NYマーケットダイジェスト・19日 株まちまち・金利上昇・円安

(19日終値)

ドル・円相場:1ドル=134.72円(前営業日比△0.60円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=147.59円(△0.43円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0955ドル(▲0.0017ドル)

ダウ工業株30種平均:33897.01ドル(▲79.62ドル)

ナスダック総合株価指数:12157.23(△3.82)

10年物米国債利回り:3.59%(△0.02%)

WTI原油先物5月限:1バレル=79.16ドル(▲1.70ドル)

金先物6月限:1トロイオンス=2007.3ドル(▲12.4ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)

特になし


(各市場の動き)

・ドル円は反発。欧州の取引時間帯に「来週27-28日の日銀金融政策決定会合でのYCC修正について、日銀内で慎重な意見が広がっている」との観測報道が伝わり、一時135.13円と3月10日以来の高値を付けた影響が残った。

 NY市場では利食い売りなどが先行し一時134.29円付近まで下押ししたものの、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると134.86円付近まで持ち直した。日銀が当面、金融緩和を続けるとの観測も相場を下支えした。

 米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動はここ数週間、全般ほとんど変化が見られなかった」「雇用の伸びが緩やかになり、物価上昇が鈍化したようだ」「いくつかの地区は労働供給の増加を指摘し、労働市場の逼迫が緩和された」と指摘したものの、相場の反応は限られた。


・ユーロドルは反落。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0917ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続が意識される中、ユーロ買いが入りやすく23時過ぎには1.0979ドル付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0984ドルを上抜けることは出来なかった。


・ユーロ円は続伸。欧州市場では一時147.86円と昨年10月21日以来約半年ぶりの高値を付けたものの、そのあとは147.08円付近まで下押しした。ただ、アジア時間に付けた日通し安値147.05円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。2時前には147.74円付近まで持ち直している。

 ECBは利上げを継続するとの観測が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日欧金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ユーロ買いも出やすかった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。本格化する米企業決算の行方に注目が集まる中、米長期金利の上昇で株式の相対的な割高感が強まり売りが優勢になった。個別ではユナイテッドヘルスやシスコ・システムズ、ウォルト・ディズニーなどの下げが目立った。半面、トラベラーズやゴールドマン・サックスなどは買われた。

 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発した。


・米国債券相場で長期ゾーンは反落。英インフレ指標の上振れで英国債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。


・原油先物相場は反落。米金利の高止まりが景気を冷やし、エネルギー需要を後退させるとの懸念から売りが優勢となった。減産報道で急騰した3日の安値79.00ドルを割り込むと、78ドル半ばまで下げ足を速めた。この日発表された米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計では、原油の取り崩し幅は想定以上だった。これを受けて下げ渋ったものの戻り幅は限られた。


・金先物相場は反落。米・中長期債利回りの上昇を受けて金利が付かない金への売り圧力が強まり、3日以来の安値となる1980ドル手前まで下げ幅を広げた。もっとも一巡後は値ごろ感から買い戻しが強まり、2000ドル台を回復して終えた。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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