アクティブETF上場から3カ月 そのパフォーマンスは?(後編)

前週は「アクティブ運用型ETF(アクティブETF)」が上場から約3か月経過したということで、その内容とパフォーマンスについて、振り返る内容をお伝えしました。


今週はその続きです。PBR1倍割れ解消推進ETF(2080)、政策保有解消推進ETF(2081)、投資家経営者一心同体ETF(2082)については紹介しましたので、4つ目のNEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信(2083)について説明していきます。


NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信日足チャート



NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信は野村アセットマネジメントが設定し、高ROEを維持できる「優良企業」への長期投資を中心に、ROE改善を期待できる「変身企業」に機動的に投資することを特色としたETFです。こちらの初値は2000円でしたが、上場から10月24日に付けた安値1757円までは調整が続くなど、地合いの影響などもあり苦戦していました。足もとでは再び2000円台を回復するなど、堅調な値動きとなっています。


NEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信日足チャート



5つ目はNEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信(2084)です。こちらも野村アセットマネジメントン設定で、安定的な「配当」と機動的な「値上がり益」の獲得により、中長期的なトータル・リターンの獲得を目指すETFとなっています。2023年7月末時点におけるポートフォリオの予想配当利回りは約4.0%とされており、まずまずの利回りと言えますね。こちらは高配当銘柄への投資が人気なこともあり1999円の初値を付けたあと、9月20日に高値2090円まで上昇する場面がありました。ただ、9月末には中間配当の権利日を迎える企業が多いため、その影響もあって調整入り。10月24日には1888円の安値を付けています。その後は、地合いの影響もあり再び2000円台を回復しました。


MAXIS高配当日本株アクティブ上場投信日足チャート




9月上場のアクティブETF、最後となる6つ目は、MAXIS高配当日本株アクティブ上場投信(2085)です。設定は三菱UFJアセットマネジメントです。高配当株投資がテーマで大型株・中型株のなかから予想配当利回りの上位銘柄を選定しています。こちらの値動きは前述したNEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信(2084)と特色が似通っているため、値動きも類似しており、9月半ばに高値を付け、調整から戻りを試す展開となっています。


ここまで初回に上場した6銘柄を見てきましたが、アクティブEFTにももちろん新規上場があり、2023年9月7日から12月6日までに新たに2つのアクティブETFが設定されています。


1つは10月5日に上場した、上場Tracers 米国債0-2年ラダー(為替ヘッジなし)(2093)です。設定は日興アセットマネジメントで、主として、残存期間が2年以下の米国国債に投資を行ない、インカム収益の確保と信託財産の成長をめざして運用を行なうETFです。短期の債券は金利変動の影響を比較的受けにくい特徴があり、信託報酬は「年率0.06%(税込0.066%)以内」と相対的に割安な水準となっています。


もう1つがSMDAM Active ETF 日本高配当株式(2011)で、こちらは11月29日に上場したばかりとなります。設定は三井住友DSアセットマネジメント。前述した2つの高配当ETFと似た内容ではありますが、分配金支払基準日が毎年5月20日、11月20日の年2回となっています。


今後もさまざまなテーマや特色をもったアクティブETFが上場してくるでしょう。あなたの投資スタイルにあったものがないか、是非チェックしてみてください。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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