特定の銘柄の値動きを1カ月間追いかけてみる「あの銘柄を買ってみた!」
今回は2026年5月に取り上げたフジクラの値動きを振り返ります。

1カ月後の株価は大幅上昇
6月29日の終値は5885円でした。5月27日の終値は5140円でしたので、値動きを見た1カ月では745円の上昇となりました。
51万4000円が58万8500円となり、745円×100株で7万4500円の上昇(手数料・税金は考慮せず)、上昇率は+14.5%となりました。
業績修正を発表して株価は乱高下
値動きを見た期間のフジクラ株はかなり激しい動きとなり、市場の注目も集めました。
本決算が強い失望を誘って急落した後、いったん鋭角的に切り返しましたが、戻りは続かず5月後半から6月中旬にかけては売り直されました。6月11日には3888円まで下落しており、5月14日の高値7933円から1カ月足らずで半値以下となっています。
しかし、6月18日に流れが変わります。この日の引け後にフジクラは業績の大幅上方修正を発表しました。これがビッグポジティブサプライズとなり、19日、22日の株価は取引時間中には値が付かず、ストップ高比例配分となりました。23日には7068円まで上昇する場面がありました。

見通しの引き上げ度合いが凄まじい
6月18日の業績修正の内容は、上期の営業利益見通しが920億円(前年同期比2.0%増)から1740億円(同1.9倍)に、通期の営業利益見通しが2110億円(前の期比11.8%増)から3100億円(同1.6倍)に引き上げられるという、凄まじい上方修正でした。
期初計画の時点では想定していなかったハイパースケーラーからの受注や売価アップがあったとのことです。また、期初計画では、水素など一部の原材料の調達が追いつかなくなる懸念があり、この影響を保守的に見込んでいました。しかし、こちらについても影響が緩和されるとのことです。
期初の計画に関しては、多くの企業で保守的となることが多い傾向はあります。ただ、本決算の発表日は5月14日でした。1カ月程度でここまでの引き上げが出てくるというのは、なかなかのレアケースです。
当面は荒い動きが続く可能性
上方修正発表後の2営業日連続ストップ高はインパクトがありました。ただ、3営業日ぶりに取引時間中に値が付いた23日は、7023円で寄り付いて一時7068円まで上昇したものの、終値は6487円で、高く始まった後は失速しています。7月1日の終値は5826円で、6000円を割り込んでいます。6月19日に買えた人は少なかったので、上方修正を確認した後に参入した場合、現時点では報われていない方が多いと思われます。
では、発表前に買えたかというと、1カ月で半値になるレベルまで下げていましたので、買いをためらう方も多かったと考えられます。
上方修正そのものはポジティブな話です。ただ、株価に関しては、それで直近の下げ分を全戻しして高値を更新するとは限りません。大きな動きが出てくると、高値で買った方、安値で買った方、信用取引などを活用して下がった際に利益が出るようなトレードをしている方など、様々な投資家の思惑が交錯します。デイトレードの対象にもなりやすいだけに、当面は荒い動きが続きそうです。
なお、週足チャートでは下落トレンド入りを回避したような動きとなっています。

業績に関しては、短期間で上方修正が出たという実績を作りましたので、仮にこの先に出てくる1Q決算や2Q決算が市場の期待に届かなかったとしても、「これは保守的かもしれない」との見方から、売り急ぎが抑制されそうではあります。一方、短期間で急落してしまっただけに、5月14日につけた上場来高値の7933円に近づいてくると、やれやれ売りが出やすくなります。この7933円を早期に上回ることができるかどうかが、フジクラの今後を占う上で重要なポイントになると考えられます。



