株主優待にとって非常に重要な「権利確定日」や「権利付き最終日」という言葉をご存知でしょうか?権利確定日と株式の購入タイミング次第では、せっかく優待株を持っていても1年以上優待を受けられず大損してしまうこともあります。株主優待の権利確定日、権利付き最終日についてと、取引するべきタイミングをわかりやすくご紹介します。
権利確定日とは?
「権利確定日」とは、企業が定めた株式を購入している人が株主名簿に記載される日です。この権利確定日は「割当基準日」とも呼ばれていて、株主優待だけでなく、配当金などの権利が確定する日でもあります。
優待株を購入したからといってすぐに株主優待がもらえるわけではなく、購入後に権利確定日を迎えたタイミングで初めて優待がもらえる権利が発生します。権利確定日は企業によって異なりますが、決算や期末の時期が多く、2月や3月、6月、9月、12月のそれぞれ月末頃が多くなっています。
権利付き最終日とは?
「権利確定日」は株主優待や配当金などの権利が確定する日ですが、権利確定日に株を購入しても株主優待や配当金はもらえません。なぜかというと、権利確定日に株主名簿に株主として記載されるためには、事前に記載される株主を確認するために時間がかかるので、当日購入するのでは間に合わず、それまでのタイミングで株式を購入しておく必要があるからです。
具体的には、権利確定日の2営業日前までに購入する必要があり、この日を「権利付き最終日」といいます。2営業日前とは、土日祝を除く平日2日前のことです。なお、権利付き最終日と権利確定日の間の営業日は「権利落ち日」と呼ばれます。
取引するべきタイミング
株主優待を目当てに株式を購入する場合、権利付き最終日までのタイミングで株式を購入することが必要です。まずは、購入前に権利確定日をチェックしましょう。権利確定日が迫っている場合、権利付き最終日までに株式を購入できるかどうか確認します。権利確定日までまだ期間がある場合、権利付き最終日までの間で購入したいと思ったタイミングで株式を購入してください。
権利確定日直前のタイミング
主に会社の業績や世界情勢によって変動する株価ですが、株式を購入したいと思う人がどれだけいるかどうかという、需要と供給のバランスによって決まります。権利確定日直前のタイミングは、もう少しすれば株主優待や配当金がもらえる権利が発生するため、買いたい人は増えますが売りたい人は減るので供給のバランスが大きくなり株価が上がります。
権利確定日直前のタイミングで購入からすぐに株主優待や配当金をもらうことができるメリットがありますが、通常より高い株価で購入しなければならない可能性のあるデメリットもあるので、しっかりリサーチすることが大切です。
また、株主優待をもらうためには「○カ月以上継続して株を保有」などの条件がある場合もあります。権利確定日直前のタイミングは権利付き最終日までに株を購入しなくてはと焦ってしまうかもしれませんが、目先の優待に囚われて逆に損してしまわないよう注意してください。
権利落ち日のタイミング
権利落ち日や権利確定日に株式を購入しても、権利付き最終日に間に合わなければ株主優待や配当金はもらえません。年間に権利確定日が何度あるかは企業によって異なりますが、1年に1度の企業であれば、権利落ち日に株式を購入しても株主優待をもらうことができるのは1年以上先です。しかし、権利付き最終日までに購入していた株式は、権利確定日前の権利落ち日のタイミングで売却しても株主優待をもらうことができます。
権利落ち日のタイミングで株式を購入しても、すぐに株主優待や配当金をもらうことができずデメリットは大きいですが、株主優待がもらえる権利が確定し株式を売却する人が増えると、需要のバランスが大きくなり株価が下がるので、購入のタイミングとしては大きなメリットにもなります。
ただし、権利確定日前は決算が確定する前でもあります。決算の状況次第では、業績悪化で株価が下がったり、翌年の株主優待が廃止されたりというリスクもありますので、注意が必要です。
権利確定日3カ月前のタイミング
優待株は、権利確定日前後に需要と供給のバランスから株価が変動しやすくなり、権利確定日直前は株価が上がり、権利落ち日以降は株価が下がるのが特徴です。権利確定日前後の株価変動の影響をなるべく受けずに優待株を購入したいのであれば、権利確定日約3カ月前のタイミングがおすすめです。
この期間であれば、権利落ち日付近の株価が下がったタイミングに起こる可能性のある、株主優待の内容が急に変更・廃止されるリスクが少ないです。また、権利確定日直前の株価の急上昇もまだ大きく影響していないことが多いと思われます。ただし、権利確定日前後の株価変動とは別に、企業の業績や社会情勢によっても株価は変動しますので、必ず3カ月前に購入するのがベストなタイミングとは限りません。
まとめ
株主優待の権利確定日、権利付き最終日についてと、取引するべきタイミングによるメリット、デメリットについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。権利確定日や権利付き最終日について知らずに優待株を購入すると、大損のリスクもあります。この記事がベストなタイミングで株式を購入する参考になれば幸いです。