ナスダック100はナスダック市場に上場している銘柄のうち金融セクターを除く時価総額上位100社で構成される株価指数です。米国経済の成長を象徴するITやバイオテクノロジー、消費財などのリーディングカンパニーが名を連ね、重要なベンチマークとして注目されています。
構成銘柄に採用されるには、時価総額や一定以上の出来高、そして金融業ではないことなどが前提条件となります。これまでは原則として毎年12月に構成銘柄の定期入れ替えが行われていましたが、2026年5月1日より新ルールが適用されました。
新ルールでは、3月、6月、9月、12月の四半期ごとのレビューで銘柄の機動的な入れ替えが可能になりました。前編では2026年6月22日に加わったアステラ・ラボ(ALAB)とコアウィーブ(CRWV)を取り上げました。今回はネビウス・グループ(NBIS)、テラダイン(TER)、ロケット・ラボ(RKLB)の3銘柄をご紹介します。
ネビウス・グループ、AI開発環境を一括提供
ネビウス・グループはオランダのアムステルダムに本社を置くAI特化型のクラウドインフラプロバイダーです。巨大データデンターの運用を通じたAIインフラからAIモデル(大規模言語モデルなど)を効率よくトレーニングするためのソフトウエア、AIエージェントの開発に必要なツールまでを包括的に提供しています。

AI開発に必要なインフラからソフトウエアに至るまでフルスタックで準備できる点が強みです。顧客は大企業、ソフトウエアベンダー、AIネイティブ企業、研究機関など多岐にわたり、用途もモデル開発から運用まで幅広いという特徴があります。
ただ、最近のAIブームを受け、コアウィーブのようにデータセンターを迅速に建設し、AIインフラを重点的に提供するビジネスの重みが増しています。ネビウス・グループもコアウィーブと同様にエヌビディアとの良好な関係を通じ、GPUを優先的に調達できる強みがあります。

巨額投資を通じてAIの開発を急ぐ米国のテック大手にとって、こうしたインフラの確保は重要な課題です。ネビウス・グループはメタ・プラットフォームズ(META)やマイクロソフト(MSFT)と計算資源を提供する大型契約を結び、データセンターの建設を進めています。
テラダイン、半導体複雑化で検査装置の需要急増
テラダインは自動検査装置(ATE)の世界的な大手です。半導体、ワイヤレス機器、ストレージ、光半導体など幅広い製品のATEを提供し、AI、データセンター、通信、自動車、産業機器、航空宇宙といった産業を支えています。
主力は半導体のATEです。半導体は微細化や3D積層により構造が複雑化しています。ATEを通じて最先端半導体の不良品を正確に見極め、メーカーの歩留まり(良品率)向上と製造コスト削減につなげます。

SoC(システム・オン・チップ)デバイスの検査装置や関連のソフトウエアを中心に、DRAMやフラッシュメモリーなどの検査装置も開発しています。製品検査事業では、回路基板や高性能電子部品、フォトニクス部品などの検査装置を提供しています。
テラダインはロボット事業も手掛けています。2015年に産業用のロボットアームの開発・製造を手掛けるユニバーサル・ロボットを買収し、この分野に参入しました。さらに2018年にAMR(自律走行搬送ロボット)を開発するモバイル・インダストリアル・ロボッツ(MiR)、2019年に同業のオートガイド・モバイル・ロボッツを立て続けに買収し、2022年に両社を統合しています。

ロボット事業は着実に成長し、2023年12月期には売上比率が14%に達しました。ただ、昨今の半導体需要の急増を背景に半導体のATEが伸びたことで、ロボット事業の売上比率は2025年12月期に10%を割り込んでいます。
当面は半導体のATEへの需要が続くと見込まれています。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)といった半導体大手が投入する新型チップは、テスト工程の難易度が極めて高いため、テラダインの高性能テスト機器への引き合いが強まっているようです。
ロケット・ラボ、再利用前提の中型ロケットを開発
ロケット・ラボは人工衛星の打ち上げサービスや宇宙船の関連部品の製造などを手掛ける企業です。主力は小型衛星専用の打ち上げロケット「エレクトロン」で、豊富な実績を持ちます。また、衛星の設計から部品の製造、軌道上での運用までを包括的に提供する宇宙システム部門を新たな柱に位置づけ、成長を目指しています。
打ち上げサービスで最も力を注いでいるのが、次世代中型ロケット「ニュートロン」の開発です。第1弾のブースターなどの再利用を前提にした設計で、スペースXの「ファルコン9」と競合するとみられています。
ニュートロンは2026年10-12月期に初めて打ち上げられる予定です。成功すればスペースXが独占する中型ロケット市場にくさびを打ち込むことになる見通しです。




