昨年、本コラムでも『上場廃止続出するか 延命措置終了』で解説した、東京証券取引所の市場再編に伴う「経過措置」が終了しました。いよいよ、本来の上場維持基準が適用される時期に入っています。
今後は基準を満たせない企業に対して、改善期間や監理銘柄指定などの措置が取られる可能性があります。今回は、自分の保有銘柄をどのように確認すればよいのかを中心に見ていきましょう。
経過措置終了で何が変わる?
2022年4月に、東京証券取引所の株式市場区分が「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3市場に再編されました。その際に各市場の上場維持基準を満たしていなかった企業は、上場維持基準が緩和された経過措置を受け、東証に改善計画や進捗状況を提出してこれまで上場を続けてきました。
この猶予期間を「改善期間」といいます。改善期間の期限は、その企業の決算期によって異なります。3月期決算企業は、2026年3月末に改善期間が終了しています。4月期決算企業は2026年4月末に、5月決算なら2026年5月末に、というように、順次、改善期間が終了していきます。
「上場廃止=すぐに紙くず」ではない
改善期間内にその企業が上場している市場の上場維持基準に届かなかった場合には、監理銘柄・整理銘柄(原則として6ヵ月間)に指定され、その後、上場廃止となります。上場廃止となった後は、東証市場での株式の売買が出来なくなります【図】。

といっても、改善期間が終了してすぐに上場廃止というわけではありません。上場廃止になるのは、改善期間最終日の翌日から6ヵ月が経過してからです。たとえば2026年3月31日が改善期間の最終日だとすると、2026年10月頃に上場廃止となる可能性があります。
ただし、市場区分の変更審査に日数を要した場合など、例外的な運用ルールに基づいた上場廃止日となるケースもありそうです。
上場廃止日までに売らなかったらどうなるの?
東証で上場廃止となった銘柄の株式は、上場廃止後に東証での売買はできません。換金したい場合は、その株式を買いたい人を探し、当事者間で直接取引しなければなりません。これを「相対取引」といいます。
しかし上場廃止になった銘柄の相対取引は、流動性が大きく低下すると考えられます。買い手がなかなか見つからなかったり、希望する価格で売れなかったりする可能性があります。
ただし、他の取引所に重複上場している銘柄の場合で、他の取引所での上場が続いているのであれば、その取引所での売買は可能です。
なお、たとえばプライム市場の上場維持基準に適合できなかった場合に、自動的にスタンダード市場に移行するかというと、そのような制度にはなっていません。上場会社がスタンダード市場への市場区分の変更審査を受け、審査基準に適合した場合に限って、市場区分の変更を行うこととされています。
自分の保有銘柄はどう確認する?
自分が保有している銘柄が改善期間に入っているかどうかは、東証を傘下に持つ日本取引所グループのホームページで調べることができます。これは随時、更新されています。
さらに、上場廃止となるかどうか審査中の「監理銘柄」と、上場廃止が決まった「整理銘柄」も、日本取引所グループのホームページに掲載されています。
●改善期間該当銘柄等一覧(https://www.jpx.co.jp/listing/market-alerts/improvement-period/index.html)
●監理・整理銘柄一覧(https://www.jpx.co.jp/listing/market-alerts/supervision/index.html)
上場廃止=紙くずではない
上場企業だから安心とは限りません。しかし、上場維持基準や改善計画は公開情報として確認できます。すでに多くの企業は自社株買いや持ち合い解消などの対策を進めてきています。実際には一斉に上場廃止が発生するというより、個別企業ごとの対応になりそうです。
【出典】日本取引所グループ「改善期間該当銘柄等一覧」
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