日々是売買~トレードへの道

第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」

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ボラタイルな1週間

 

今週の日本株はなかなかボラタイルな動きとなりました。日経平均株価は4日までに5日続落し、この日一日の下げ幅は711円となり今年2番目の大きさ。終値は3万0526円となりました。節目の3万1000円を割り込み、5月17日以来およそ5カ月ぶりの安値を更新しました。米長期金利が連日で16年ぶりの水準に上昇したことが投資家心理を冷やし、国内外で相対的な割高感から株式を売る動きが広がりました。

 

ただ、翌5日には大幅反発し、548円高の3万1075円で取引を終えています。3万0700円台を回復して取引を開始したあと、3万0565円まで上げ幅を縮める場面がありましたが、売り一巡後は再び買いの勢いが強まり、後場に入り心理的節目の3万1000円台に乗せました。その後も高値圏で推移し、上げ幅は500円を超え、3万1000円台をキープして取引を終了しています。


日経225チャート

*Trading Viewより

 

RSIは28.5%に上昇。今週は10%台で推移していましたが20%台へ上昇し、早々に売られ過ぎの水準の基準となる30%を上回りたいところ。本日6日以降は3万1000円を下値メドに持ち直しの動きが続くかどうかに注目したいと思います。

 

なお、上値メドは26週移動平均線3万1593円、心理的節目の3万2000円、25日移動平均線3万2469円などが考えられる一方、下値メドは2021年9月高値の3万0795円、心理的節目の3万円、52週移動平均線2万9465円などがあります。

 

 

 

下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)

 

さて、私のポジションですが、9月12日に株価指数口座にて日経225を3万2737.5円でロング(1ロット)したあと、日経平均が15日以降ダダ下がりとなってことでしばらくは耐える日々が続いていました。ただ、10月2日には3万2400円まで大幅に上昇した前場の動きが嘘のように失速し、下落して取引を終了。その日に3万2028.3円でロング(1ロット)しました。

 

*IG証券より

 

ただ、そのあとはご存知の通り、日経平均は下げを加速し3万0270円(CFD)まで急落することに。その過程でストップアウトとなりました。前回までの利益を吹き飛ばし、約3割の資産消失、私の意欲も喪失。


*IG証券より

 

相場の格言に「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」というのがありますが、まさに今回のことがこれに当てはまります。上手い難平なら問題なかったのでしょうが…。

 

なお、難平の「難」とは「損」のことを意味し、それを平均化することです。購入した株などが予想に反して下がった場合、平均購入コストを下げるために、さらに購入することを意味します。

 

「難」=損失をならすことにはなりますが、絶対額は変わりませんので、株価が下がるたびに難平買いを入れ、気が付くと多額の資金を投入し、しかも含み損を抱えている状態に。株価下落で含み損が発生した局面で、さらに投資額を増やすと、「余計なリスク」を抱えることになるので注意しましょう(体験談)。まさに、買値を「平たく」するのは「難しい」ですね。

 

 

 

【免責事項・注意事項】

 

本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

 

この連載の一覧
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第35回「個人投資家の円買いvs投機筋の円売り」
第34回「介入期待もあってユーロ円のショートは維持」
第33回「久々のリスク・オフのムード 株安・原油急騰・円高」
第32回「ドル円、嵐の前の静けさか? 今週の値幅は1円未満」
第31回「中銀ウィークを無事通過!? ドル高・円安を期待」
第30回「ドル円ロングは維持、ストップは付かずに切り返す」
第29回「ドル円、上値重く 日銀の政策修正観測高まる」
第28回「【祝】日経平均株価、史上最高値 ドル円もそろそろ」
第27回「日経平均株価、史上最高値まであと少し」
第26回「ドル円、上値試すか 昨年11月の151円台も視野」
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第23回「ドル円ショートは損切り 円安とドル高のダブルパンチで」
第22回「ドル円、1カ月ぶり146円台 追加でショート」
第21回「ドル円、年始の悪夢 1月3日のフラッシュクラッシュ」
第20回「ドル円、売りシグナル点灯 さらなる下落に期待」
第19回「ドル円、140円割れが視野に」
第18回「米債ロングは利食い FRB議長発言を前にポジションはなし」
第17回「米長期金利、2カ月ぶり低水準 上昇リスクにはなお注意」
第16回「米国債のロングポジション、含み益が拡大」
第15回「米国債のロングポジション、含み損から含み益に」
第14回「米10年債利回り、16年ぶりに『5%』を突破」
第13回「米国債、下落止まらず 利回りは2007年7月以来の高水準」
第12回「初めての米国債(CFD)買い、そろそろ底打ちかと思ったら・・・」
第11回「下手な難平(なんぴん)、素寒貧(すかんぴん)」
第10回「日経ロングはキープもリスク高い週末 米政府機関の閉鎖はほぼ確実に」
第9回「日経225ロング、含みゾーン(損)に突入!」
第8回「日経平均、レジスタンス突破でいよいよ3万4000円台乗せか!?」
第7回「日経平均、9連騰ならず テクニカル的には・・・」
第6回「日経平均をロング トレンドは友達(Trend is your friend)」
第5回「重要イベント通過もポジション取れず・・・相場は乱高下」
第4回「朝起きたらポジションが全てなくなっているという悲しみ」
第3回「ドル円、ストップロス水準に接近 祝日のため円安けん制発言も期待できず」
第2回「前週のドル円ショートはあえなくストップ 懲りずに再in」
第1回「ドル円、乱高下のあと何故か全戻し 戻りは叩く」

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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