パロアルト・ネットワークス、調整後純利益は12%増
サイバーセキュリティーのパロアルト・ネットワークス(PANW)が発表した2024年11月-2025年1月期決算は売上高が前年同期比14.3%増の22億5700万ドル、純利益が84.7%減の2億6700万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)のEPS(1株利益)は0.84ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.78ドルを4.2%上回っています。
大幅減益の要因は前年同期に16億1100万ドルに上る税還付を計上した反動です。こうした一過性の要因を除く非GAAPの調整後純利益は12.1%増の5億6600万ドルとなります。
本業は着実に成長しています。売上高の内訳は、ファイアウオール製品やネットワークセキュリティーの管理ソリューションなどを含むプロダクト部門が7.9%増の4億2200万ドル、クラウドを通じてサービスを提供するサブスクリプション&サポート部門が15.9%増の18億3600万ドルです。
売上高の伸びが顕著なサブスクリプション&サポート部門では、未知のマルウエアを自動的に検出して防御する「WildFire」、悪意あるウェブサイトへのアクセスを防ぐ「URLフィルタリング」といった機能をクラウドを通じて提供しており、売上高の約8割を占める主力事業に成長しています。
パロアルト・ネットワークスのニケシュ・アローラ最高経営責任者(CEO)は、「人工知能(AI)の発達で顧客がテクノロジーを採用せざるを得なくなり、力強いパフォーマンスにつながった」と説明しています。
ガイダンスでは2025年2-4月期の売上高が前年同期比14-15%増の22億6000万-22億9000万ドル、非GAAPのEPSが0.76-0.77ドル、次世代セキュリティー事業の年間経常収益(ARR)が33-34%増の50億3000万-50億8000万ドルに上ると予想しています。
2025年7月通期のガイダンスでは、売上高が91億4000万-91億9000万ドル、非GAAPのEPSが3.18-3.24ドル、次世代セキュリティー事業のARRが31-32%増の55億2000万-55億7000万ドルに上ると予想しています。
エアービーアンドビー、宿泊・体験の予約件数が12%増と好調
民泊仲介プラットフォームを運営するエアービーアンドビー(ABNB)が発表した2024年10-12月期決算は純利益が4億6100万ドルとなり、3億4900万ドルの純損失を計上した前年同期から黒字に転換しました。売上高は前年同期比11.8%増の24億8000万ドルです。EPS(1株利益)は0.73ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.58ドルを26.8%上回っています。
宿泊・体験の予約件数が12.3%増の1億1100万件と好調でした。北半球のオフシーズンに当たる10-12月期に1億件を突破するのは今回が初めてです。1泊または1体験当たりの予約額は0.9%高い158.13ドルで、総予約額は176億ドルに達しています。
黒字転換の主な要因は、前年同期に約10億ドルの源泉徴収税を計上し、赤字に転落した反動です。ただ、特別要因を除く調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)でも3.7%増の7億6500万ドルと増益で、売上高と利益を着実に伸ばしています。2024年末時点で宿泊場所や体験を提供するホストは500万人を超え、プラットフォームに載せている宿泊場所・体験の数は800万件を上回っています。
ガイダンスでは2025年1-3月期の売上高が前年同期比4-6%増の22億3000万-22億7000万ドルと予想した上で、前年同期はイースターのタイミングが良く、2月29日もあったため稼働日が多かった点も挙げました。こうした要因や為替変動の影響を除外した場合、売上高は10-12%増加する見通しです。
一方、2025年には、新たに始動させるビジネスに2億-2億5000万ドルを投資する計画です。中核事業を継続的に伸ばす半面、新たなビジネスで成長の機会を探る方針を打ち出しています。