マグ・セブンがS&P500の下落を主導

先週は主要3指数がそろって大幅続落 ナスダック総合に続きS&P500も一時「調整相場」入り


先週の米国株式市場ではダウ平均が1313.53ドル安(-3.07%)と大幅に2週続落し、S&P500が2.27%安、ナスダック総合も2.43%安とともに大幅に4週続落しました。

週末金曜日は買い戻しが優勢となりましたが、トランプ関税による景気悪化、物価上昇、貿易摩擦激化などへの懸念が強まり、週間ではダウ平均が2023年3月以来の大幅安を記録。S&P500は木曜日に高値から10%超下落し、「調整相場」入りとなりました。

前週に「調整相場」入りしたナスダック総合も高値からの下落率を一時14%超に拡大しました。


投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の23.37ポイントから火曜日に一時29.57ポイントまで上昇し、2024年8月以来の水準まで上昇しましたが、21.77ポイントで終了し、週間では1.60ポイントの低下となりました。


 


一般消費財とITセクターがS&P500の下落を主導


2023年と2024年の2年連続で大幅高となった主要3指数は、2025年は先週末時点でダウ平均が2.48%安、S&P500が4.13%安、ナスダック総合が8.06%安とそろってマイナスとなりました。


しかし、S&P500の11セクターの年初来騰落率をみると、ヘルスケア、エネルギー、公益、素材、生活必需品、不動産、金融の7セクターが年初来で上昇し、資本財とコミュニケーションは年初来で下落したものの、S&P500(-4.13%)をアウトパフォームしています。

一方、一般消費財が13.82%安、ITが9.45%安となり、ナスダック総合の8.06%安もアンダーパフォームしました。


 


マグニフィセント・セブンの大幅安が年初からの下落を主導するも、メタはプラス圏を維持


2025年は一般消費財、ITの2セクターの大幅安が年初からの米国株の下落と要因となっていますが、中でも時価総額上位のマグニフィセント・セブン(アップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、テスラ)の大幅下落が目立ちます。


一般消費財では、テスラが年初から38.10%安(3月14日現在、以下同様)と暴落したほか、アマゾン・ドット・コムも9.77%下落しました。

ITでは時価総額最大のアップルが14.75%安となり、エヌビディアとマイクロソフトもそれぞれ9.40%安、7.81%安となりました。

コミュニケーションではアルファベットが12.58%安となりましたが、メタ・プラットフォームズが3.77%高となり、業種指数の下支えとなりました。


マグニフィセント・セブンの中で唯一上昇したメタ・プラットフォームズは、2023年に194.13%高、2024年に65.42%高となり、2025年も2月14日に740.87ドルの上場来高値を付け、年初来で一時26.53%高となりました。AIインフラの構築のために600億~650億ドルの設備投資を行うと発表したことや、AI搭載のヒューマノイド・ロボットの開発を検討しているとの報道が好感されたほか、1月下旬に発表された四半期決算が予想を上回る大幅増収増益となったことも株価を押し上げました。






国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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