「純金積立」という投資方法をご存知ですか?純金積立とは、金や銀、プラチナなどの貴金属を定期購入し、持っている貴金属の量を増やしていくことです。「金を定期購入なんて、どうやってすればいいか分からない」と思われるかもしれませんが、純金積立は投資としてのリスクが低く、初心者におすすめだと言われています。また、「今すぐ資産を増やしたいわけではないけど将来のために長く続けられる投資はないか」と長期投資を考える方に非常におすすめです。
純金積立とは?
純金積立とは、金や銀、プラチナなどの貴金属を、毎月定期的に購入し、どんどん購入量を増やしていく投資方法です。1か月1000円という少額から始められるので、いきなり大金を投資するのは心配な投資初心者や、日々の生活に負担のない金額を長期投資し少しずつ積み立てたいと考える人たちから支持されています。
購入方法は、毎月決まった金額の貴金属を購入する定額積立と、毎月決まったグラム数を購入する定量積立の2種類です。購入した時の金の金額よりも、金の価値が高いタイミングで売却すると、その差額分が利益になります。
金の価格の変移
金の価格は常に変動していますが、ここ20年以上金の価格は高騰し続けています。例えば、2000年の金の平均購入金額は1g約1000円ほどでした。それが2010年には1g約3000円になり、2020年には1g約6000円になっています。金がスマホなどの精密機器の素材に使われるようになり一気に需要が増えたことと、純金積立のように投資として取引されるようになったことが、金の価格がどんどん高くなっている要因だと言われています。
参照:三菱マテリアル
投資初心者におすすめの理由
例えば株式投資を行い株式を購入した企業が倒産してしまった場合は、投資した株券の価値が0円になることもあり得ます。しかし純金積立であれば、金自体に貴金属としての価値があるので、販売せずに現物として手元に残すことができます。そのため、投資した物の価値が0円になることはあり得ません。
また、定額積立の投資方法を選択すれば、ドル・コスト平均法により投資のリスクを減らすことができます。他の投資方法に比べ、少ない知識でも低いリスクで投資を行うことができるので、投資初心者におすすめです。
ドル・コスト平均法とは?
出所:著者作成
スーパーで買い物をする時に、同じ商品を購入するのであれば、安い時にたくさん買っておいて高い時にはあまり買わないようにしたいと思いますよね。純金積立の定額積立ならばそれが可能です。毎月決まった金額を投資することで、金の価格が高い時には少ない量を購入し、価格が安い時には多くの量を購入することができるので、毎月の価格変動による損害のリスクが低くなります。これを「ドル・コスト平均法」と言います。
長期投資希望者におすすめの理由
金の価格は短期間で大きく価値が変動することはほとんどないので、長期間同じ商品に投資し続けたとしても、大暴落や価値の大幅下落の心配が少ないのが他の投資方法とは異なる最大の特徴です。
仮に金の価格が購入前よりも下がってしまったとしても、「今月は金の価格が安くなっているからたくさん金が購入できた」と考えることができるので毎月の価格変動に左右されません。また、インフレに強いので、資産の一部を長期的に純金積立することで、将来的にインフレが起こったとしても安心することができます。
株や為替が、短期間でタイミングを見計らい効率よく多くの利益を生み出す投資方法だとすると、純金積立は長期間投資をし続けることで、数年から数十年後に低リスクで価値を生み出す投資方法と考えてみてください。「今すぐ資産を増やしたいわけではないけど、銀行の貯金だけで将来大丈夫かな?」と不安に感じ始めたら、今のうちから純金積立で長期投資することをおすすめします。
純金積立とインフレの関係
インフレとはインフレーションの略で、インフレが起こるとは、今まで100円で購入できていた物が120円になり、150円になり、200円になり…と物価が上がり続けていくことです。何が起こっているかというと、お金の価値がどんどん下がっています。例えば、1万円で100円の商品を購入した場合同じ商品は100個買えますが、商品の価格が200円に値上がりしてしまうと、50個しか買えなくなります。今現在いくら貯金があるからといって、将来的にお金に今現在と同じだけの価値があるとは限らないのです。
純金積立をすることにより、現金が金などの貴金属に換わると、持っている金の価値も同じくインフレで2倍になり購入当時は1万円の価値しかなかった金がインフレ後2万円の価値が出ることになります。そのため、純金積立などの長期投資はインフレに強いと言われています。
まとめ
投資初心者でも低いリスクで投資ができることや価格変動の少なさから長期投資に向いているなど、純金積立の魅力についてご紹介しました。将来的な資産に不安を感じるのであれば、インフレに強い点も大きな魅力です。ぜひとも資産運用の1つとして、純金積立を検討してみてください。