「もういくつ寝るとお正月」です。2024年年末から2025年年明けのカレンダーを見てみると、思わず胸が高鳴ります。12月27日(金)に仕事納めをしたとして、翌28日(土)から2025年1月5日(日)まで9連休の実現です。株式相場は30日(月)に大納会のため、当メディアの関係者は「隣の田んぼは青く見える」だと思いますが、停滞感の続く経済にとってもプラスの曜日設定であることは間違いありません。
どの業界が盛り上がるかは投資家の腕の見せどころ
耳にしない日の無かったコロナの文字が日常生活から消え、兵庫県知事選と「103万円の壁」一色のメディアですが、まもなく「そういえば今年の年末年始は9連休です」とどこかのワイドショーが言及すれば、一気に波及することでしょう。知事選をめぐる問題は沈静化に向かっていますし、103万円の壁はそもそも次年度の通常国会で最終議論される話であるため、12月のはじめに社会は一気に年末モードに移行する気がしています。
スイングトレードに意識を張っている投資家としては、その前に田植えを終えておきたいもの。もちろん年末年始の好業績が数字となって現れるのは年明け数カ月後の四半期決算のため、ファンダメンタルではなく「そういえばこの株、9連休に上がりそうじゃないですか」と世の中が騒ぎ出すところを売却時期として仕掛けることが考えられます。そう考えると、どのような業界へのチェックが考えられるのでしょうか。
ただ、ここで旅行・交通・外食・宅食といっても新鮮味がありません。そこで敢えてこれらを外して、一歩意外なところで考えてみました。
証券会社・生命保険会社
筆者がまず気になったのが、多くの会社が27日(金)を仕事納めとする一方、金融機関は30日(月)まで稼働するカレンダーの影響です。つまり28日以降、多くの方が自身の資産ポートフォリオを見直し、「来年に向けて整備しておくか」とリバランスをする3日間があります。この3日間に注目する考え方があります。
特に2024年の年末はNISA新制度の開始から1年です。普段は仕事や家庭に追われ、日々の評価額の推移を見られていない個人投資家も多いことでしょう。この層が28日からの3日間でどう動くか、です。関連して動きそうな業界に生命保険会社がありますが、28日に「生命保険に申し込もう」となっても体況や手続きなどで数日かかることと、30日が終われば生命保険の営業担当も休みに入ることから、さすがに時間が無さ過ぎではとも思います。
ふるさと納税
同様の視点で考えられるのが「ふるさと納税」です。12月31日までに注文すると、次年度の住民税が減税されます。103万円の壁の報道で、減税と可処分所得(収入ー税金+社会保険料)に対し、市民がとても過敏になっています。「そういえばふるさと納税手続きしていない」という駆け込みの前に、この仕組みで恩恵を受けそうな一次産業の会社などをチェックしておくといいかもしれません。なお、ふるさと納税は近々大きくモデルチェンジをするのではないかという見立てもあり、その点も注目されます。
ちなみに我が家は、数ヶ月では対応できないほどのビールとお米が現在、自宅に溢れています。
トランプ銘柄
急に現実に戻った印象を受けますが、長い連休が終わればドナルド・トランプ氏就任です。既に中国やカナダ、メキシコに対する追加関税が表明されており、一気に世の中がトランプ劇場になることは間違いありません。
さすがに就任直前である年末年始にあらたなニュースは動かないと思いますが(そもそもアメリカ本国はクリスマス休暇がはじまっている)、興味深いのは就任を前にして、既に政権の人材が報道されていることです。
貿易・通商・農業の担当大臣はそれぞれのスタンスと、就任したことによる対象国への姿勢、そして影響が予測されています。たとえトランプ政権が2期目とはいえ今度も4年間任期があります。レームダックのような状況を嫌いそうな大統領の性格と、そもそも高齢であることを踏まえ、2026年の中間選挙までにある程度「形になりそうなもの」に突っ走る可能性が高いです。大統領職・上院・下院すべての多数を抑えている「トリプルレッド」であることもまた、トランプ氏の熱量を後押しすることになりそうです。
担当大臣が自分のテリトリーにおいて、様子見から入るのか、華々しい登場から入るのかは見ものです。なお、この華々しい、は決して賞賛の意味だけではなく、ハレーションをもろともしない姿勢に対する感想も含みます。
ほかには何があるのでしょうか。もちろん9連休で刺激を受ける銘柄としても、出来高がつかないものであればあまり意味はありません。一定の出来高が期待できて、かつ9連休が共通言語となっていく銘柄を、折に触れて考えていきたいと思います。
ふとした1年の最後に、思わぬ資産のジャンプアップをできる機会が訪れそうな年末の到来です。