このところ、大手化学メーカーが相次いで値上げを発表しています。値上げの背景は、化学製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)や天然ガスといった資源が、中東情勢の緊迫化やエネルギー市場の変動によって価格が高止まりしているためです。
加えて、歴史的な円安水準が輸入コストをさらに押し上げており、国内生産コストの上昇が避けられない状況であることも要因となります。各社のリリースでは「自助努力の限界」といったワードが目立ち、やむなく価格転嫁に踏み切っているといった雰囲気感じ取れます。
生活するうえで消費者が化学メーカーと直接関わることは少ないですが、化学メーカーとの取引がある企業にとっては大問題。一般消費者にとっても他人事ではないので、今回はその影響について考えてみることにしました。
何が値上げされた?
イラン紛争が始まった後の3~4月を対象に、4月22日時点で確認できたものをピックアップしてみました。全部は調べきれなかったため、一部に絞って掲載します。

なんとなく何の用途で使われているか想像できるものもありますが、いまいちパッと思い浮かびませんね。これらの製品が何に使われているのか、消費者が手にするものにすると、例えばエストラマー製品はタイヤや医療用手袋、酸化エチレンは界面活性剤、食品包材用スチレン系シートは精肉や惣菜の白いトレーなどになります。
私たちが手にする食品や生活用品は、化学メーカーの製品を何かしら使っていることが分かりますね。これらを手掛ける企業は化学メーカーの値上げによって製造コストが一段と増加してしまい、企業努力も限界を迎えているところです。企業存続のためにも値上げをするしかないので、遅かれ早かれ一般消費者向けの商品も値上げが実施されるでしょう。

株式市場の目線と生活の目線
株式市場では、持続的な成長が求められる中で「減益」や「赤字」は投資家が特に嫌がる事象です。こういった背景もあり、利益の押し上げにつながるのでポジティブに受け止められる傾向があります。安易な値上げは反発や買い控えを招きますが、やむを得ない事情があれば許容されることが多い印象です。
一方、生活者目線だと値上げは勘弁です。相応に所得水準が上昇していればペイできますが、それが実現している人は多くありません。現在は化学メーカーの値上げが先行していますが、しばらくすると食品、日用品、住宅、自動車、さまざまなサービスの値上げが始まると思われます。身近なモノの値上げニュースを聞くと気持ちが沈んでいきますよね。

今の状況では値上げは仕方ない部分もありますが、ただ受け入れるだけだと負担が増えるだけになってしまいます。現時点で発表されている化学メーカーの値上げは、おおかた4月~6月の出荷分から実施される予定です。
その後数カ月の時間をおいて、一般消費者向け商品の値上げも実施されると考えられます。値上げ前に買うのか、様子を見るのか、特に大型出費の予定があれば早めに決断しておくことが大切です。値上げを見越して無理に買い溜める必要はありませんが、今のうちに家計や支出の見直しを進めておきたいところです。





