今回解説していく通貨はメキシコペソ円(mxn/jpy)です。テクニカル的には週足・月足ベースでいずれも上昇トレンドを維持しており、今後は重要な上値目標である9.46円を突破できるかが焦点となりそうです。
ファンダメンタルズではメキシコ中銀は5月の利下げを最後に利下げサイクルの終了を宣言。今後はインフレ指標が中銀の想定通りに進展していくかを見極めることになります。
今後のメキシコペソ円の相場焦点:メキシコ中銀は利下げサイクルの終了を明言
まずはメキシコの現在の金融政策状況を確認していきます。
メキシコ銀行(中央銀行)は2021年7月に金融引き締めを開始。2023年4月に政策金利を11.25%まで引き上げて、2024年3月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は6.50%です。
●メキシコ銀行は6月に開催された直近の会合で政策金利を6.50%で据え置きましたが、その際の声明文では
・総合インフレ率は依然として、2027年4-6月期に目標水準へ収束すると予想される
・予測期間におけるインフレ率の推移に関するリスク・バランスは、依然として上振れ方向に傾いている
・今後の見通しについて、政策委員会は、基準金利を現行水準に維持することが適切であると判断
などの見解が示されました。
メキシコ中銀は5月の会合で6.50%まで金利を引き下げた際、利下げサイクルの終了を明言しました。当面は金利据え置きが続く見込みで、今後は中銀の想定通りにインフレ率が推移していくか見極めていくことになりそうです。
メキシコペソ円の週足分析:上昇トレンドが維持されている間に上値目標超えを果たせるか
下図はメキシコペソ円の週足チャートになります。

現在は2020年4月安値を起点とする長期の上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が継続しているようです。チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。ただ、トレンドの強さを示すADXが徐々に低下しつつあり、今後のトレンドの行方についてはやや不透明感も残ります。
早い段階で目先の上値目標である2024年5月高値の9.46円(チャート上の青色実線)を突破しておきたいところです。
メキシコペソ円の月足分析:11円台まで上値余地が拡大する可能性も
今度は長期的な視点で状況を確認していきます。下図はメキシコペソ円の月足チャートです。

チャート下部の「DMI」はこちらでも+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも上昇しつつあり、月足ベースで確認しても上昇基調にあることは間違いなさそうです。
また、週足分析で紹介した目先の上値目標(2024年5月高値の9.46円、チャート上の青色実線)ですが、月足チャートで確認しても重要なポイントであり、同水準を上抜けると2008年以来の水準まで一気に上値余地が拡大することになります。
その場合の次のターゲットは2008年8月高値の11.05円や2007年6月高値の11.54円(いずれもチャート上の丸で囲った部分)になるでしょう。
今後の取引材料・変動要因をチェック:メキシコのインフレ鈍化が継続するか注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。日本・メキシコの両国で金融政策の公表が予定されていますが、いずれも政策金利は据え置かれる見込みです。
気になるのがメキシコのインフレ統計。6月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.37%と前月の同3.94%から大幅に鈍化し、2020年12月以来の水準となりました。今後もさらにインフレ鈍化が進んだ場合、利下げサイクルの終了を宣言したメキシコ中銀も再考を迫られるかもしれず、7月の同指標にも注目が集まりそうです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
7月24日 日本 6月全国消費者物価指数(CPI)
7月30-31日 日本 日銀金融政策決定会合
8月6日 メキシコ メキシコ中銀、金融政策決定会合
8月7日 メキシコ 7月消費者物価指数(CPI)



