連日の猛暑でアイスや飲料メーカー株が上昇
2022年は観測史上最速での梅雨明け。そして6月としては最長となる連日の猛暑など、記録づくめの暑さが続きました。その影響は株式市場にも波及しており、6月後半にかけて、いわゆる「猛暑関連銘柄」と呼ばれる株が買われる場面がありました。
猛暑関連株とはなにか、について説明します。といっても、何も難しいことではありません。暑くなると冷たい飲み物が飲みたくなります。アイスクリームなども良いですよね。それからエアコンも必要になりますし、新しい日傘なども欲しくなったりします。夏場はこうした商品の需要が増加します。そのため、企業の業績などが上向くとみた投資家が、関連商品を取り扱っている会社の株を買い、株価が上昇するケースがあるのです。
森永製菓 日足チャート
実際に2022年の6月後半に、関連銘柄がどのような値動きをしたかをみてみましょう。まずは森永製菓です。6月の中旬ごろから一気に株価が上がり始め、そのまま7月に入っても高値圏を維持していることがわかります。同社は「チョコモナカジャンボ」など人気のアイスクリーム商品を数多く取り扱っていて、過去に猛暑となった際にも、氷菓関連製品の販売が伸びて業績が拡大したことがあります。株式市場はそうした過去の経緯を知っているため、猛暑になると同社の株は上がりやすいんですね。
キリンホールディングス 日足チャート
次にキリンホールディングスの株価を見てみましょう。言わずとしれたビールメーカーの大手企業です。お酒を飲まれる方は。夏の暑い日に飲むビールのおいしさをご存じですよね。夏場の気温とビールの売れ行きについての関係性を大真面目に調査したレポートなどもあったりします。それぐらい夏の気温はビールの売れ行きにとって重要な要素であり、連日の猛暑となった今年の6月後半には、同社株価は急上昇しました。
マンダム 日足チャート
続いてはマンダムです。同社のブランド「ギャツビー」の製品のお世話になっている方もいるのではないでしょうか。暑い日は当然ながら汗をかきます。そうすると制汗剤も使用しますし、冷感効果のあるフェイシャルペーパーやボディウォーターなどを利用する機会も増えます。同社の業績はこれらの製品の売り上げに左右される部分があることから、猛暑になると上昇する傾向があります。
石垣食品 日足チャート
猛暑関連として最後に石垣食品を例に挙げたいと思います。ミネラル麦茶でおなじみのメーカーですね。暑くなると麦茶が飲みたくなる、そうした連想から夏になると買われる知る人ぞ知る猛暑関連株です。実を言えば、石垣食品の売上高はここ数年ほぼ横ばいとなっています。気温に関係なく一定数が売れますし、猛暑だからといって顕著に需要が伸びるわけではありません。安定した売れ行きのあるブランドでもあるということですが、なぜか株式市場では夏になると同社の株価が買われます。ほぼ毎年のことです。それだけ定番の株として市場に認知されている銘柄でもあります。
投資の世界では「麦わら帽子は冬に買え」という格言があります。実際の商品だと季節はずれのバーゲン品を買ってしまった場合、来年には流行遅れになってたりすることもありますが、株というのはかたちはかわりません。ですから季節性を利用して、安い時期に買っておくことができれば、上昇した際に高く売ることができるというわけです。季節性をうまく活用してチャンスをつかみましょう。