和平協議の見通しは立たずも…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年4月22日19時頃、対円では前週(7日前)比5.6%高の1243万円前後で取引されています。一時、1月末以来の高値を1248万円台まで更新しました。
BTCドルも7万8000ドル近辺でしっかりした値動きです。こちらも2月初旬以来の高値となる7万8400ドル前後まで上げ幅を広げました。
トランプ米大統領は21日、対イラン停戦の無期限延長を表明しました。しかし、海上封鎖について米・イランの言い分が違っており、溝は一段と深まっているようにも見えます。執筆時点では、第2回和平協議の見通しは立っていません。
しかしながら、株式相場はかなり楽観的な見方をしているようです。米国株は大きく変われ、日経平均株価指数も22日には過去最高値を更新しました。原油相場は不安定ですが、リスクオンの流れにビットコインも乗り、直近の高値を上抜けています。

※Trading Viewより
暗号資産はもう「証券」と呼ばれない?
さてこの一週間、暗号資産についても様々なニュースがありました。そのいくつかをまとめてみたいと思います。
米証券取引委員会(SEC)のアトキンス委員長が、就任1周年を機に発表した「ACT戦略」が大きな注目を集めています。これまでの「まずは訴訟」という力押しの規制スタイルを改め、ルールをはっきりさせることで、暗号資産と証券の境界線を整理しようという試みです。なかでも画期的なのは、SEC自らが「暗号資産そのものは証券ではない」という解釈を明文化した点にあるでしょう。
この方針転換は、業界にとって大きな追い風となりそうです。これまでは「いつ当局に目を付けられるか分からない」という法的な不透明さが、米国市場の大きな壁となっていました。このリスクが解消されることで、暗号資産関連企業による株式上場(IPO)の動きも一気に加速するかもしれません。
市場はこの変化を歓迎していますが、手放しで喜んでばかりもいられません。ルールが明確になったということは、同時に「知らなかった」という言い訳が通用しないフェーズに入ったことを意味します。自由が認められる一方で、今後はこれまで以上に隙のない厳格な管理体制が求められることになるでしょう。

※Trading Viewより
金融・安全保障の要職は…
今週行われた米議会の公聴会で、次期FRB議長候補のケビン・ウォーシュ氏は「デジタル資産は金融サービスの一部」と認めました。ただ、同時に分かったのが、同氏がソラナ(SOL)や決済インフラ企業などに1億3000万ドル!!を超える個人資産を投じていることです。
これは次期FRB議長が「暗号資産の将来性を確信している」とも受け取れます。ただし、うがった見方をすれば、自らの莫大な利益を保護するために優位な政策を推進する「ポジショントーク」ではないかという懸念は拭えません。
また、米インド太平洋軍のパパロ司令官が、ビットコインを「武力投射(パワープロジェクション)のツール」と評した点も非常に興味深い点です。
本来、ビットコインは政府の管理から離れた「自由な通貨」として誕生しました。しかしながら、軍がこれを安全保障上の武器と見なすことは、国家によるネットワークの囲い込みや、サイバー戦における戦略物資としての利用を示唆しています。
しかしながら、分散型という理想が国家の権力争いの道具として利用されつつある現状には、私たちは警戒心を持つ必要があるかもしれません。
暗号資産とSNSの融合?!
X(旧Twitter)は先日、「Cashtags」という機能を導入しました。これはビットコインなどの価格をリアルタイムで表示するだけでなく、外部の証券会社と連携して即座に取引できる環境を整えたものです。この機能は開始数日で10億ドルもの取引高を記録しており、SNSが巨大な「仮想の取引所」へと変貌している様子が伺えます。
暗号資産投資へのハードルが大きく下がった、ということは良い点でしょう。一方、情報の拡散と売買が直結しすぎるリスクを指摘する声も聞こえます。
インフルエンサーの投稿一つで相場が反応し、初心者が衝動的に高リスクな動きに巻き込まれる可能性もあるでしょう。便利さは確かに高まりましたが、今後Xにより広がるであろう「感情的な相場形成」が、市場に影響を与えるかが注目されます。
「Smart Cashtags Transform X With Powerful Real-Time Crypto Insights」
ブータン、BTC戦略の転換
ブータンは、ヒマラヤ山脈に位置する内陸国で、国民総幸福量(GNH)を重視する独自の国体で知られています。同国は、山岳地帯の豊富な水資源を利用した「水力発電」による余剰電力を使い、政府投資部門を通じて、2020年頃から大規模なビットコイン・マイニングを進めてきました。
いわば「国の自然エネルギーをビットコインに変えて貯金する」という独自の国家戦略を歩む、暗号資産の世界では先進的な国でした。
しかしブータンは現在、その保有量をピーク時の1万3000BTCから約4000BTCまで急減させています。2026年に入ってからの累計売却額は2億ドルを突破しました。
ブータン政府は、ビットコインの売却で得た資金を国内のインフラ整備や運営経費に充てているようです。環境負荷の低いクリーンエネルギーで集めた資産を、実体経済に還元するフェーズに入ったということでしょうか。やはり、依然として暗号資産の先進国と言えそうです。
今週のまとめ↓






