株式を発行している企業のうち約4割がなんらかの株主優待を行っています。これから株式投資を始める方には、せっかくなら株主優待がもらえる株式を購入したいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、優待株投資初心者の人にはぜひチェックしてほしい株主優待株の特徴についてそれぞれのメリット、デメリットを分かりやすく解説します。
株式投資のメリット・デメリット
まずは株式投資のメリットとデメリットからお伝えします。株で利益を得る方法は、①購入した時の株価よりも高い株価で売る、②配当金として利益の還元を受ける、③株主優待をもらうの3種類です。大きく金額が動くのは①の場合で、購入した時の株価よりも安い金額で売ると損失になります。
インターネットで簡単に素早く新しい情報を入手できることが、株式投資最大のメリットです。ただし、情報を活用しきれずに株価が下がり損失が出たり、買い手が付かずに希望の金額で株が売れなかったりするデメリットがあります。株式投資のメリットとデメリットを理解した上で、株主優待を行っている株の特徴について詳しく見ていきましょう。
特徴①株主優待がもらえる
優待株を指定の株数以上購入すると、株主優待がもらえます。株で利益を得る方法の1つなので、もらえるものはもらっておきたい!と思う人も多いのではないでしょうか。株主優待の内容やもらえる金額、回数は企業によって異なるため、どの優待券がもらえるかしっかりリサーチすることが大切です。
投資に+αの楽しみができるメリットがありますが、優待目当てに株式を購入しても企業が株主優待制度を廃止したり内容を変更したりするデメリットもあります。また、優待券には有効期限があるものが多くあり、期限に縛られることもデメリットの1つです。
特徴②比較的少額から始められる
企業によっては、数百円の株を1株購入するだけで株主優待がもらえるところもあり、多くの企業に少額を投資し、たくさんの株主優待をもらうことができます。また、その始めやすさと優待があるお得さから、株式投資を始めたいと思っている人を後押しするきっかけにもなります。さらに、いくつかの企業に分散して投資することで1つの株価が下がったとしても大損につながりにくいことがメリットです。
しかし、たくさんの企業に投資すると管理が煩雑になりがちで、購入後の株を頻繁にチェックするのが大変になります。さらに、購入する株式の数が少ないと配当金や値上がり益も少なくなるので、株式投資として最も重要な儲けにつながりにくいのがデメリットです。
出所:著者作成
特徴③株価の暴落が少ない傾向にある
魅力的な株主優待を行っている企業の株式には、「今は株価が高くて手が出せないけど、株価が下がったら買いたい」と思っている投資家が多くいます。そのため、株価が下がっても購入の需要はそれほど減らず、暴落が少ない傾向があります。株主優待を目当てに株を購入したとしても、株価が暴落し大損失になるリスクが少しでも減る可能性があるのは嬉しいメリットです。
ただし、株主優待は、実施する義務があるわけではないので、廃止するのも内容を変更するのも企業の自由です。魅力的な株主優待を行っていた企業が急に、株主優待制度を廃止した場合、株主優待を目当てに株を購入していた人が一気に離れてしまうことが考えられます。業績悪化などで株価が下がったわけではなくても、買い手の需要がなくなることで大暴落や企業の経営破綻に繋がると大損失となってしまうリスクがあることがデメリットです。
特徴④初心者向きの長期投資がしやすい
株主優待を行っている企業の多くは、少ない金額でも構わないから多くの個人投資家に長く投資してほしいと考えています。○年以上継続保有で優待内容がグレードアップする、長期保有特典を行っている企業が多いのがその理由です。気に入った優待内容の株式を保有し続けているだけで、毎年優待がもらえて、かつ長期保有特典ももらえるのはとても大きなメリットだと言えます。
その反面、損切りしにくくなるデメリットがあります。損切りとは、株価が下がったことを理由に株式を売りに出すことです。例えば、毎年もらっていたあの優待がもらえなくなると困る、あと2年継続すれば継続10年の特典がもらえる、などの理由から売りに出すのをためらってしまい、その結果株価が大幅に下がり結局優待をもらっていた分よりも損失が出てしまったということもあります。
出所:著者作成
長期投資が初心者向きの理由
株式投資には、常に情報を入手しながらタイミングを見計らって短期間で売り買いを繰り返す短期投資と、将来的に大きく成長しいつか株価が上がることを狙って株式を持ち続ける長期投資の2種類があります。株の動きに詳しく、株式投資で生計を立てているような人にとっては、短期投資はおすすめの投資方法です。しかし、短期投資は知識や時間が膨大に必要ですが、1回あたりの売買によって得られる利益は少ないことが多いため、初心者には長期投資をおすすめします。
まとめ
株主優待のある株を購入するメリット、デメリットについて解説しました。投資初心者が比較的少額から始められて株価を大きく気にすることなく長期投資できるメリットを取り株主優待株を選択するか、株式投資をする目的である利益があまり得られなかったり、優待内容が廃止になったりするデメリットを取り株主優待株を選択しないかは、どんな投資をしたいかを基準に検討してみてください。