先週は主要3指数がそろって大幅反落
先週の米国株式市場ではダウ平均が2.66%安、S&P500が1.50%安、ナスダック総合が2.62%安とそろって大幅に反落しました。
金曜日がグッドフライデーの祝日のため休場で4日間の取引でしたが、週明け14日はトランプ米大統領がスマートフォンやコンピューター、半導体などを「相互関税」の対象から除外すると発表したことで、トランプ関税への過度な警戒感が和らぎ上昇してスタートしました。
しかし、トランプ関税を巡る不確実性が意識されたことや、米政府の中国向けAI半導体の輸出禁止に絡んで巨額の費用計上が嫌気されたエヌビディアが大幅安となったこと、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が早期利下げについて否定的な見解を述べたこと、ダウ平均採用銘柄のユナイテッドヘルスが急落したことなどが重しとなり火曜日以降は売り優勢の展開が続きました。
週間では3指数がそろって大幅反落となりましたが、センチメントはやや改善しました。
投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の37.56ポイントから週末木曜日は29.65ポイントに低下して終了。
ただ、市場の不安心理が高まっている状態とされる20ポイントを引き続き上回っています。
ネットフリックスの1Q決算は予想を上回る増収増益
主要3指数がそろって大幅反落する中、木曜日引け後に発表されたネットフリックスの第1四半期決算は市場予想を上回る内容でした。
米動画配信サービス大手のネットフリックスが4月17日引け後に発表した2025年第1四半期(1-3月)決算は、売上高が前年同期比12.5%増の105億4300万ドルとなり市場予想の105億1500万ドルを上回りました。
純利益が同23.9%増の28億9000万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は6.61ドルと市場予想の5.71ドルを大幅に上回りました。
同社は経営状況を図る指標として売上高などを重視するとして、動画ストリーミング会員数の発表を取りやめました。
第2四半期については、売上高見通しを110億ドルとし、市場予想を小幅に上回りましたが、2025年通期については売上高見通しを435億~445億ドルとし、従来の見通しを据え置きました。
また、先週初めには、現在約4000億ドルの時価総額を1兆ドルに増やすことを目指すとし、2030年までに売上高倍増を目指すと発表しました。
株価は先週木曜日の時間外取引で約3.5%高となりましが、週明け21日の取引でも一時、44.97ドル高(+4.62%)の1018.00ドルまで上昇し、14.88ドル高(+1.53%)の987.91ドルで終了。S&P500の上昇率10位にランクインしました。
年初来では10.84%高となり、ダウ平均の10.28%安、S&P500の12.30%安、ナスダック総合の17.81%安を大きくアウトパフォームしています。
決算発表を受けてアナリストは目標株価を引き上げ
17日の第1四半期決算発表を受けてアナリストの目標株価引き上げが相次ぎました。
JPモルガンは目標株価を1025ドルから1150ドルに引き上げ、ウェドブッシュ証券は目標株価を1150ドルから1200ドルに引き上げました。
パイパー・サンドラーは、消費者向けインターネット・サービスで最も優位な立場にある、強力なエンターテイメント価値を持つコンテンツの提供力、不況にも耐えうる堅固なサブスクリプションモデルを擁していることなどを高く評価し、投資判断を「オーバーウエート」で据え置きました。
リフィニティブが集計するアナリスト50人の投資判断は、「強気買い」が13人、「買い」が25人、「保有」が12人となり、「買い」が1カ月前から3人増加しました。
目標株価の中央値は1カ月前の1100ドルから1147.50ドルに上昇しました。