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【暗号資産レポート】2026年4月まとめ―主要銘柄は反発、日米で進む規制整備とETFへの堅調な資金流入

市場動向


2026年4月の暗号資産市場は、主要銘柄を中心に反発しました。BTCの対ドルにおける月間上昇率は約11.9%、ETHは約7.1%となりました。

 

同期間、暗号資産全体の時価総額は約2.35兆ドルから約2.54兆ドルへと増加しました。騰落率は約8.1%の増加となり、主要銘柄だけでなく、市場全体でもリスク選好が回復する動きが確認されました。

 

一方、ステーブルコインの供給総額は月間で約1.1%増加しました。オンチェーン上の待機資金は小幅に増加しましたが、主要銘柄の価格上昇に比べると伸びは限定的でした。

 

DeFiプロトコルへの預入資産の規模を示すTVL(Total Value Locked)は、月間で約11.5%の減少となりました。月中には一時的に増加する場面もありましたが、月後半に大きく低下し、月末時点では月初を下回る水準となりました。

 

短期的には、ETFフローに加え、オンチェーン上の待機資金やTVLの推移が市場の地合いを判断するうえで引き続き注目されます。

 

BTCやETHの価格推移


2026年4月のBTCは月初の約68200ドルから、月末には約76300ドルまで上昇しました。月間では約11.9%の上昇となり、月中に振れを伴いながらも、全体としては反発基調を維持しました。

 

現物ETF市場では月間で大幅な純流入が確認されており、BTCの需給を下支えしたとみられます。

 

 

※BTCドル日足チャート、出所:TradingView

 

ETHも月初の約2100ドルから月末には約2250ドルまで上昇しました。上昇率は約7.1%となり、BTCと比べて上昇幅は小さくなりました。主要銘柄のなかでは、BTCの上昇が相対的に目立ちました。

 

 

※ETHドル日足チャート、出所:TradingView

 

ETFフロー


2026年4月の現物ETF市場では、BTC、ETHともに4月を通じて純流入を記録しました。月内にはいずれも流入と流出が交錯しましたが、BTCでは月中の大規模な流入が目立ち、月間の純流入額を押し上げました。

 

BTC現物ETFは、4月合計で約19.7億ドルの純流入となりました。6日、9日、14日、17日、22日には比較的大きな資金流入が観測され、特に17日には単日で約6.6億ドルの流入となりました。これに対し、13日や27日には大きめの流出も確認されましたが、月中の流入がこれを上回り、最終的にでは純流入で着地でした。

 

 

※BTC現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue

 

ETH現物ETFは、4月合計で約3.56億ドルの純流入となりました。6日、9日、17日、22日には相対的に大きな流入がみられ、特に17日には単日で約1.27億ドルの流入となりました。他方、2日、23日、29日には流出が目立つ場面も確認されましたが、月間では純流入を維持しました。

 

 

※ETH現物ETF、日次資金フロー 出所:sosovalue

 

ETH現物ETFも月間では純流入となりましたが、流入規模はBTC現物ETFを大きく下回りました。ETFフローは引き続きBTC中心の展開となっており、ETHへの資金流入にも回復はみられましたが、その規模は限定的でした。

 

オンチェーンデータ


2026年4月末時点では、主要暗号資産の価格が反発したのとは対照的に、オンチェーン指標にはばらつきがみられました。ステーブルコインの供給総額は小幅に増加しましたが、DeFi TVLは月後半に低下しました。

 

ステーブルコインの供給総額は、月間では約3163億ドルから約3198億ドルへと拡大しました。伸び率は約1.1%の増加となり、オンチェーン上の待機資金は小幅ながら増加しました。ただし、暗号資産全体の時価総額や主要銘柄の価格上昇に比べると、増加率は限定的でした。

 

 

※ステーブルコイン供給総額 出所:defillama

 

DeFiセクターのTVL(Total Value Locked)は、月初の約943億ドルから月末には約835億ドルへと減少しました。月中には一時約995億ドルまで拡大する場面もありましたが、月後半にかけて大きく低下し、月を通じた騰落は約11.5%の減少となりました。価格面では主要暗号資産が反発したものの、DeFi分野への資金流入は弱く、オンチェーン上のリスク選好は限定的だったとみられます。

 

暗号資産関連ニュース


2026年4月は、米国と日本を中心に、暗号資産を巡る制度整備の動きが続きました。米国では、暗号資産市場構造法案を巡る議論が進み、日本では暗号資産規制の枠組み見直しや、トークン化預金・ステーブルコインを用いた決済実証に関する動きがみられました。

 

米国では、ベッセント財務長官が暗号資産市場構造法案「Digital Asset Market CLARITY Act(クラリティ法案)」の通過を議会に求めました。同法案は、暗号資産市場に連邦レベルの規制枠組みを整備することを目的としており、暗号資産関連企業が米国内で事業を展開するうえで、法的明確性を高めるものとして注目されています。

 

日本では、金融庁の4月公表資料において、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法へ移行し、暗号資産を有価証券とは別の金融商品として位置付ける方向性が示されました。投資家保護や無登録業者への対応、情報提供の充実、およびセキュリティ確保などが論点とされています。

 

また、金融庁は4月3日、「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP)」の支援案件として、トークン化預金やステーブルコインを用いた銀行間決済の実証実験を支援すると公表しました。異なる銀行の顧客間での送金に伴う銀行間決済について、実務的な有用性や法的論点を検証する内容です。

 

アナリスト

チョウ シンウ

広州生まれ。香港浸会大学で学士課程を修了後、コペンハーゲン大学にて学び、修士号を取得。香港の金融データ分野における実務経験を経て、現在はDZHフィナンシャルリサーチにてブロックチェーン・暗号資産分野に関する分析を担当している。

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