30年前の物価はいくら?現在のモノの値段と比較してみた

2022年から続く物価上昇により家計への負担は年々大きくなっています。そこで「30年前と今の物価がどのくらい変化している?」と疑問に感じていませんか。


本記事では消費者物価指数を参考に30年前との物価を比較して、1万円札の価値の違いについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。


30年前の物価はいくら?現在の値段と徹底比較

30年前と現在の物価を比較するため「消費者物価指数/2020年基準」を参考に検証します。「1994年3月」と「2024年3月」の消費者物価指数を比較したとき、物価の上昇率は以下のとおりです。


・総合:96→107.1(1.12倍)

・食料:89.2→115.6(1.30倍)

・穀類:113.8→118(1.04倍)

・パン:87.6→125.4(1.43倍)

・麺類:90.7→122.7(1.35倍)

・魚介類:79.1→128.7(1.63倍)

・肉類:74.4→112(1.50倍)

・牛乳・乳製品:93→119(1.28倍)

・卵:76→132.6(1.74倍)

・生鮮野菜:98.9→112.9(1.14倍)


消費者物価指数の「総合」とは、私たちが購入する商品やサービスを対象にした価格の変化を示しています。食料品の他にも電気・ガスなどのエネルギーやサービス料金の変動も含まれた全体の推移を示しているのです。


上記の結果から32024年3月までの30年間で、約12%の物価上昇していることがわかりました。また食料品全体を比べると30年間で1.3倍の上昇率です。



値上げ幅の大きかった食料品

食料品のなかでも変動幅の大きかった品目は、以下のとおりです。


・輸入牛肉:65.6→130.6(1.99倍)

・国産チーズ:78.8→140.9(1.79倍)

・いわし:57→108.8(1.91倍)

・さんま:44.7→139.6(3.12倍)

・卵::76→132.6(1.74倍)


30年前の価格が安かった「いわし」「さんま」「卵」な品に値上がり幅が大きい傾向でした。ほかにも輸入製品を中心に値上がりは大きく、牛肉は30年前の2倍近くの値段になっていました。


また菓子類のなかには容量が以前より少なくなった「ステルス値上げ」が実施されているケースがあります。



各種レジャー施設の値段も上昇している

こちらでは国内で人気があるレジャー施設の値段をみていきます。


・東京ディズニーランド:大人4,800円→最大10,900円

・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン:大人5,500円→最大9,800円(2001年開業)

・富士急ハイランド:フリーパス・大人4,300円→最大7,800円


新型コロナによる外出自粛後の旅行客増加や、インバウンドによる外国人客の急増の影響を受け、ここ数年だけでも大きく上昇していました。国内でも人気のディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、30年前の2倍近い価格になっているため、気軽に遊びに行ける雰囲気ではなくなっています。


食料品やレジャー施設の他にも、30年前と比べてガソリン代や電気料金の値上げなどが続いています。


30年前の1万円の価値はいくらになる?

30年前の1万円の価値が今ではいくらになったのか調べるために、消費者物価指数をもとに計算してみます。また今回は10・20・40・50年前と比較したときの1万円の価値の推移も計算してみました。


【30年前の1万円の価値はいくらになるか?】


・50年前:2万202円

・40年前:1万1,682円

・30年前:1万円

・20年前:1万52円

・10年前:9,846円

・現在:8,928円


1万円を銀行に預けていてもほとんど利息がつかないので、何もせず30年間ほったらかしにしていると、9,000円弱の価値に目減りします。


また日本ではバブル崩壊後に長く続いたデフレの影響で、物価や給与は上がらない時代が続いたので、10年前まではお金の価値にほとんど変化はありませんでした。上記の計算を見ると、ここ10年の間で急激に物価上昇が進んだことが見て取れます。



30年前と現在の生活水準は違うのか?

30年前と現在の平均給与を比較すると、以下の結果でした。


・1994年:455.5万円

・2023年:423.3万円


30年前より非正規雇用が増えたり、高齢労働者の増加で短時間勤務の割合が増えたりしているので、当時より平均値は低く出やすいのが特徴です。しかし、それでも以前と比べてほとんど給与は増えていないのは事実です。


また時代を追うごとに国民が支払う社会保険料や消費税などの税負担は増えています。以下は、個人や企業など全体に占める税金と社会保険料の負担率を表す「国民負担率」の結果です。


・1994年:34.8%

・2024年:45.1%(予測)


上記は企業の税負担も含まれているので正確に一人当たりの納税額を計測できていませんが、消費税と社会保険料は増えているので、国民の手取り収入は下がっています。


上記2つの結果から、30年前と比べて給与水準は変わらずに納税負担が増えていて、生活は苦しくなっていることが判明しました。


まとめ

30年前と比べて全体で12%の物価上昇が続き、私たちの生活を圧迫しています。さらに以前より給与は増えず、税金の支払いも増えているので、手元に残せるお金は減っている計算です。


物価上昇に備えるためには、無駄な出費を抑えて必要な経費に賢く使うことが大切です。今より物やサービスの値下がりは期待できないので、余った資金を投資に回して効率よく運用することも検討してみてください。


独立系ファイナンシャルプランナー

藤崎 竜也

「独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。2019年から教育資金や老後資金を蓄えるために投資を始める。実体験をもとに、専門用語をわかりやすく解説するのが得意。2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得し、現在は金融ジャンル(資産運用・投資・不動産・保険)をメインに執筆している。

藤崎 竜也の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております