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【米国株インサイト】サッカーW杯開幕:優勝候補はどの銘柄?

サッカーW杯の北中米大会きょう開幕、規模は過去最大

サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会が米国時間のきょう6月11日に開幕します。米国、カナダ、メキシコの3カ国共催で、大会規模は過去最大。出場国・地域が前回までの32から48、試合総数が64から104にそれぞれ増えるのがその理由です。


もちろん経済規模も圧倒的に大きくなるとみられており、特に注目されるのがルールの変更に伴う経済効果です。サッカーは前後半がそれぞれ45分間で、ハーフタイム15分間というのが基本的な建て付けです。今回もこれに変更はないのですが、前半と後半のそれぞれの半ばほどに飲水タイムとして3分間のプレー中断時間を設けます。


サッカーのテレビ中継ではこれまで、ハーフタイムを除けば試合の途中にCMを挟むことが困難だったのですが、飲水タイムにCMを入れることが可能になります。スポーツコンテンツとしての使い勝手が格段に良くなり、価値は高まると予想されています。


実質的なクオーター制(1試合を4分割する方式)への移行ととらえる向きもあります。クオーター制のスポーツの代表格はアメリカンフットボールのNFLやバスケットボールのNBAで、ともにスポーツビジネスとして大成功を収めています。サッカーも米国を中心とする今回のW杯を契機にアメリカ化が進むとみられています。


今回のW杯ではスペインやフランス、イングランド、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチンなどが優勝候補に上げられていますが、経済効果や営業面の勝者となる米国株はどこなのか、関連銘柄を確認してみたいと思います。


コカ・コーラ、五輪とFIFAの最上位スポンサー

コカ・コーラ(KO)は世界最大級のソフトドリンクメーカーで、ボトリング会社にライセンスを供与するケースを含めれば、世界の200以上の国・地域で事業を展開しています。


コカ・コーラは世界に7社しかない国際サッカー連盟(FIFA)の最上位スポンサー「FIFAパートナー」の1社で、今回のW杯でも大々的な広告展開が見込まれます。世界で最も人気のあるスポーツの世界的な巨大イベントに広告を打つ効果は極めて大きいのです。


また、FIFAの公式飲料パートナーとして、それぞれの会場で独占販売できるメリットもあります。夏の暑い時期に合わせて104試合が行われる予定で、販売収入はもちろん会場での宣伝効果も高いと見込まれます。



コカ・コーラは国際オリンピック委員会(IOC)と契約する最上位スポンサー「ワールドワイドオリンピックパートナー」の1社でもあります。FIFAとIOCでダブルの最上位スポンサーとなっているのは世界中の企業の中でコカ・コーラとクレジットカードのビザ(V)だけです。


2026年のサッカーのW杯、そして2028年のロサンゼルス夏季五輪とお膝元の米国を中心に巨大スポーツイベントが続きます。広告費は莫大ですが、両社にはスポンサーとして大々的に露出し、それに見合う効果を追求するとみられます。


ビール販売に押し上げ効果、勝者はどちらの銘柄か

夏場の大会でテレビ観戦をする人が増えれば、ビールの消費量が大きく伸びると予想されます。FIFAパートナーに次ぐカテゴリー「ワールドカップ・スポンサー」の1社で、公式ビールスポンサーになっているのがアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD、以下ABインベブと表記)です。


ABインベブといえば「バドワイザー」が有名で、「バドライト」が売れ筋ですが、トランスジェンダーのインフルエンサーと組み、保守とリベラルの双方からの反発で負った傷は完全に癒えたわけではないようです。ただ、ライトビールの「ミケロブ・ウルトラ」の販売が好調で、ワールドカップを契機にバドライトが復調すれば、大きな恩恵を享受できそうです。


さらに「コロナ」、「モデロ・エスペシアル」、「パシフィコ」、「ビクトリア」といったメキシコビールを米国以外で販売していることも追い風です。メキシコやブラジルなど熱狂的なサッカーファンの多い中南米の国々で時差があまりなく、自国の試合が夜にテレビ中継されるのであればビール消費量が一気に跳ね上がるのは必至です。



一方、コンステレーション・ブランズ(STZ)は「コロナ」、「モデロ・エスペシアル」、「パシフィコ」、「ビクトリア」といったメキシコビールを米国で販売できるライセンスを持っています。


もともとはABインベブが2013年にこうしたブランドを持つメキシコのグルーポ・モデロの買収に乗り出したのですが、これらのブランドを米国で展開した場合、米国の反トラスト法規(独占禁止法)に抵触する恐れがあったため、ABインベブは米国での販売を断念。コンステレーション・ブランズがグルーポ・モデロの米国事業を買い取ったのです。


米国でメキシコビールの人気は高く、「モデロ・エスペシアル」が販売量で首位に躍り出たこともあります。ただ、トランプ第2次政権が始まると、中南米からの移民に対する風当たりが強まり、メキシコビールの販売量にも影響が出たようです。


一方、米国に住む中南米からの移民もテレビの前に陣取る時間は長くなりそうです。米国内でもメキシコビールの消費量が増えると予想されます。


ペプシコは公式スナックパートナー、菓子ブランドで展開

飲料・食品大手のペプシコ(PEP)もワールドカップ・スポンサーです。ただ、ライバルのコカ・コーラが最上位のFIFAパートナーとして公式飲料という強力なポジションを築いているため、ペプシコーラなどの飲料で対抗することはできません。


ペプシコは菓子ブランドの「フリトレー」を前面に出し、スナックの公式パートナーとしてW杯商戦に臨む方針です。主な製品はポテトチップスの「レイズ」、コーンスナックの「チートス」、トルティーヤチップスの「ドリトス」など。テレビ観戦時のおやつやおつまみの需要を取り込むと予想されます。



このほかにマクドナルド(MCD)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)がワールドカップ・スポンサーです。さらに地域パートナーなどのカテゴリーもあるため、多様な企業がプロモーションを強化し、経済全体が活気づくと見込まれます。

中国株情報部

島野 敬之

出版社を経て、アジアの経済・政治情報の配信会社に勤務。約10年にわたりアジア各国に駐在。 中国株二季報の編集のほか、個別銘柄のレポート執筆を担当する

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