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夜でも株が売買できる? ~投資ビギナーのためのPTS取引のしくみと活用法~

株式投資というと、「平日の昼間に取引するもの」というイメージを持っている方が多いかもしれません。実際、東京証券取引所の取引時間は9時から15時30分までに限られています。


しかし、夜間でも株式を売買できるしくみがあることをご存じでしょうか。それが「PTS(私設取引システム)」です。


PTSとは? 夜に株式取引ができるしくみとは?


PTSとは、証券取引所とは別に、証券会社などが運営する私設の株式売買システムのことです。日本では主にジャパンネクストPTSなどがあり、SBI証券や楽天証券など一部のネット証券を通じて利用することができます。


PTSの特徴は、取引時間が長いこと。日中の時間帯に加えて、夕方から夜間にかけても取引が可能です。仕事などで日中に時間が取れない人にとって便利なしくみといえます。東京証券取引所での取引とPTS取引の違いを【表】にまとめました。



PTSはどのような使い方ができる?


PTS取引は、主に夜間取引として活用されていますが、使い方によっては投資の幅を広げることができます。


たとえば、企業の決算発表は多くの場合、取引終了後に行われています。通常の市場では、その内容を受けて取引をするなら翌営業日となります。株価の反応も、翌営業日まで分かりません。しかしPTSであれば、その日の夜のうちに売買が可能です。


また、海外市場の動きや為替の変動を見ながら、日本株の売買を行うという使い方も考えられます。日中とは異なる情報環境の中で判断できる点は、大きな特徴といえるでしょう。


また、PTSは思わぬ場面で活用されることもあります。


2020年10月、東京証券取引所でシステム障害が発生し、1日中売買ができなくなるという出来事がありました。その際、通常の市場では取引ができない中でも、PTSを通じて売買を行うことができたケースがありました。


このように、PTSは夜間取引だけでなく、いざというときの代替の市場としての役割も持っています。普段は意識しないしくみですが、市場の安定性を支える一面もあるといえるでしょう。


PTS取引は増えている


ではここで、PTS取引の推移を見てみましょう。



このグラフは、PTSでの売買代金と、証券取引所の取引全体に占めるPTSの売買代金の割合についての推移です。近年、PTSでの売買は大きく増加しており、特に直近数年は増加ペースが加速しています。


かつては限られた投資家が利用する市場でしたが、現在では個人投資家の間でも利用が広がり、株式市場の一部として存在感を高めていることがうかがえます。


PTS取引(夜間取引)を利用する際の注意点


一方で、PTS取引には注意点もあります。


まず、出来高が少ないため、価格が不安定になりやすいという特徴があります。取引量が少ないことから、売買が成立しにくかったり、思わぬ価格で約定したりすることもあります。


また、すべての銘柄が取引できるわけではありません。対象銘柄が限られているうえ、信用取引など一部の取引は利用できないケースもあります。


このように、便利なしくみである一方で、通常の取引所取引とは異なる性質を持つ点には注意が必要です。


PTS取引は、株式投資の時間的な制約を広げることが可能な選択肢といえるでしょう。特に、日中に時間が取れない人や、決算発表などの情報に素早く対応したい人にとって、有効な選択肢となるでしょう。


ただし、流動性の低さや価格の変動には注意が必要です。まずはしくみを理解したうえで、自分の投資スタイルに合うかどうかを見極めることが大切です。


【参考サイト】

●日本証券業協会

HOME>統計・調査・報告書>定期的に実施している統計・調査等>金融商品取引所上場銘柄のPTSにおける売買状況等

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/pts_toukei.html


ファイナンシャル・プランナー

石原 敬子

ライフプラン→マネープラン研究所 代表 ファイナンシャル・プランナー/CFP®認定者。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。終活アドバイザー® 大学卒業後、証券会社に約13年勤務後、2003年にファイナンシャル・プランナーの個人事務所を開業。大学で専攻した心理学と開業後に学んだコーチングを駆使した対話が強み。個人相談、マネー座談会のコーディネイター、行動を起こさせるセミナーの講師、金融関連の執筆を行う。近著は「世界一わかりやすい 図解 金融用語」(秀和システム)。

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