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ドル円、重要イベントをこなし上値を試す展開
今週のドル円は重要イベントをこなしつつ、上値を試す展開となりました。15-16日の日銀金融政策決定会合では市場予想通り0.25%の利上げとなりましたが、「浅田委員が利上げに反対」していたこともあり、結果が伝わっても底堅く推移。さらには、内田真一日銀副総裁が会合後の記者会見で、「基調物価は2%目標を超えて上振れていくリスクがある」「経済・物価・金融情勢に応じて引き続き利上げ、緩和度合を調整していく」「利上げペース、今の段階では今後の経済物価情勢次第」などと発言すると、「今後の利上げペースや時期についての手掛かりが得られなかった」との受け止めから、日銀の早期利上げ期待が後退。円売り・ドル買いが強まる結果に。

*Trading Viewより
16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通り金利据え置きとなりました。声明では「中東紛争に起因する不確実性の高まりにもかかわらず、経済活動は堅調に拡大している」「インフレ率は、委員会の目標である2%に対し依然として高い水準にある」と指摘。また、同時に公表されたFOMCメンバーによる金利見通し(ドットプロット)では、2026年末時点の中央値が3.750%と前回の3.375%から引き上げられ、年内1回の利上げが示唆されました。
予想の分布は、1人が1回の利下げを見込み、8人が据え置きを予想。また、3人が1回の利上げを見込み、5人が2回の利上げ、1人が3回の利上げを予想しました。前回は利上げを見込む参加者はゼロ。なお、ウォーシュFRB議長は就任後初となる会見で「今回は『フォワードガイダンス』を声明文から削除した。現在の政策情勢に適していないということで、我々の間で合意した」と述べたほか、自身のドットプロットを提出しなかったことを明らかにしています。また、「おそらく年末までにFRBのコミュニケーション全般を見直す予定。これには記者会見や見通しの点の書き込み、会議、議事録などを含む」と表明しました。
日米重要イベントをこなしたドル円は18日のNY時間に一時161.81円と2024年7月以来約1年11カ月ぶりの高値を更新しています。
介入期待高まるも効果を疑問視
ドル円は161.81円まで上昇し、2024年7月3日の高値161.95円に迫る動きとなっています。政府・日銀による為替介入に対する警戒感は急速に高まっており、多くの市場参加者が期待(?)している状況。2024年の介入では、ゴールデンウィークに160円台、7月には161円台で実施されましたが、日銀の利上げとFOMCでの利下げ示唆が反落の背景にありました。しかしながら、今回は「日銀は利上げ」、FOMCもインフレリスクへの警戒を高めて「利上げを示唆」。日米ともに金融スタンスが同じ方向に向いていることもあり、介入の効果を疑問視する向きも多いようです。

政府・日銀が4月末に11兆円を投じた為替介入の効果は1カ月程度しか持たなかったうえ、海外投資家の間で円高方向にかける機運は乏しい状況となっています。むしろ日銀の利上げペースは緩慢と見なされており、一部の米投資家からは「1ドル=170円まで上昇する」との予想が浮上しています。「日銀が利上げを行ってもそのペースは『半年に1回』程度にとどまり、日米金利差の縮小には寄与しない」とみる市場関係者が多く、さらなる円安・ドル高を見込む声が出ています。
投機筋の円売りVS個人の円買い
今週末19日は米国がジューンティーンスで休場となったため、米商品先物取引委員会(CFTC)による建玉報告は公表されていません。参考までに先週末発表された6月9日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は14万5818枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2024年7月16日以来の水準に拡大していることが分かっています。今週の動きを見ると、さらに円売りポジションが増えている可能性もありそうです。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
一方で、海外投機筋が円安を見込んで円ショート(ドル円のロング)を拡大させる中、国内の個人投資家は相場の流れに逆らう「逆張り」の姿勢を崩していません。個人投資家の間では、「政府・日銀による為替介入」を期待して円ロング(ドル円のショート)を積み増す動きが過去最大級に広がっているといいます。店頭FX業者4社のデータでは、ドル円取引における「ドル買い(円売り)ポジション」の比率が過去最低水準を記録するなど、歴史的な円高・ドル安期待を背景としたポジションが目立っています。

*Trading Viewより
また、ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(161.30円)で雲の下限157.41円、上限157.88円、基準線160.05円、転換線160.70円を全て上回っており、テクニカル的にも上サイドへの期待が高まる状況となっています。「政府・日銀による為替介入の効果は一時的」との見方が依然として根強い中、構造的なドル高の地合いが強いなかでは、仮に再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高いとみています。「介入で下落したときは、絶好の買い場」と受け止め、来週以降も押し目を待つ週となりそうです(押し目待ちに押し目なし)。
***「押し目待ちに押し目なし」***
非常に強い上昇相場のときに、投資家が「少し下がったら買おう(押し目買い)」と待っていても、実際には価格が下がらずにそのまま上昇し続けてしまい、結局買いそびれてしまう状況や、その投資家心理を表現した有名な相場格言です。
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