新NISAをきっかけに株式投資を始めた人の中には、最近、初めて「株主総会招集ご通知」が届いた人もいるのではないでしょうか。
「株主総会招集ご通知」「議決権行使書在中」と書かれた封筒を見て、「大事な書類?」「何か手続きが必要なの?」「出席しなければならないの?」と戸惑った人もいるかもしれませんね。
実はこの封筒は、株主になった人だけに届く大切な案内です。今回は、株主総会と議決権行使について、投資ビギナー向けに解説します。
株を買ったら届く「封筒」の正体
この封筒に入っているのは「株主総会招集通知」です。株主総会を開催する案内と、総会の議案、それから議決に必要な情報などが書かれた小冊子になっていることが多いです。
この小冊子、以前は「分厚い冊子」が当たり前でした。その理由は、以前は、株主総会の参考書類・事業報告・計算書類などを紙で送る必要があったからです。事業報告や会計の計算書類、議案の説明などはすべて紙に記した書類でなければならず、100ページ近くになる冊子でした。これを2つ折りにした分厚い封筒が、株主総会招集通知の定番だったのです。
ですが、現在は封筒が薄くなったと感じた人もいるかもしれません。
2022年に導入された「株主総会資料の電子提供制度」により、最近はインターネット上で資料を閲覧する企業が増えています。株主に開催日時・開催場所・ウェブサイトのURL・アクセス方法などを記載した簡易な通知を送り、詳細資料はインターネットで閲覧してもらうことが可能になりました。
株主総会もデジタル化が進み、以前より封筒がかなり薄くなった会社が増えているというわけです。
株主総会では何をするの? 議決権とはなに?
株主総会は、株式会社に関する重要な事柄を決める場です。単元株以上の株主が議決権を持ちます。議決権とは、株主総会で会社の重要な議案について賛否を表明できる権利です。
株主総会の基本的な説明は、以前に本コラムで紹介しました。詳しくは「投資ビギナーのための株主総会入門」をご覧ください。
最近は、1株から購入できる単元未満株サービスを利用する投資家も増えています。証券会社によって取引の名称が異なりますが、100株に満たない株数でも「単元未満株」として個別株が買える仕組みです。
しかし、単元未満株の場合は配当金を受け取れる一方で、原則として株主総会での議決権はありません【表1】。そのため、通常は、単元未満株の株主の手元に株主総会招集通知の封筒は届きません。議決権を行使したい場合は、通常は1単元以上の保有が必要です。

最近はスマホで議決権行使
投資ビギナーの中には、「株主総会は難しそう」「会場に行かなければならないのでは」と思っている人もいるかもしれません。「議決権行使」と聞くと難しそうに感じることでしょう。
しかし実際には、スマートフォンから簡単に議決権を行使できるようになっており、株主総会もデジタル化が進んでいます。実際に二次元コードを読み込んでみると、ネットショッピングの会員登録より簡単だと感じるかもしれません。
ひと昔前なら、議決権を行使するには、賛否を問われる「議決権行使書」に〇を付けて、郵便で返送する方法が一般的でした。
しかし最近は、招集通知に記載された二次元コードをスマートフォンで読み取ったり、パソコンから専用サイトにアクセスしたりして、画面の案内に従い議案ごとの賛否を選択して送信するだけなので、数分で手続きが完了する企業が増えています。
ただし、資料がウェブ掲載になった現在でも、株主には総会の案内や議決権行使書などが郵送されます。
そのため、現在の上場企業の多くは、A4数枚と議決権行使書が入った「薄い封筒」を送って二次元コードやURLを案内しています。
回答しなくても大丈夫ですが……
わざわざ封筒で総会の案内が届くと、「必ず賛否を回答しなければいけないのでは?」と思う人もいるかもしれませんね。でも大丈夫。もしも無回答だったとしても、特にペナルティはありません。何もしなくても株主資格や配当金には影響ありませんが、あなたの議決権は行使されません。
しかし、株主総会の資料には会社の業績や今後の方針がまとめられています。さらに、株主総会は株主が会社の重要な議案について意思表示を行う機会です。
議決権行使をしない場合は、その意思表示の機会を活用しなかったことになります。せっかく株主になったのですから、まずは封筒を開けてみて、議案の内容に目を通してみるのもよいでしょう。投資先企業への理解が深まるきっかけになるかもしれません。

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