最近投資を始めた人のなかには、年率数%の上昇を見込んで運用を続けている方も多いのではないでしょうか。将来的に資産を増やせる可能性が高い点で間違いはありませんが、株式はあくまでもリスク商品であることを知っていた方が上手に運用を続けられます。
とくに相場の暴落局面では株価が大きく値下がりするため、焦って売却しないように注意が必要です。本記事では過去の暴落局面を紹介しつつ、将来的なリターンを高めるための対処方法を解説します。
長期投資を続けながら着実に資産を増やしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
投資を続けていると相場は暴落する可能性がある
初心者の方がまず知っておきたい点は、投資を続けているといずれ相場は急落する可能性があることです。以下画像のとおり、S&P500における1989~2019年のチャートを紹介します。
S&P500とは、米国の主要な企業500銘柄から構成された株価指数のことです。米国株式市場の約80%を占めており、S&P500に連動したインデックスファンドは投資商品として人気が高いです。
画像引用元:S&P500について|SBIアセットマネジメント
S&P500は30年をかけて大きく成長していますが、途中で停滞・下落局面を繰り返しています。具体的には、2000年の「ITバブル崩壊」や2008年の「リーマンショック」のタイミングにおいて、最高値から50%前後も値下がりしました。
なお、直近では2022年に最高値から約20%ほどマイナスを記録しています。長期投資を続けるなかで相場の下落局面は避けられないため、事前に対処法を決めておくことが大切です。
相場の暴落時にやってはいけない行動は焦って資産を売却すること
相場の暴落時にみるみる株価が下がっているのを見ると、ジリジリと焦ってしまうものです。ただし、不安感から我慢しきれずに資産を売却するのは避けましょう。
将来的に値上がりが期待できる株式や投資信託を保有していると、反転して上昇する可能性が高いからです。さきほど確認したS&P500のチャートもいくつかの暴落を繰り返していますが、米国の経済成長にともない将来的には右肩上がりに上昇しています。
売却したあとに値上がりするのを見ると、再度買い直す気持ちが薄れてしまい、投資をやめてしまうかもしれません。
筆者自身も2022年の下落局面では、経済ニュースを見るとネガティブな情報ばかりで暗い気持ちになりました。そこで自分の運用方針を信じて、信頼できる情報以外をシャットアウトするのも有効です。
投資は値上がりも値下がりもするものだと理解して、長期的な視点で運用を続けましょう。
相場の暴落局面での対処法3選
相場の暴落局面での対処法について本章で詳しく解説するので、今後の運用方針に役立ててみてください。
1. 投資を続ける
相場の暴落局面こそ、投資を続けることが重要です。プロの投資家でも暴落の終了と上昇局面への転換を読み切るのは難しく、適切な売却タイミングを見極めることは困難だからです。
毎月一定額を積み立て投資に回しているなら、継続して購入を続けましょう。値段が下がっているタイミングにおいて、同じ金額で多くの株式・投資信託を購入できます。さらに上昇相場に反転すれば、大きくリターンを増やせる可能性があります。
ドルコスト平均法に従って、長期的な視点を持ちながら一定額を運用に回しましょう。
2. 値下がりした割安株を買い増す
将来的に値上がりが期待できる株式や投資信託などは、値下がりしたタイミングで買い増しすると、統計学的にみても大きなリターンが期待できます。
ただし、タイミングを見て買い増しするにも、どこまで株価が値下がりするかを読み切るのは難しいものです。そこで毎月の積立額を増やしたり、複数回にわけて株式を購入したりするのがおすすめです。
購入資金に余力のある方は、追加の投資を検討してみてください。
3. 値崩れした株式を売却して成長が期待できる個別株式を購入する
投資経験者におすすめできる方法として、値崩れした株式を売却して成長が期待できる個別株式を購入する手段もあります。
資産の売却は基本的におすすめしませんが、値上がりが期待できない株式を保有しているより、株価の上昇が望める銘柄を購入したほうがリターンは大きくなります。
米国や世界株式に連動するインデックスファンドへ投資している人は、無理に売却して個別株で運用する必要はありません。あくまでも大きなリターンを取りたい投資経験者に有効な方法として紹介します。
投資を始めるなら暴落時における相場の対処法を決めておこう
投資を始めたばかりのときは気づかないものですが、株価は上昇と下降を繰り返します。とくに相場の下落局面では、50%以上値下がりする可能性がある点は覚えておきましょう。
ただし、焦って資産を売却してしまうと上昇局面を逃す可能性があるため、事前に運用方法を決めておくのが大切です。本記事を参考に、暴落局面こそ冷静に運用を続けてみてください。