REIT指数に底打ちの兆し

REIT指数の上昇が続く


足元でREIT指数の値動きが良くなっています。3月12日から26日まで10日連続で上昇しており、この間に1700pの節目も超えてきました。



3月の中央銀行イベントは波乱なく通過


REITに買いが入った背景の一つに、中央銀行イベントを波乱なく通過したことが挙げられます。


3月は日銀金融政策決定会合FOMCがともに3月18日~19日に開催されるスケジュールでした。日銀会合では利上げが見送られ、FOMCでは利下げが見送られました。政策の変更・修正がなかった上に、今回はどちらも事前にこの結果になるであろうとの織り込みが進んでいました。


日本では大企業が賃上げに積極姿勢を示しており、3月前半には「日銀の追加利上げの時期が前倒しされるのでは」との見方も出ていました。しかし、3月には利上げはありませんでした。米国は利下げは実施しませんでしたが、年内2回の利下げ見通しは維持されました。どちらの結果もJ-REITには悪くない結果であったと考えられます。


3月前半の下げ分を取り戻す


3月12日以降の上昇に関しては、その手前が弱かった反動という側面もあったと思われます。ただ、既に3月前半に大きく下げた分は取り戻しています。



2月に戻りを試した際には、1700pを上回ったところで上昇が一服しました。しかし、3月中旬以降の上昇では1700pを上回った後も買いが続いています。3月25日には高値が1722.99pまであり、1月29日につけた高値の1725.94pに接近しています。


下値模索から一進一退に


REIT指数は中長期で見れば下げトレンドが続いており、上げる時には鋭角的になるものの、いったん崩れると落ちるのも早いといった動きを繰り返していました。2025年に入ってからも強い時期と弱い時期がはっきりしています。


ただ、2025年は下押す場面でも、2024年12月19日につけた1611.44pは割り込んでいません。前の安値を下回らない状態が長く続けば底打ち感が出てきます。


また、2025年は2024年に比べて、崩れた際の下げの期間が短くなっています。



2024年8月につけた安値が1618.96p、同年12月につけた安値が1611.44pですので、この辺りがボトムであった可能性も出てきました。ここから先は、ひとまず1700pより上で値を固めることができるかが焦点となります。大崩れを回避して1750p辺りまで戻せるようなら、底値圏を脱したとの見方から追随買いが入りやすくなる展開が期待できます。


日本株情報部 アナリスト

小松 弘和

証券会社、外資系生命保険会社、大手出版社マネーサイトの株式分析アナリスト、FX会社勤務を経て2014年に入社。金融全般に精通。2級FP技能士。 「トレーダーズ・プレミアム」では、「個別株戦略」「Market Flash」などのコンテンツやニュース配信を担当。 メディア掲載&出演歴 日経CNBC「朝エクスプレス『証券中継』」(隔週金曜)、株主手帳「街の専門家『今月の相場見通し』」、週刊現代、日経マネー、ダイヤモンド・ザイ、ビジネスマンの人生逆転マガジン「Ambitious」、完全ガイドシリーズ「株 完全ガイド」

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