NYダウ62ドル安 終盤に様子見姿勢強まる

27日のNY株式相場は3日ぶりに反落。先週はダウ平均、S&P500、ナスダック総合の主要3指数がそろって4週ぶりに大幅反発し、この日もプラス圏で推移したが、今週発表される経済指標や引け後のナイキの決算発表を控え、終盤は売りが優勢となった。


米10年債利回りが再び3.20%台に上昇したこともハイテク・グロース株の重しとなった。ダウ平均は97ドル高まで上昇後、149ドル安まで反落し、62.42ドル安(-0.20%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.30%安、0.72%安で終了し、3指数がそろって3営業日ぶりに反落した。


ダウ平均採用銘柄は、ユナイテッドヘルス、シェブロン、メルクなどが上昇した一方、セールスフォース、ナイキ、ボーイング、マイクロソフトなどが下落。S&P500の11セクターはエネルギー、公益、ヘルスケアの3セクターが上昇した一方、一般消費財、コミュニケーション、素材、ITなど8セクターが下落した。


今週は四半期末を控えたリバランスの動きが予想される中、30日に米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する5月個人消費支出(PCE)価格指数が発表されるほか、6月消費者信頼感指数、1-3月期GDP確報値、6月ISM製造業PMIなど注目度の高い指標の発表が相次ぐことで模様眺めの動きが強まった。


原油高を受けてエネルギー株が軒並み高となったものの、引け後に決算を発表するナイキが2.1%安となったほか、セールスフォース、アマゾンも2%超下落し、人員不足によるフライトのキャンセルが相次ぐ空運株も軒並み2-3%下落した。


引け後に発表されたナイキの決算は売上高と利益が市場予想を上回ったものの、今四半期のコストアップ見通しが嫌気され、株価は時間外で約3%下落した。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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