株主優待制度について学ぼう いつまでに購入すれば良いの?

株主優待とは

株主優待とは、企業が自社の株式を購入した株主に対して、自社商品などの優待を贈呈する制度となります。外食や小売、鉄道など約1500社が株主優待制度を設けており、優待には自社製品のほか、飲食券、カタログギフト、電車回数券など様々な種類があります。

 

■主な企業の株主優待例

味の素(2802)…自社グループ製品詰合せ

三越伊勢丹ホールディングス(3099)…株主優待カード(10%割引)

ワシントンホテル(4691)…ホテル宿泊割引券

東武鉄道(9001)…電車全線回数券

 

いつまでに購入すれば良いの?

株主優待を受け取るには、「権利確定日」までにその企業の株主となる必要があります。「権利確定日」とは、配当や株主優待など株主権利を得ることができる日となります。

 

実際株主になるためには、「権利確定日」の2営業日前の「権利付最終日」までに企業の株式を買い付ける必要があります。

基本的に「権利確定日」は月末最終日とする企業が多くなります。ただし土曜、日曜、祝日は営業日にカウントしませんので、注意して下さい。

 



ちなみに「権利付最終日」の翌日は「権利落ち日」と呼ばれています。この日に株式を買い付けても今回の株主優待を受け取ることはできません。

次回の株主優待を待つ必要があります。

 

権利確定日を確認しよう

3月期を本決算とする企業が多く、3月末を権利確定日とする企業が多くなります。

3月末のみ株主優待を実施する企業があれば、3月末と中間期にあたる9月末の年2回実施している企業もあります。

中には年4回実施している企業もあり、実施回数は企業によってまちまちとなります。

 

また本決算を12月期する企業があるほか、小売業は2月期を本決算とする企業が多くなります。そのため、優待内容に興味のある企業の優待実施回数や権利付確定日について、事前に確認しておきましょう。

 

買い付け金額の算出方法

「株数」×「株価」で概算の買い付け金額を算出することができます。「株数」に関しては、100株以上保有すれば優待を受け取れる企業が多いです。

 

中には300株以上、1000株以上保有しないと優待を受け取ることが企業もありますので、事前に必要な株数を確認しておく必要があります。

 

100株で株主優待を受け取れる企業の株式を買い付けする場合、その企業の株価が900円の場合、「買い付け金額(概算)=900円×100株=9万円」となります。取引されている証券会社の買い付け手数料が加算されますが、10万円未満で購入することができます。

 

長期保有で優待が追加される企業あり

コメリ(8218)を例にとりますと、100株以上で優待を受け取ることができます。また保有株数が多いほどギフトカードの金額が大きいことがわかります。

このように、保有株数が多いほど優待金額や割引券の枚数が増加する企業が多いです。

 

(例)コメリ(8218)

優待内容:自社ギフトカード

 

100株以上:1000円相当

300株以上:3000円相当

500株以上:4000円相当

1000株以上:8000円相当

3000株以上:15000円相当

 

さらに長期保有の株主に対して、追加の優待など優待内容を充実させる企業が増えています

「1年以上保有」「3年以上保有」などの条件を満たせば、優待券の追加など長期保有ならではの特権を受け取ることができます。

 

(例)コメリ(8218)

【3年以上保有した場合】

優待内容:自社ギフトカード

 

100株以上:1000円相当(+1000円相当)

300株以上:3000円相当(+1000円相当)

500株以上:4000円相当(+2000円相当)

1000株以上:8000円相当(+3000円相当)

3000株以上:15000円相当(+3000円相当)

 

注意点としましては、実際に株主優待がお手元に届くのは権利確定日から2カ月後など時間を要するケースが多くなります。

企業のホームページなどから贈呈予定日を確認しておくことをお勧めします。

 

株主優待から買い付け銘柄の候補を探してみよう

どの企業の株式を買い付けて良いかわからない方は、株主優待の内容を参考に買い付け銘柄の候補を検討するのも良いと思います。

例えば、「普段買物でよく利用するお店の優待券が欲しい」、「宿泊施設に泊まるのに割引券を利用してみよう」といった考え方があります。

 

優待内容は企業のホームページで確認できますが、優待内容を一覧から選びたい場合は四季報などから確認することができます。

これを機に是非ご自身の好みにあった銘柄を探してみるのも良いかもしれませんね。

日本株情報部 アナリスト

角屋 昌範

2005年に国内証券会社へ入社後、投資情報部や調査部に在籍。投資情報部では、米国や香港株式市場見通しの作成など海外金融市場に関する調査業務に携わる。調査部では、ネット関連セクターを中心に国内個別企業のアナリストレポートを執筆した。 国内証券会社などを経て2019年に入社。主に先物市場見通しなど「デリバティブコンテンツ」を担当。 CFP DCプランナー

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