資産運用“やめとけ”は本当?投資を敬遠する前に知っておきたいリスクと対策

資産運用と聞くと、「お金が減ったらどうしよう」「投資は難しそう」と感じる人もいるかと思います。


さらに周囲から「やめとけ」と言われ、資産運用に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。


たしかに投資にはリスクがあり、株式や投資信託といった金融商品は価格が上がることもあれば下がることもあるため、必ず儲かるわけではありません。


しかし、資産運用を始めるかどうかを周囲の「やめとけ」という声だけで決めてしまうのは、もったいないといえます。


大切なのは、リスクを正しく理解し自分に合った投資方法を選ぶことです。


本記事では、資産運用のリスクを紹介するとともに、初心者でも失敗しないためのコツも紹介するので、資産運用を始めてみたい方はぜひ参考にしてください。


「資産運用はやめとけ」と言われる3つの理由

資産運用には株式や投資信託などの方法があり、特徴やリスクの種類もさまざまです。


ここでは「資産運用はやめとけ」と言われる理由を、以下の3つの観点に分けて解説します。


1. 価格変動リスク

2. 流動性リスク

3. 投資詐欺や過度なレバレッジのリスク


資産運用のリスクについて過度に不安を抱く必要はありませんが、どのような注意点があるのか確認しておきましょう。


1.価格変動リスク

金融商品の価格は、各国・地域の経済状況や企業の業績に左右されます。


そのため、保有している商品の価格を予想するのは難しく、思わぬタイミングで値下がりする恐れもあるでしょう。


短期的な値動きばかりに反応して焦ってしまうと、大きな損失につながることがあります。


2.流動性リスク

保有している金融商品を売る際には、購入希望者がいないと取引が成立しません。


もし人気のない銘柄を保有していると、売りたいときにすぐ売れなかったり希望する価格で売却できなかったりする可能性があります。


また、急な出費で資金を確保したい場合にも売却できずに、必要な額を確保できないのもリスクです。


3.投資詐欺や過度なレバレッジのリスク

投資は必ず利益が出るものではなく、SNSなどでうまい話があったとしても裏があることが多いです。


また、保有資金以上の取引ができるレバレッジを過度にかけると、損失が急激に膨らむリスクがあります。


とくに投資経験の浅い初心者が短期間で大きな利益を狙う場合、詐欺に巻き込まれるリスクや誤った判断によって大きな損失を被るおそれがあるため注意が必要です。



資産運用をおすすめする3つの理由

ここでは資産運用をおすすめする理由を、次の3つに分けて解説します。


1. 複利効果でコツコツ資産を増やせる

2. NISAやiDeCoなどの税制優遇がある

3. 資産運用は少額からでも始められる


資産運用には便利な制度や仕組みがあるため、効率良く資産を増やすためにも事前に確認しておきましょう。


理由1:複利効果でコツコツ資産を増やせる

資産運用には「複利効果」と呼ばれる仕組みがあります。


複利効果とは?

投資で得た利益を再投資して元本を増やし、それによって新たな利益を生み出すことで資産が増えていく仕組みをいいます。


複利効果により雪だるま式で資産が増え、期間が長くなるほど恩恵を受けられます。


銀行預金だけではほとんど増えないお金も、長期投資をすることで少しずつ増やせるのです。


理由2:NISAやiDeCoなどの税制優遇がある

 

※出典:厚生労働省「iDeCoとNISA」


日本には、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度があります。


NISAを利用することで投資の利益が非課税になり、iDeCoでは掛金が全額所得控除されて所得税や住民税を抑えることが可能です。


これらの制度は、政府が国民の資産形成や老後への資金不足による不安を解消するために制定されました。


節税メリットが大きい制度を利用すれば、効率良く資産を増やせるでしょう。


理由3:資産運用は少額からでも始められる

投資というと、まとまった資金が必要なイメージがあるかもしれません。


しかし、現在ではネット証券会社を利用すれば、数百円から購入できる金融商品もあります。


少額投資なら投資額を抑えてリスクも軽減できるため、初心者でも安心して始めやすいのが魅力です。


まずは少額で経験を積みながら、投資に慣れてきたら少しずつ額を増やしていくと良いでしょう。



初心者でも失敗を減らすためのコツ2つ

では、どのように始めれば資産運用での失敗を減らせるのでしょうか?


ここでは初心者の方が資産運用を始めるときのコツとして、以下の2つを解説します。


1. 分散投資する

2. 余剰資金で運用する


それぞれの内容について、以下で順番に見ていきましょう。


1.分散投資する

資産運用は、第一に「分散投資」を意識することが重要です。


分散投資とは?

投資先を一つにせず、異なる金融商品や資産クラス(株式・債券・投資信託・不動産など)に分けて投資することをいいます。


分散投資のメリットは、一部の商品が値下がりしても他の商品の値上がりで損失を相殺できることです。


投資信託なら1つの商品で株式や債券などに分散されているため、初心者でも実践しやすいでしょう。


2.余剰資金で運用する

初心者の方は「余剰資金」での資産運用を心がけましょう。


余剰資金とは?

生活費やローンの支払いで必要な資金を除いて、貯金や投資に回せるお金をいいます。


生活費なども投資に回してしまうと、相場の下落が発生した際に冷静な判断ができなくなり、損失がさらに膨らむ可能性があります。


余剰資金であれば一時的な値下がりでも「生活には影響ない」と割り切って、長期視点での投資判断が可能です。


初心者の方は最初は少額で始め、投資の仕組みやリスク許容度を把握していくといいでしょう。


まとめ

本記事では、「資産運用はやめとけ」と言われる理由や資産運用の魅力・始め方のコツをご紹介しました。


資産運用にはリスクがあるのは確かですが、リスクを正しく理解し自分に合った投資方法を選ぶことで資産を増やせる可能性があります。


NISAやiDeCoといった節税制度を上手く活用し、まずは余剰資金を使って少額投資から資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?


稲葉 じゅん

金融ライターズアカデミー所属。ブログ運営を経てWebライターへ転身。 投資経験を活かして投資信託・FX・仮想通貨・NFTジャンルなどを執筆している。 NISAの積立でS&P500、仮想通貨はビットコイン・リップルを運用中。

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