香港大引け:反発、ネット株の上昇が支え 台湾情勢は重荷

3日の香港株式市場で、ハンセン指数は反発。終値は前日比0.40%高の19767.09ポイントだった。中国企業指数は0.52%高の6736.96ポイント。メインボードの売買代金は概算で955億1000万HKドル。


ハンセン指数は高く始まった。前日終値が5月12日以来およそ2カ月半ぶりの安値圏だった反動で、買い戻しが先行。アジア時間きょうの米ダウ平均先物の上昇も投資家心理を支えた。ただ、台湾海峡での軍事的な緊張の高まりが引き続き警戒されるなか、中国本土相場が下落したこともあって上値は重く、終盤には前日終値をわずかに割り込む場面もあった。昨夜に台湾入りしたペロシ米下院議長は、きょう午前に台湾の蔡総統と会談。中央通信社によると、現地時間午後5時に専用機で台湾を離れる見通し。一方、中国国営新華社は2日、中国人民解放軍が北京時間4日から7日まで台湾を囲む6つの海域・空域で実弾射撃を含む「重要軍事演習」を行うと伝えた。


ハンセン指数構成銘柄では、ネット株のアリババ集団(09988)とネットイース(09999)、JDドットコム(09618)、テンセント(00700)が買われ、相場の上昇を主導。半導体ファウンドリーのSMIC(00981)、自動車メーカーの吉利汽車(00175)、ガラスメーカーの信義ガラス(00868)も急反発した。半面、中国本土銀行株の中国建設銀行(00939)、招商銀行(03968)、中国工商銀行(01398)の下落が重荷だった。自動車販売大手の中升集団(00881)や不動産管理の碧桂園服務(06098)、太陽光パネル用ガラスの信義光能(00968)の下げがきつい。


ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は1.24%高の4246.13ポイントと4営業日ぶりに反発。前日は軒並み売られたとあって値ごろ感から買いが入り、万国数拠(09698)、快手科技(01024)、華虹半導体(01347)が大きく反発した。一方、金蝶国際ソフト(00268)、BYDエレクトロニック(00285)は続落した。

中国株情報部

村山 広介

日本の出版社や外資系出版社に勤務したほか、シンガポールの邦字新聞社でビジネスニュース編集を経験。 2011年8月、T&Cフィナンシャルリサーチ(現・DZHフィナンシャルリサーチ)に入社。

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