NYマーケットダイジェスト・25日 株まちまち・金利低下・円高・カナダドル安

(25日終値)

ドル・円相場:1ドル=129.59円(前営業日比▲0.58円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=141.45円(▲0.27円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0916ドル(△0.0029ドル)

ダウ工業株30種平均:33743.84ドル(△9.88ドル)

ナスダック総合株価指数:11313.36(▲20.91)

10年物米国債利回り:3.44%(▲0.01%)

WTI原油先物3月限:1バレル=80.15ドル(△0.02ドル)

金先物2月限:1トロイオンス=1942.6ドル(△7.2ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)        <発表値>   <前回発表値>

MBA住宅ローン申請指数(前週比)  7.0%       27.9%


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ユーロドルは5日続伸。欧州株安を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行すると、20時30分前に一時1.0857ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0835ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げを継続するとの観測を背景にユーロ買い・ドル売りも入りやすく、24時過ぎには一時1.0924ドルと日通し高値を付けた。

 なお、ナーゲル独連銀総裁は「政策金利はさらに上昇する必要がある」「3月以降に金利をさらに引き上げる必要があっても驚かない」と述べたほか、バスレ・スロベニア中銀総裁は「今後2回の会合での0.50%利上げは適切」などと発言した。


・ドル円は続落。米10年債利回りが3.41%台まで低下したことなどを手掛かりに円買い・ドル売りが先行。24時過ぎには一時129.27円と本日安値を更新した。米10年債利回りが上昇に転じると下げ渋る場面もあったが、買い戻しの勢いは長続きしなかった。


・ユーロ円も続落。欧州株安を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り一時140.76円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後はユーロドルの上昇につれた買いが入り、141.48円付近まで下げ渋った。


・カナダドルは下落した。米ドルでは一時1.3428カナダドル、対ユーロでは1.4643カナダドル、対円では96.35円まで値を下げた。カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を現行の4.25%から4.50%に引き上げることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。

 ただ、声明ではコア・インフレ率がピークに達した可能性を指摘し、今後の政策運営については「経済が見通し通りに進展するようなら、これまでの累積的な利上げ効果を見極めるため、政策金利を現在の水準で維持すると予想する」と表明した。BOCが利上げをいったん停止する考えを示唆したことで、カナダドルを売る動きが広がった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら4日続伸。前日に決算を発表したマイクロソフトの下落が投資家心理を冷やし、序盤はハイテク株中心に売りが優勢となった。指数は一時460ドル超下げた。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが最終局面に近づきつつあるとの見方から押し目買いなどが入ると上げに転じた。

 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。


・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。FRBが利上げペースを緩めるとの見通しが強まる中、債券買いがやや優勢となった。


・原油先物相場は3日ぶりに小幅反発。石油在庫の積み増し警戒感から売りが先行。しかし米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計では、原油は5週連続で積み増しだったものの一部予想を下回る結果に。発表後に買い戻しが強まると、一時81ドル前半まで上値を伸ばす場面があった。


・金先物相場は5日続伸。為替相場でドルが対ユーロなどで軟調に推移すると、割安感が生じたドル建て金は買い優勢となった。米・中期金利に低下圧力が強まったことも金利を生まない金の支えとなった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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