衆議院選挙で自民党が圧勝したことを受けて、株式市場では三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)といった防衛関連銘柄の注目度が高まっています。
今回は、2月10日までに出そろった第3四半期決算と最新株価に基づき、大手3社のPER(株価収益率)を比較・分析します。
3社の中では三菱重工のPERが突出して高い
2月4日から10日にかけて3社の第3四半期決算が発表されていますので、各社とも直近で情報がアップデートされています。3社のPERは2026年2月10日時点で、三菱重工が60倍台、IHIと川崎重工が30倍台となっています。

なお、三菱重工と川崎重工は、このタイミングで通期の純利益見通しを上方修正しています。
3社を見比べると三菱重工のPERが突出して高くなっています。
衆議院選挙の与党大勝が防衛関連の追い風に
2月8日に投開票が実施された衆議院選挙では、自民党が大勝しました。高市首相の人気が結果に大きく影響した選挙でしたが、その高市首相は「防衛力強化」に力を入れるスタンスを示しています。
自民党総裁選で高市氏が勝利した際にも、株式市場で防衛関連が賑わう場面がありました。今回の大勝によって、自民党が推進したい政策を前に進めやすくなるとの見方が強まっており、恩恵が期待できる筆頭として足元でも防衛関連の値動きが良くなっています。



今後の注目ポイントは?
防衛関連株は、国が防衛力強化に力を入れるかどうかで、市場からの評価が大きく変わる性質を持っています。その点で、高市政権下においては高いPERが許容されやすいセクターと言えます。とはいえ、3社とも防衛事業だけを手がけているわけではありません。実際に防衛費が増額された場合でも、各社の業績に対する貢献度は緩やかなものになると推測されます。
三菱重工は防衛関連にスポットライトが当たる際には真っ先に資金が向かいやすいだけに、その分、PERも高めとなっています。ただ、川崎重工やIHIとは開きがあります。今後に関しては、以下の3つのシナリオが想定されます。
(1)IHIや川崎重工がキャッチアップしてPER50~60倍辺りまで評価される
(2)三菱重工がクールダウンして30~40倍辺りに向けて過熱感を削いでいく
(3)三菱重工がリード役となって80~100倍を目指す流れとなり、防衛関連のプレミアム感が高まる
なお、現状では期待値も相応に高くなっていると考えられます。(3)のシナリオに関しては
・高市政権が防衛費を大幅に増額する
・世界的に地政学リスクが高まる事態が発生する
など、今以上に市場参加者が防衛力強化の必要性を強く意識する材料が必要になると思われます。
一方で、高市政権が防衛力強化よりも経済活性化により重きを置く姿勢を示した場合、防衛関連は手掛かり難となって市場の注目度が低下する可能性もあります。今後、打ち出される政策に関して、政府の優先順位がどこにあるか、ニュースを注意深くチェックしておきたいですね。



