先週は主要3指数がそろって3週ぶりに大幅反発
先週の米国株式市場ではダウ平均が1897.85ドル高(+4.95%)、S&P500が5.70%高、ナスダック総合が7.29%高とそろって3週ぶりに大幅反発となりました。S&P500は2023年11月以来の大幅高となり、ナスダック総合は2022年11月以来の大幅高を記録しました。
トランプ関税で混乱が続く中、前週末に中国が報復関税を発表したことで週初は不安定な展開となりましたが、トランプ大統領が水曜日に「相互関税」を90日間、一時停止すると発表したことで急速に買い戻しが強まりました。
しかし、4月月初来ではダウ平均が4.26%安、S&P500が4.43%安、ナスダック総合が3.32%安とそろって大幅安となりました。
週間では記録的な大幅反発となりましたが、投資家の不安心理を示すVIX指数は警戒水準にとどまりました。VIX指数は前週末の45.31ポイントから月曜日に一時60.13ポイントと、2024年8月以来の水準まで上昇し、火曜日と水曜日も一時50ポイント台を上回りました。
週末は37.56ポイントに低下して終了しましたが、市場の不安心理が高まっている状態とされる20ポイントを大きく上回っています。
S&P500が戦後3番目の日次上昇率を記録
米株式市場は週間で記録的な上昇となりましたが、日次ベースでも記録的な大幅高となりました。
S&P500は9日に前日比9.52%高となり、2008年10月13日の11.58%高、2008年10月28日の10.79%高に次いで、第2次世界大戦後3番目の日次上昇率を記録しました。
2008年はリーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに金融危機が起こった時で、それ以来の大幅高となりました。
ダウ平均も9日に7.87%高と2020年3月13日の9.36%高以来、戦後6番目の大幅高を記録し、ナスダック総合は9日に12.16%高と、2001年1月3日の14.17%高以来、戦後2番目の大幅高を記録しました。
4月第4週からテスラ、アルファベット、アップルなどハイテク・ジャイアントが決算を発表
主要3指数が週次でも日次でも歴史的な上昇を記録したことで、市場の一部では「あく抜け」したとの見方がありますが、先週末のVIX指数が依然30ポイントを上回っていることや、トランプ政権の関税政策が目まぐるしく変わることでこの先も不安定な相場が続くことが予想されます。
4月月初来ではダウ平均が3.52%安、S&P500が3.67%安、ナスダック総合が2.70%安とそろって2カ月続落ペースとなり、年初来ではダウ平均が4.75%安、S&P500が8.09%安、ナスダック総合が12.84%安とそろって昨年末水準を大きく割り込んでいます。
一時、史上最高値から20%超下落して「弱気相場」入りとなったナスダック総合は、下落率を16.57%に縮小しましたが、高値から10%超下落した「調整相場」にあり、S&P500も高値から12.01%安と、ナスダック総合と同様に「調整相場」にあります。
4月中旬からは企業の第1四半期決算発表がスタートしており、トランプ政権の貿易政策の不確実性が高い中、発表される決算やガイダンスが今後の焦点となりそうです。14日に時点でJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスなどの大手金融機関の決算はほぼ出そろいましたが、4月第4週に発表されるテスラ、アルファベット、4月第5週(4/28-5/2)に発表されるアマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップルなどのハイテク・ジャイアントの決算発表に要注目となります。