【長期保有】自動車関連の「ユー・エス・エス(USS)」と「SPK」は手堅い銘柄!?中古車市場への警戒感が株価に影響するのか検証してみた

昨今のニュースでは中古車や保険会社など自動車産業を取り扱う企業に、厳しい世論の目が向けられています。その中でも着実に独自の販路形態を伸ばし、実績を積み上げてきた会社があります。今回は中古車オークションで有名な「ユー・エス・エス(USS)」と、自動車部品を取り扱う「SPK」の株価について解説していこうと思います。


ユー・エス・エス(4732)

株式会社ユー・エス・エス(以後、USS)は、愛知県を拠点とする大手の中古車販売サービス企業です。1980年の設立以来、同社は中古車業界においてトップのポジションを確立し、堅実な経営基盤を築いています。


USSは特に中古車オークションのシェアを32.3%を占め、業界トップになり、オークションにおける公平性を追求したシステムの導入や、徹底した車両の検査・評価を確立することで、同業他社に一歩を先んじる形で業界をリードしてきました。また、中古自動車買取販売事業やリサイクル事業をはじめ、中古車買取チェーン「ラビット」の運営も行い、全国で店舗網を持っています。


2023年10月現在の株価は約2500円となっています。今年の年初は2000円台の株価でしたが、3月に安定的な配当を目指した自己株式取得に関する新株予約権の発行を発表しました。この影響もあり、株価を全体的に上昇させています。


USSの株主優待

株主優待の内容は変更される可能性もありますが、2023年10月現在、権利確定月は9月と3月の年2回になり、保有する株式数に応じて、QUOカードやVJAギフトカード、そしてオリジナルグルメが贈呈されます。例えば100株以上500株未満の場合では、QUOカードは500円相当(年間1000円相当)になりますが、500株以上になるとギフトカードに変更されるため、詳しくは以下のイラストをご参考ください。

 


USSの利回り

配当金がもらえる権利月は9月と3月の年2回です。前期の9月の中間配当は33.7円、期末は33.8円で年間では67.5円となっていました。今期の中間配当は、34.7円の見込みとなり、年間配当では69.4円と1.9円の増配になる予定です。


例えば1株2500円で100株購入した場合、投資資金は25万円ほど必要となり、配当金は6940円になります。配当金による利回りは約2.8%になります。100株を保有していた場合の株主優待1000円相当分を加味すると、総利回りは約3.2%になります。


USSの将来性

USSは2024年3月期の連結業績見通しとして、出品台数が3,000千台(前期比1.4%増)、成約台数が1,880千台(前期比0.9%増)、成約率が62.7%になると予想しています。USSの中古車オークション市場でのシェアは約40%を持ち、国内ではかなり盤石な体制を整えていることも特徴です。


他にも事業の多角化を進めていますが、新車販売の低水準と新車への買い替えの停滞に関連し、中古車数の減少が課題となっています。


ただ直近では半導体不足の緩和などの影響で新車販売は回復する見込みとなり、より中古車市場も活況を戻すのではと言われています。


また1999年の上場以降、連続増配を行っており、今期が予想通り配当になると、24期連続の増配を達成することになります。この記録は、2023年3月期に23期連続増配として上場企業の中で5位に位置していますので、長期保有する銘柄として大きな投資ポイントになります。

 



SPK(7466)

SPK株式会社は、1917年に設立され、約100年の実績を持つ自動車部品と産業車両部品専門の会社です。主に自動車部品の設計、製造、販売の事業を展開し国内外での強固な取引ネットワークを持っています。国内では1000社、海外では80カ国との取引実績があり、約8万点の部品アイテムの取り扱いを実施、更に経営面では無借金経営を継続し、創業から一貫して自動車部品ビジネスに取り組んでいる点も特長的です。


2023年10月現在の株価は、約1850円となっています。今年の年初までは、1400円前後で推移していましたが、2023年3月期も連結業績予想は従来よりも上回ったことで順調に株価を伸ばしています。


SPKの株主優待

現在、SPKでは株主優待制度は行われていません。


SPKの利回り

配当金がもらえる権利月は9月と3月の年2回です。今期の中間配当は23円で、期末は27円の予定になり、年間で50円の見込みとなっています。なお前期の年間配当は44円だったので、4円の増配となります。


例えば1株1850円で100株購入した場合、投資資金は18.5万円ほど必要となり、配当金は年間で4400円になり、配当利回りは約2.4%になります。


SPKの将来性

SPKの強みはなんと言っても、自動車部品と産業車両部品の取り扱う専門企業として、約100年という長い歴史を持っていることです。自動車関連事業を堅実な事業展開を行うことで、独自の仕入れ網と販売ルートを構築してきました。このネットワークは業界においても群を抜いており、SPKはその現在でも最大手としての地位を確立しています。


資金的にも安定した経営を行っており、1999年3月期以降、連続増配を継続しており、今期の配当予想が実現すれば、連続増配は26期になり、この実績は上場企業の中でも第2位の評価を受けています。


しかしながら、堅実な経営の反面、新しいビジネスモデルや技術変革への対応がやや保守的であるという弱点が指摘されています。近年、自動車産業自体が、電気自動車を中心とした革新的な技術が必須になり、こういったことに柔軟に対応せず従来の事業モデルを続けるだけでは、将来的な競争力を失うリスクが考えられます。そのため、SPKは新しい時代の変化に合わせた事業戦略の模索と、その実行が今後の大きな課題となっています。

 


まとめ

今回は自動車関連の企業「USS」と「SPK」について解説しましたが、いかがだったでしょうか?


両銘柄とも連続増配を行っている銘柄です。好況・不況など消費に影響される業種ながら、独自販路などを確立し安定経営を続けている点は大きな強みかと思います。今年に入ってから「SPK」は業績予想を上回り、その結果、利回りは3%を切っていますが、長期保有におすすめの企業です。利回り3%を超える「USS」と合わせて検討してみてはいかがでしょうか?

「いまから」 編集部

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