「イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。
さて、今回は番外編です。
前年終盤に「2026年の見通し」を書きましたが、今回は重要な出来事が発生したため、改めて見通しを取り上げたいと思います。
※その時の記事はこちらから
皆様の参考になれば幸いです。
2026年の予想レンジ
時間のない方はここだけでも。まとめです。
2026年の予想レンジ:139-162円
⇒2024年の高安の中での往来が継続、概ね140-160円の横ばいトレンドという見立て
シナリオの変更
昨年末の執筆時点では、「2024年の高安の中での往来が継続、概ね140-160円の横ばいトレンド」をメインシナリオとして見ていました。しかし、6月に入り2024年に付けた高値を突破すると、7月に入り163円まで一段と上昇して1986年12月以来の高値をつけています(7/23執筆時点)。
今回の上昇について、材料もついてきていることで、ここから上昇トレンドに入る可能性が出てきました。
材料については、
・中東情勢の緊迫化による原油高が引き起こすインフレ懸念により、米年内利上げ期待が浮上したことによるドル買い
・高市政権による財政拡張的政策への警戒感のほか、追加利上げ期待の後退により日銀の対応が後手に回る事への懸念による円売り
などが合わさっている状況です。
また、6月30日に財務省が発表した外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)によると、5月28日-6月26日の介入額はゼロでした。4月の11兆円以上の介入額と比べると、本邦政府が円安を容認したと解釈されても仕方ないといえるでしょう。その後7月に入り163円台に乗せてきましたが、片山財務相から伝わる円安けん制発言は今一つ緊張感に欠ける内容であることも、円安容認との見方を後押ししています。
テクニカル面についても、それまで直近高値で抵抗、かつ現在のサイクルにおける天井と目されていた24年7月高値161.95円を明確に上抜けたことで、上値余地が拡大した可能性があります。
ここからの見通し
ここからの見通しですが、後述するサイクルの到来時期を意識しつつ、ドル円は上値を試す動きが予想されます。以前から個人的に注目している「逆プラザ合意」、つまり1985年のプラザ合意後は上値を切り下げる展開となりましたが、2011年を境に下値を切り上げる動きがより強く意識されそうです。
以下、心理的節目を除く主な目標値です。※は追加
163.95円:1986年12月高値※
169.08円:1985年2月高値262.80円-2011年10月安値75.35円の下げ幅1/2戻し
170.23円:360円-75.35円の下げ幅1/3戻し
174.03円:23年1月安値から24年7月高値161.95円の上げ幅を、同年9月安値139.58円に加えた値(N計算値)
177.05円:1978年10月安値
184.09円:360円-75.35円の下げ幅38.2%戻し
184.32円:2024年7月高値-同年9月安値のレンジ幅倍返し
サイクルの応答が近づいている
テクニカル面で気になるのは、16.5年(198カ月)と4-5年のサイクルの応答タイミングが近づいている点です。通常、小さいサイクルは大きいサイクルに吸い寄せられることが多いとされます。前回2011年につけたボトムから16.5年後は、28年4月にあたります。4-5年サイクルについて、2024年9月安値を起点とするならば、28年4月は43か月目にあたります。やや短いかもしれませんが、期間の±6分の1は許容範囲とする「オーブ」で考えると、まあ妥当かという気もします。
したがって、ここから先は天井を付けることがあれば、サイクルボトムに向けた下押しがやってくる可能性を考慮しながらトレードする必要があると見ます。高値掴みとなる恐れがある点に要注意です。
とはいえ、サイクル通りに応答タイミングが到来することは少なく、通常は誤差が生じることが多いです。そこで、期間の±6分の1は許容範囲とする「オーブ」という考え方があります。その考えに基づくと、198カ月の±1/6は165-231カ月であることから、2025年7月-2031年1月の中でボトムが確認できればサイクル継続となる見通しです。
サイクルの山の位置でいえば、仮に43カ月でサイクルボトムが到来すると仮定した場合、現在は直近のボトムから23カ月経過した位置にあります。形という面では、今しばらく上昇して明確なライトトランスレーション(上昇トレンド示唆)となるか注目です。

※Trading ViewをもとにDZHフィナンシャルリサーチ作成
リスクシナリオ
リスクシナリオとしては、9カ月線が18カ月線を下回る場合ですが、現状ではいずれも上向きとなっており、下落トレンドに移行するには時間がかかると見ます。

※Trading Viewより
現在保有ポジション(執筆時点)
ユーロドル買い 平均1.1449ドル



