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第184回 2026年最新のユーロドル見通し:直近の高値超えが当面の目標に

今回解説していく通貨はユーロドル(eur/usd)です。すでに2022年からの上昇トレンドに移行したと予想していますが、2008年からの下降トレンドはすでに終了したとの判断を確実なものにするため、週足ベースでの直近高値超えは是非とも果たしたいところです。

ファンダメンタルズ面では、欧州中央銀行(ECB)は目標付近でインフレが安定すると想定しており、当面は金利変更には動かないでしょう。一方で、ユーロ相場への言及が増えており、今後も金融当局者の発言には注意が必要となりそうです。


今後のユーロドルの相場焦点:ECB当局者はユーロ高を警戒

まずはユーロ圏の現在の金融政策状況を確認していきます。

 

欧州中央銀行(ECB)は2022年7月に金融引き締めを開始。2023年9月に政策金利を4.50%まで引き上げて、2024年6月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は2.15%です。

 

●ECBが金利の据え置きを決めた2月直近会合での声明文では

・最新の評価でインフレ率が中期的に2%の目標で安定する見込みであることを再確認

・データに依存し、会合ごとのアプローチに従って適切な金融政策スタンスを決定する

・金利決定は今後発表される経済・金融データに加え、基調的なインフレの動向や金融政策の波及力の強さを踏まえ、インフレ見通しとそれを取り巻くリスクの評価に基づいて決定される

・理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない

などの見解が示されました。

 

声明文では先行きに金融政策に対する具体的な示唆は盛り込まれませんでしたが、インフレ率は2%の目標付近で安定する見込みとしており、ECBが早期に金融政策行動に移る可能性は低そうです。

ただ、ラガルド総裁はその後の記者会見で「ユーロ高は外部環境の課題を増大させる」「ユーロ高はインフレ率を目標未満に押し下げる可能性」との見解を示すなど、ユーロ相場の状況を注視している様子が窺えます。他のECB当局者も1月の上昇局面時にユーロ高を懸念するコメントを残しており、今後も中銀関係者の反応には注意しておく必要があるでしょう。


ユーロドルの週足分析:直近高値超えは依然達成できず

下図のチャートはユーロドルの週足チャートになります。

 


2008年からの下降トレンドライン(チャート上の青色実線)は昨年の時点ですでに上抜けており、現在は2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が進行中。

一方で、相場反転のもう一つのサインである直近高値超え(2021年1月高値の1.2349ドルや2018年2月高値の1.2555ドル、チャート上の四角で囲った部分)が達成できていない点は気になるところです。

 

チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、現在が+DI>-DI(上昇トレンド)であることは示唆されていますが、トレンドの強さを示すADXが低位に位置しており、はっきりとした上昇トレンドとも言い難い状態にあります。


ユーロドルの日足分析:上昇トレンド内での押し目買いが有効

では短期的な視点で今後のユーロドルの見通しを確認していきます。下図は日足のユーロドルチャートです。

 


週足分析で指摘したように、現在は2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)となっています。「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)となっており、基本的には押し目買いを推奨したい局面です。

ただ、前述の上昇トレンドラインは押し目として利用するには遠いため、昨年2月からの上昇トレンドライン(チャート上の黄色点線)や直近の上昇の起点となった昨年11月5日安値1.1469ドル(チャート上の青色実線)などをサポートとして利用してみましょう。


今後の取引材料・変動要因をチェック:欧米中銀の金融政策に注目

最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は欧米の両中銀による金融政策。ただ、どちらも3月会合では金利を据え置く見込みで、声明文や中銀総裁の記者会見がポイントになりそうです。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)に関してはメンバーによる金利見通し(ドットチャート)も公表されるため、こちらにも注目しておきましょう。

その他の経済指標・イベント等は以下の通りとなります。

 

今後1カ月の重要イベント

2月20日 米国 12月PCEコア・デフレーター

3月3日 ユーロ圏 2月消費者物価指数(HICP、速報値)

3月6日 米国 2月米雇用統計

3月11日 米国 2月消費者物価指数(CPI)

3月17-18日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

3月19日 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会

この連載の一覧
第184回 2026年最新のユーロドル見通し:直近の高値超えが当面の目標に
第183回 2026年最新の豪ドル米ドル見通し:豪ドルを取り巻く環境に大きな変化
第182回 2026年最新のトルコリラ円見通し:下落トレンドの勢い減速、当面は様子見が無難
第181回 2026年最新のポンド円見通し:上昇トレンド継続もここからの押し目買いは慎重に
第180回 2026年最新のハンガリーフォリント円、チェコ・コルナ円見通し:明確な上昇トレンド、ハンガリーでは緩和政策が再開か
第179回 2026年最新のNZドル米ドル見通し:三角保ち合い継続も下方向へのリスクを警戒
第178回 2026年最新のメキシコペソ円見通し、明確な上昇トレンドが継続
第177回 2025年最新のランド円見通し:上昇トレンドは盤石で10円の大台回復も視野に
第176回 2025年最新の豪ドル円見通し:目先は押し目買い方針、RBAの緩和終了も支えとなるか
第175回 2025年最新のユーロ円見通し:史上最高値更新で今後の上値目標は?
第174回 2025年最新のノルウェー・クローネ円、スウェーデン・クローナ円見通し:しっかりとした上昇トレンドが継続
第173回 2025年最新のNZドル円見通し:短期・中期ともレンジ相場
第172回 2025年最新のドル円見通し:年初来高値の更新に向けて
第171回 2025年最新のユーロドル見通し:2022年来の上昇トレンドに一服感
第170回 2025年最新のトルコリラ円見通し:短期のレンジ相場の行方を見極めたい
第169回 2025年最新の豪ドル米ドル見通し:短期・中長期とも現状のトレンドをブレイクするチャンス
第168回 2025年最新のポンド円見通し:200円の大台超えで上値余地広がる
第167回 2025年最新のハンガリーフォリント円、チェコ・コルナ円見通し:上昇トレンド継続、コルナ円は最高値更新狙う
第166回 2025年最新のNZドル米ドル見通し:上値トライに失敗、再び下値リスクを警戒すべき局面に
第165回 2025年最新のメキシコペソ円見通し、上昇トレンドに回帰
第164回 2025年最新のランド円見通し:直近高値超えに失敗すると・・
第163回 2025年最新の豪ドル円見通し:短期は良し、中長期は不安あり
第162回 2025年最新のチェコ・コルナ円、ポーランドズロチ円見通し:上昇トレンドは継続へ
第161回 2025年最新のユーロ円見通し:上昇トレンドは維持、上値追いはどこまで?
第160回 2025年最新のノルウェー・クローネ円、スウェーデン・クローナ円見通し:いずれも上昇トレンドを維持
第159回 2025年最新のドル円見通し:頼りない上昇トレンドの今後を探る
第158回 2025年最新のNZドル円見通し:上昇トレンドを維持するための条件とは?
第157回 2025年最新のトルコリラ円見通し:過去最安値の更新はどこまで続くのか?
第156回 2025年最新のユーロドル見通し:長期下落トレンドの転換点か?
第155回 2025年最新のランド円見通し、再び上昇基調へ?チャートとファンダメンタルズから徹底分析
第154回 2025年最新の豪ドル米ドル見通し:2021年来の下落トレンドはついに転換か?
第153回 2025年最新ポンド円見通し:200円突破なるか?チャート分析と今後の注目ポイント
第152回 今後のハンガリーフォリント円見通し、上昇トレンド継続で上値余地拡大へ 高金利状況は続く
第151回 今後のNZドル米ドル見通し、下値確認でトレンド転換なるか
第150回 今後のメキシコペソ円見通し、レンジ継続も上抜けチャンスが到来
第149回 今後の豪ドル円見通し、調整が深まるか直近安値の維持が焦点に
第148回 今後のユーロ円見通し、貿易リスクはあるがチャート上では上昇期待も
第147回 ドル円相場見通し、一段の円高へと向かうリスク 2025年中に120円台もあり得るか
第146回 NZドル円(nzdjpy)相場予想、追加利下げ濃厚も下落トレンドは終了か?
第145回 トルコリラ円(try/jpy)相場予想、過去最安値更新で止まらぬ下落
第144回 ユーロドル為替相場予想、トレンド反転の判断は慎重に
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第141回 ポンド円、下押し圧力を警戒すべき局面
第140回 NZドル米ドル、下落トレンド転換のチャンス到来か
第139回 メキシコペソ円、反発に向けたラストチャンスか
第138回 豪ドル円、調整局面入り
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第136回 ドル円、短期的な下値リスクに要注意
第135回 NZドル円、さらなる下値余地拡大に注意
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第123回 トルコリラ円、週足でのトレンド転換はまだまだ遠く
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第119回 米大統領選後のシナリオ別相場展望
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第115回 NZドル米ドル、「三角保ち合い」は上方ブレイクで決着
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第99回 豪ドル円、10数年ぶりの高値の視野に
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第93回 メキシコペソ円、上昇トレンドは健在だが・・
第92回 トルコリラ円、大きなチャンス到来か
第91回 豪ドル米ドル、上方向は攻めづらい
第90回 NZドル米ドル、トレンド転換につながる注目ポイントに接近
第89回 ユーロドル、ヘッド・アンド・ショルダーズの完成なるか
第88回 ドル円、5月中にも上方向へブレイクか
第87回 豪ドル円、上昇トレンド継続に黄色信号
第86回 NZドル円、上昇トレンド継続も目先は調整リスク
第85回 ポンドドル、長期下降トレンドの転換は間近?
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
第78回 豪ドル米ドル、依然として下落トレンド
第77回 ポンド円、来年以降の下値リスクに警戒
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第75回 メキシコペソ円、レンジ相場がしばらく継続か
第74回 ユーロドル、メインシナリオはレンジ相場
第73回 ドル円、ポイントは一目均衡表雲の維持
第72回 低迷ぶりが際立つトルコリラ円、反発の可能性は?
第71回 豪ドル円、上値トライのチャンスだが力強さを欠く
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第69回 ユーロ円、月足チャートでは不安なし 週足では?
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第60回 今後のユーロドル相場
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第42回 今後のユーロドル相場
第41回 今後の豪ドル円相場
第40回 今後のドル円相場
第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
第38回 ダウ理論とエリオット波動(2)
第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
第35回 ローソク足(2)
第34回 ローソク足(1)
第33回 一目均衡表(4)
第32回 一目均衡表(3)
第31回 一目均衡表(2)
第30回 一目均衡表(1)
第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)
第26回 避けられるリスク(日本・欧州編)
第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)
第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
第23回「誰にでもわかるチャート教室」 練行足とカギ足
第22回「誰にでもわかるチャート教室」 新値足
第21回「誰にでもわかるチャート教室」 パラボリック
第20回「誰にでもわかるチャート教室」 エンベロープとボリンジャーバンド
第19回「誰にでもわかるチャート教室」 MACD
第18回「誰にでもわかるチャート教室」 ROC
第17回「誰にでもわかるチャート教室」 突発的な急変動に対処する
第16回「誰にでもわかるチャート教室」 DMI
第15回「誰にでもわかるチャート教室」 サイコロジカル・ライン
第14回「誰にでもわかるチャート教室」 RCI
第13回「誰にでもわかるチャート教室」 ストキャスティクス
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第11回「誰にでもわかるチャート教室」 時間軸の考え方
第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
第9回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その3
第8回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その2
第7回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その1
第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
第5回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その1
第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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