2040年は14年後。遠い未来のようですが、30歳なら44歳、40歳なら54歳、50歳なら64歳です。日本証券業協会が毎年行っている「個人投資家の証券投資に関する意識調査」では、2026年調査で初めて「2040年」を見据えた質問が設けられました。
女性の方が「2040年の証券保有額を増やしたい」
この調査は、例年、個人投資家の証券保有実態や証券投資に対する考え方などを、有価証券を保有する日本全国の18歳以上5,000名を対象にインターネットで調べています。その結果は、例えばNISA(少額投資非課税制度)などの制度設計に役立てられています。
調査対象者が個人で保有する有価証券の額は、調査時点の時価で300万円未満が約半数(46.9%)、1,000万円未満が7割超(72.0%)を占めています。推計の平均保有額は、1,125万円でした。
この現在の有価証券保有額に対して、2040年に向けて「増やしたい」と考えている人の割合は51.4%でした。一方、「減らしたい」人の割合は9.4%にとどまっています。「増減なし」という人は30.5%、「特に決めていない」人は8.7%でした。
増減の意向を性別・年代別に見ると、「増やしたい」人が最も多かったのは、「女性・30代以下」(n=364)で68.4% 、次が「女性・40代」(n=347)で67.1%でした。「男性・40代」(n=611)の64.0%、「男性・30代以下」(n=511)の62.2%と続き、40代以下の若い世代では有価証券の保有額を増やしたいと考えている人が6割を超えていました。
同世代間で女性が男性より「増やしたい」と考えている人が多い傾向は、50代にも見られました。「女性・50代」(n=392)は57.7%、「男性・50代」(n=510)は52.4%となっています。
女性の長寿が反映されているのでしょうか、70代以上でも、男性(n=662)の32.5%に対して女性(n=620)は35.5%と3ポイントの差をつけて「増やしたい」人が多くなっていました。
2040年の保有希望額は平均1,689万円
では、回答者のみなさんは、2040年に有価証券の保有額をいくらぐらい保有していたいと思っているのでしょうか。
年代別に見ると、推計の平均保有希望額が最も高かったのは、60~64歳(n=541) の1,965万円で、次が65~69歳(n=442)の1,860万円でした。これらの年代の人たちは、2040年には74~83歳になっています。高齢期にも、まとまった額の有価証券を保有していたいと考えていることがうかがえます【グラフ1】。

回答者全体では、2040年に保有していたいと思う有価証券の額は推計1,689万円で、2026年の平均保有額推計1,125万円に比べて564万円多くなっています。
14年間でどのくらい増やせる?
それでは、「2040年に1,689万円」という数字は、遠い未来の漠然とした目標に見えるでしょうか。それとも実現可能なのでしょうか。試算してみましょう。
例えば、毎月3万円の積立投資を行い、年率3%で運用できるとします。非課税で運用し、手数料を考慮しないとすると、14年間続けた運用資産の残高の推移は【グラフ2】のようになります。

積立投資をした元本の累計が504万円、14年後の運用資産残高は約624万円です。現在保有している資産に加えて毎月3万円を積み立てていけば、平均保有額と平均保有希望額の差564万円を埋められる計算になります。
もしもすでに運用している資産があるのなら、その資産にも運用益が期待できます。元になる資産が大きいほど、同じ利回りでも運用益の金額は大きくなります。
ただし、年3%はあくまでシミュレーション上の仮定で、将来の運用成果を保証するものではありません。毎年コンスタントに3%ずつ増えるというものではなく、マイナスになる年もあれば、大きな運用益が得られる年もあるでしょう。
ここでは、長期の資産形成を考える際の一つの目安として、年3%で試算しました。公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の市場運用開始以来の収益率は年率4.67%です。これよりやや低めの3%で試算しても、毎月3万円の積立投資であれば、2026年から2040年までに600万円ほどの資産を作り上げることができるというわけです。
2040年に金融市場がどうなっているかを予測することはできません。しかし、「そのとき自分は何歳で、どのくらいの資産を持っていたいか」という計画は、今から考えることができます。14年後の目標を思い描くことが、今日の投資を考える第一歩になるのではないでしょうか。
【参考】
「個人投資家の証券投資に関する意識調査について」(日本証券業協会)



