今回解説していく通貨はユーロドル(eur/usd)です。すでに2022年からの上昇トレンドに移行したと予想していますが、2008年からの下降トレンドはすでに終了したとの判断を確実なものにするため、週足ベースでの直近高値超えは是非とも果たしたいところです。
ファンダメンタルズ面では、欧州中央銀行(ECB)は目標付近でインフレが安定すると想定しており、当面は金利変更には動かないでしょう。一方で、ユーロ相場への言及が増えており、今後も金融当局者の発言には注意が必要となりそうです。
今後のユーロドルの相場焦点:ECB当局者はユーロ高を警戒
まずはユーロ圏の現在の金融政策状況を確認していきます。
欧州中央銀行(ECB)は2022年7月に金融引き締めを開始。2023年9月に政策金利を4.50%まで引き上げて、2024年6月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は2.15%です。
●ECBが金利の据え置きを決めた2月直近会合での声明文では
・最新の評価でインフレ率が中期的に2%の目標で安定する見込みであることを再確認
・データに依存し、会合ごとのアプローチに従って適切な金融政策スタンスを決定する
・金利決定は今後発表される経済・金融データに加え、基調的なインフレの動向や金融政策の波及力の強さを踏まえ、インフレ見通しとそれを取り巻くリスクの評価に基づいて決定される
・理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない
などの見解が示されました。
声明文では先行きに金融政策に対する具体的な示唆は盛り込まれませんでしたが、インフレ率は2%の目標付近で安定する見込みとしており、ECBが早期に金融政策行動に移る可能性は低そうです。
ただ、ラガルド総裁はその後の記者会見で「ユーロ高は外部環境の課題を増大させる」「ユーロ高はインフレ率を目標未満に押し下げる可能性」との見解を示すなど、ユーロ相場の状況を注視している様子が窺えます。他のECB当局者も1月の上昇局面時にユーロ高を懸念するコメントを残しており、今後も中銀関係者の反応には注意しておく必要があるでしょう。
ユーロドルの週足分析:直近高値超えは依然達成できず
下図のチャートはユーロドルの週足チャートになります。

2008年からの下降トレンドライン(チャート上の青色実線)は昨年の時点ですでに上抜けており、現在は2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)が進行中。
一方で、相場反転のもう一つのサインである直近高値超え(2021年1月高値の1.2349ドルや2018年2月高値の1.2555ドル、チャート上の四角で囲った部分)が達成できていない点は気になるところです。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、現在が+DI>-DI(上昇トレンド)であることは示唆されていますが、トレンドの強さを示すADXが低位に位置しており、はっきりとした上昇トレンドとも言い難い状態にあります。
ユーロドルの日足分析:上昇トレンド内での押し目買いが有効
では短期的な視点で今後のユーロドルの見通しを確認していきます。下図は日足のユーロドルチャートです。

週足分析で指摘したように、現在は2022年9月安値を起点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)となっています。「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)となっており、基本的には押し目買いを推奨したい局面です。
ただ、前述の上昇トレンドラインは押し目として利用するには遠いため、昨年2月からの上昇トレンドライン(チャート上の黄色点線)や直近の上昇の起点となった昨年11月5日安値1.1469ドル(チャート上の青色実線)などをサポートとして利用してみましょう。
今後の取引材料・変動要因をチェック:欧米中銀の金融政策に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は欧米の両中銀による金融政策。ただ、どちらも3月会合では金利を据え置く見込みで、声明文や中銀総裁の記者会見がポイントになりそうです。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)に関してはメンバーによる金利見通し(ドットチャート)も公表されるため、こちらにも注目しておきましょう。
その他の経済指標・イベント等は以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
2月20日 米国 12月PCEコア・デフレーター
3月3日 ユーロ圏 2月消費者物価指数(HICP、速報値)
3月6日 米国 2月米雇用統計
3月11日 米国 2月消費者物価指数(CPI)
3月17-18日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
3月19日 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)理事会



