株を買うには証券会社で口座を開く必要があります。氏名・住所などはもちろんですが、税金の申告方法や資金源、投資方針など細かく記入を求められます。記入内容に不備があると、再提出、または再申し込みなど何度もやり取りを往復する羽目になり、時間と労力を消費してしまいます。ここでは、過去に現場で口座開設作業を行ってきた筆者が、不備の多さ上位3項目をピックアップし、スムーズに口座開設を進められるようポイントを解説していきます。
3位:住所
自分が今住んでいるところです。本籍ではありません。こんなの間違えないよと思うかもしれませんが、実際のところは間違える人がかなり多い項目です。
<住所でよくありがちな例>
本人確認書類:●●県×市▲町1丁目2番地3号 いまからハイツ203
記入内容:●●県×市▲町1-2-3-203
簡単な会員登録では、番地や建物名を省いても特に何か言われることはないでしょう。しかし、口座開設の確認作業が厳しい証券会社だと、改めて正式な内容の確認を取る場合もあります。不備扱いされないためにも本人確認書類の通りに記入するのがベターです。
2位:内部者に関するお届け事項(内部者登録)
初めて口座開設する人からすると、項目名だけ見ても正直何を言っているか分からないところです。インサイダー取引防止のため、この項目では「自分が上場会社に関係するか」「同居している自分の家族が上場会社に関係するか」といったことを確認します。
上場会社に勤めている人からすればあまり間違えることのない項目ですが、上場会社の子会社に勤めている場合であっても「該当する」にチェックを入れる必要があります。口座審査時には念入りにチェックされますので、大丈夫だろうという楽観視はできません。
極まれにですが、マイナーな会社の場合は自分だけでなく、証券会社側も気づかずに審査を通過してしまうケースがあります。こうなると後々判明した場合に申し込み内容の変更を求められることもありますので、二度出間にならないよう注意が必要です。
また、口座開設時には世帯主の勤め先も書く必要があります。自分が世帯主でない場合、あらかじめ勤め先や役職などを聞いておかなければなりません。インターネット経由の口座開設であればスマホがあればどこでもできますが、店頭や担当者訪問による自宅での記入だと、後日改めて記入する必要が出てきてしまい、二度手間になってしまいます。急きょ世帯主に電話しても、勤務中などで連絡がつかないケースが多いです。このため、あらかじめ聞いておくことをおすすめします。
1位:氏名
第1位は自分の名前です。何をどう頑張っても間違えようがないと思われますが、悲しいことに他を圧倒する不備の多さです。
何を間違えてしまうのかというと、旧字体を記入しなければならないところを、新字体で書いてしまうことです。意外にも旧字体が使われている人は多く、例えば高橋さんだとすると、住民票や免許証では「髙橋」と「はしごだか」になっていたりします。簡単な会員登録では新字体の「高橋」でも通用しますが、金融機関の登録では不備扱いになることが多いです。普段、新字体を使っている人はくれぐれもいつもの流れで書かないように、本人確認書類通りに書くことを意識しましょう。
使用率が多い旧字体の一例↓
証券口座の開設は記入項目が多いですから、不備が発生するとストレスが溜まってしまいます。面倒くさいからやめた!とならないよう、注意して書くようにしましょう。