更新

先週はダウ平均、S&P500が反落 ナスダック総合は7週続伸し最高値を更新


先週の米国市場では、ダウ平均が2.68%安、S&P500が0.96%安とともに7週ぶりに反落しました。

一方、ナスダック総合は0.16%高と小幅ながら7週続伸し、週末25日は一時、18690.01ポイントまで上昇し、7月11日以来、3カ月半ぶりに取引時間中の史上最高値を更新しました。


米10年債利回りの上昇が重しとなる中、発表が本格化した第3四半期決算は好悪まちまちとなりました。テスラが予想を上回る利益や強い2025年見通しなどが好感され週間で22%高と急伸した一方、決算が嫌気された、ジェニュイン・パーツ、ニューモント、HCAヘルスケア、ニューコア、ダナハーなどが2桁安となりました。


センチメントはやや悪化しました。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の18.03ポイントから20.33ポイントに上昇し、不安心理が高まったとされる20ポイントを上回りました。


10月月初来ではダウ平均が0.51%安と6カ月ぶりの反落ペースとなった一方、S&P500が0.79%高と6カ月続伸ペース、ナスダック総合が1.81%高と3カ月続伸ペースとなりました。S&P500は10月にプラスで終了すれば、2023年11月からの12カ月で、4月を除く11カ月での上昇となります。


 

テスラの第3四半期決算は3四半期ぶりの増益 2025年見通しは予想を上回る


米電気自動車のテスラが10月23日引け後に発表した2024年第3四半期(7-9月)決算は、売上高が前年同期比7.9%増の251億8200万ドルとなりましたが市場予想の253億7300万ドルを下回りました。

しかし、調整後の純利益が同8.2%増の25億500万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は0.72ドルと市場予想の0.58ドルを大幅に上回りました。

コスト削減により、営業利益率は10.8%と前年同期から3.2%ポイント上昇し、市場予想の約8%を大幅に上回る改善となりました。


イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はカンファレンスコールで、2025年に20~30%の販売増が可能だとし、2025年の販売台数がアナリスト予想の200万台を上回る、210万~230万台となることを示唆した。

また、2025年第2四半期に自動運転の安全性が人による運転を上回るとしたことで、同社が注力するロボタクシー事業の成長期待が高まりました。

 


決算発表を受けてアナリストの目標株価引き上げ相次ぐ


決算発表やマスク氏のコメントを受けてアナリストの目標株価引き上げが相次ぎましだ。カナダの投資銀行カナコード・ジェニュイティが目標株価を254ドルから278ドルに引き上げたほか、RBCが236ドルから249ドルに、BOFAグローバルが255ドルから265ドルに引き上げました。


株価は24日の取引で前日比46.83ドル高(+21.92%)と急伸し、週末25日の取引でも3.71ドル高(+3.34%)の269.19ドルと2日続伸して終了。週間では21.97%高となり、年初来では8.33%高となりました。


週明け28日の取引では、一時4.33ドル高(+1.61%)の273.52ドルまで上昇し、7月11日に付けた52週高値270.93ドルを更新。その後は利益確定売りに押され、終値では6.68ドル安(-2.48%)の262.51ドルと3日ぶりの反落となりました。





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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