先週は主要3指数がそろって続伸 ダウ平均が8カ月ぶりに取引時間中の史上最高値を更新
先週の米国株式市場ではダウ平均が770.51ドル高(+1.74%)、S&P500が0.94%高、ナスダック総合が0.81%高と主要3指数がそろって2週続伸となりました。
米7月消費者物価指数(CPI)がおおむね予想通りとなり、トランプ関税によるインフレ高進懸念が和らいだほか、スコット・ベッセント財務長官が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の2回分にあたる0.50%の利下げが実施できるとの見通しを示したことで、利下げ期待の高まりが相場の支援となりました。
7月小売売上高が市場予想通りの増加となり、個人消費の底堅さが確認されたほか、ダウ平均採用銘柄のユナイテッドヘルスがバークシャー・ハサウェイの取得を好感し大幅高となったことも追い風となりました。
S&P500は12日から14日まで3日連続で終値の史上最高値を更新し、ナスダック総合も12-13日の連日で終値の史上最高値を更新。ダウ平均は週末15日に、昨年12月4日以来、8カ月ぶりに取引時間中の史上最高値を更新しました。
ユナイテッドヘルスがダウ平均の最大の押し下げ要因
先週の取引ではダウ平均が8カ月ぶりに取引時間中の史上最高値を更新しましたが、年初来上昇率はダウ平均が5.65%高、S&P500が9.66%高、ナスダック総合が11.97%高となり、ダウ平均の不振が目立ちます。年初からの史上最高値(取引時間中)更新回数は、ダウ平均の1回に対して、S&P500が1月22日から23回、ナスダック総合が6月27日から19回を記録しました。
終値ベースでは、ダウ平均は最高値まで67.92ドル(-0.15%)に迫った一方、S&P500が18回、ナスダック総合が20回の最高値更新を記録しました。
S&P500とナスダック総合をアンダーパフォームするダウ平均採用30銘柄の年初来の対指数寄与を見ると、ゴールドマン・サックス、マイクロソフト、ボーイングなどがダウ平均の上昇をけん引した一方、ユナイテッドヘルス、セールスフォースがダウ平均の重しとなりました。
上昇寄与トップのゴールドマン・サックスは年初来騰落率が27.61%と、エヌビディアの34.37%高。ボーイングの32.92%に次いで3位でしたが、ダウ平均への上昇寄与は971.82ドルと、ダウ平均の上昇幅(2401.90ドル)の約40%を占める最大の寄与となりました。これは、株価が昨年末の572.62ドルから30銘柄中最も高い730.72ドルまで、値幅で158.10ドル上昇したことが、単純平均を採用するダウ平均の最大の押し上げ要因となりました。
上昇寄与が606.51ドルと第2位となったマイクロソフトも上昇率では4位でしたが、値幅で98.67ドル上昇したことで25%の寄与となりました。
一方、ダウ平均を最も押し下げた銘柄はユナイテッドヘルスで、年初来下落率が39.90%、下落寄与が1240.75ドルと、ともに30銘柄中最大でした。
仮に、ユナイテッドヘルスの大幅下落が無かった場合、ダウ平均の年初来上昇幅は3,642.65ドルとなり、上昇率は8.56%と、S&P500の9.66%に迫ったことになります。
バークシャー・ハサウェイがユナイテッドヘルス株を大量取得
ユナイテッドヘルスは年初来でダウ平均の最大の押し下げ要因でしたが、押し目買いの動きもみられます。
先週末15日の取引では、ユナイテッドヘルスの株価が11.98%高と急伸しました。米証券取引委員会(SEC)への開示書類で、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが500万株以上(約16億ドル)のユナイテッドヘルス株を取得したことが好感されました。
8月1日に234.65ドルの52週安値を付けて、年初来で53.61%安となりましたが、週末に急反発したことで、年初来の下落率は39.90%に縮小しました。
バークシャー・ハサウェイのユナイテッドヘルス株取得の理由は明らかではありませんが、株価は週明け18日の取引でも1.47%高と続伸し、年初来では39.02%安となりました。