NYマーケットダイジェスト・21日 株小反発・金利上昇・ユーロ底堅い

(21日終値)

ドル・円相場:1ドル=134.16円(前営業日比▲0.08円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=147.40円(△0.13円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0986ドル(△0.0016ドル)

ダウ工業株30種平均:33808.96ドル(△22.34ドル)

ナスダック総合株価指数:12072.46(△12.90)

10年物米国債利回り:3.57%(△0.04%)

WTI原油先物6月限:1バレル=77.87ドル(△0.50ドル)

金先物6月限:1トロイオンス=1990.5ドル(▲28.6ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)      <発表値>   <前回発表値>

4月米製造業PMI速報値      50.4       49.2

4月米サービス部門PMI速報値   53.7       52.6

4月米総合PMI速報値       53.5       52.3


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は小幅続落。米10年債利回りが3.49%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時133.55円と日通し安値を付けた。

 ただ、4月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことが伝わると一転ドル買いが優勢に。米10年債利回りが3.57%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時134.49円まで値を上げた。

 もっとも、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。一目均衡表雲の上限が位置する134.30円を超えた水準では戻り売りなども出やすく、5時前には134.07円付近まで下押しした。


・ユーロドルは続伸。4月米PMIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0943ドル付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0938ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測を背景にユーロ買い・ドル売りも入りやすく、引けにかけては1.0993ドル付近まで強含んだ。


・ユーロ円は小反発。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとは、ユーロドルの持ち直しに伴って一時147.57円と日通し高値を更新した。その後の下押しも147.20円付近にとどまった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに小反発。米景気先行きへの懸念がくすぶる中、金融や景気敏感株の一角に売りが先行したものの、4月PMI速報値が予想を上回ったことが分かるとやや買いが優勢となった。もっとも、来週の大手ハイテク企業の決算を見極めたいとの雰囲気もあり、大きな方向感は出なかった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅ながら反発した。前日に急落した電気自動車(EV)のテスラが反発。EVの「モデルS」と「モデルX」の米国販売価格を引き上げたことが好感された。


・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米景気先行きへの懸念がくすぶる中、買いが先行したものの、4月米PMI速報値の上振れをきっかけに一転売りが優勢となった。


・原油先物相場は3日ぶりに反発。この日も時間外から売りが先行し、76ドル後半まで下値を広げた。もっとも、「複数のOPECプラス加盟国による追加減産」報道で月初に作ったギャップは埋めることができず。週初から大きく下げていた反動もあり、ニューヨーク勢の本格参入後は78ドル台まで持ち上げられた。一巡後は、週末を控えた持ち高調整の動きに終始した。


・金先物相場は反落。4月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ると、それまで低下していた米長期金利が上昇に転じ、金利を生まない金への下落圧力が強まった。ただし、19日に支えられた1980ドルの手前ではこの日も下げ止まり、週引けにかけては下値を切り上げた。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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