今回は東証スタンダード上場で配当利回りの高い5社について、本当にその利回りを今後得ることができるのかどうかを確認したいと思います。
配当利回りだからそうだろうと思うかもしれませんが、今期の配当予想が未定の場合は前期の実績で配当利回りが計算されている場合があります。毎期大きく配当が変わらない会社や、増配を継続している会社であれば、それほど問題ではありません。注意したいのは、前期に記念配当や特別配当を実施しており、今期に実施されない(実施される可能性が低い)会社です。
では、実際に確認してみたいと思います。2026年6月10日時点において東証スタンダード上場で配当利回りの高い5社は以下となります(トレーダーズ・ウェブの銘柄スクリーニングを使用して抽出)

ムゲンエステート(3299)
ムゲンエステートは、今期(26.12)の年間配当予想を130円(中間配当予想52円、期末配当予想78円)としています。前期(25.12期)の配当実績は114円(中間配当45円、期末配当69円)でした。
5月15日に発表した26.12期1Q(1-3月)の連結経常利益は7.3億円(前年同期比72.5%減)と大幅な減益。通期の経常利益予想(110.6億円)に対する進ちょくがかなり遅れています。業績下方修正に伴う配当の減額という可能性があることには注意が必要です。
ブランジスタ(6176)
ブランジスタは、今期(26.9)の年間配当予想を65円としています。内訳は中間配当実績25円(うち特別配当25円)、期末配当予想40円(特別配当25円)です。前期(25.9期)の年間配当実績は10円(中間配当なし、期末配当10円)でした。
5月14日に発表した26.9期上期(10-3月)の連結純利益は17.1億円(前年同期比5.4倍)と大幅な増益。投資有価証券売却による特別利益の計上が寄与しました。同社は投資有価証券の約半数を売却し、売却益の約半分を特別配当として株主に還元しています。今期の大幅な増配は記念配当によるものですので、来期以降の減配に警戒すべきです。
ディーエムエス(9782)
ディーエムエスは、今期(27.3)の年間配当予想を232円(中間配当予想110円、期末配当予想122円)としています。前期(26.3期)の配当実績は234円(中間配当110円、期末配当124円)でした。
5月15日に発表した26.3期通期の営業利益は14.9億円(前の期比25.9%増)でした。既存顧客との取引拡大や新規受注の獲得によりダイレクトメール事業が伸長したことなどが寄与しました。
27.3期通期の営業利益予想は15.3億円(前期比2.0%増)としています。小幅な減配予想ですが、業績は安定していますので、今後も高い配当利回りが期待できそうです。
フジコピアン(7957)
フジコピアンは、今期(26.12)の年間配当予想を118円(期末配当予想118円)としています。前期(25.12期)の配当実績は40円(期末配当40円)でした。
5月15日に発表した26.12期1Q(1-3月)の連結営業損益は4500万円の黒字(前年同期は1億6400万円の赤字)となりました。グループを挙げた生産の効率化や販売費および一般管理費の抑制に努めるなどコスト削減に取り組んだことなどが寄与したとしています。
フジコピアンは、連結配当性向30%以上、ただし配当の下限を連結 DOE (株主資本配当率)1.0%とすることを基本方針としており、配当予想の予想連結DOEは2.4%の見込みです。
日産証券グループ(8705)
日産証券グループの前期(26.3期)の年間配当は15円(中間配当3円、期末配当12円)でした。今期の配当予想は未定ですが、配当方針として自己株式取得を含めた連結ベースでの配当性向(総還元性向)を60%以上に定めています。
26.3期通期の営業利益が14.6億円(前の期比2.1倍)と好調でしたが、27.3期の業績予想は開示していません。日産証券グループの主たる事業は金融商品取引業および商品先物取引業であり、業績は相場環境の変動の影響を大きく受けます。投資は、過去の配当実績ではなく、四半期ごとの業績動向をしっかり確認しながら、検討すべきと考えます。
最後に
今回は東証スタンダード上場で配当利回りの高い5社について、本当にその利回りを今後得ることができるのかどうかを確認しました。まとめると以下のようになります。
ムゲンエステートは、今後の業績推移によっては減配のリスクがあるので注意が必要です。
ブランジスタは、特別配当により一時的に配当利回りが上昇していますので、長期保有を目的とする場合は注意が必要です。
ディーエムエスは、業績が大きく崩れることがなければ、安定した配当利回りが続きそうです。
フジコピアンは高配当利回りですが、新株予約権の行使により期末配当が下方修正されるリスクがあります。
日産証券グループは、配当性向(総還元性向)が高いですので、業績次第といえます。
配当利回りランキングだけでは見えないことが多くあります。開示情報などにより、なぜこの銘柄の配当利回りは高いのかをしっかりと確認するようにしてください。





