帝国データバンクは12月4日、全国「周年記念企業」調査(2025年)を公表しました。同レポートでは、2025年以降に創業・設立から10年刻み(200周年超は50年刻み)で節目を迎える企業を「周年企業」として紹介しています。
これによると、2025年に周年を迎える企業は、2024年11月時点で、全国に15万5167社あることが判明したということです。このうち、創業から「50周年」企業が2万1468社、「100周年」企業は1685社に上ります。
業種別でみると、「建設」が4万5922社と全体の29.6%を占めトップとなりました。次いで「サービス」が3万8573社と同24.9%を占め、上位2業種で周年企業の半数超を占めるかたちとなっています。
15万社のうち、上場企業は404社となっています。2005年(平成17年)創業の「20周年」が70社で最多。1995年(平成7年)創業の「30周年」が44社、2015年(平成27年)創業の「10周年」が42社と続いています。
図 2025年に周年を迎える企業数(周年、社数)
帝国データバンク公表資料よりDZHFR作成
このうち一部個別企業を例に挙げてみると、創業100周年では医薬品の中外製薬<4519.T>、証券業の野村ホールディングス<8604.T>、乳製品製造の雪印メグミルク<2270.T>など。50周年ではホームセンターを展開するジョイフル本田<3191.T>、コンサルティング業務などを手がける電通総研<4812.T>などが挙げられます。先日、三菱UFJ銀行による公開買い付け(TOB)の実施が発表されたウェルスナビ<7342.T>は2025年で10周年を迎えますが、こちらはTOB完了後は上場廃止となる見通しです。
また、厳密には上場企業ではありませんが、三菱商事<8058.T>およびKDDI<9433.T>傘下のローソンが50周年を迎えるほか、サイバーエージェント<4751.T>グループで動画配信サービス「ABEMA」を運営するAbemaTVが10周年を迎えます。
そのほか、企業ではありませんが日本相撲協会が100周年を迎えますし、アウトドア用品のモンベルは50周年、大塚家具の創業者が設立した匠大塚は10周年となります。もとの大塚家具は2021年にヤマダ電機を運営するヤマダホールディングスの完全子会社となり、上場廃止となっています。当時はまだ東証改革前で、大塚家具はJASDAQ市場に上場していました。今となっては懐かしさすら感じます。
上場企業で周年といえば、記念イベントなどが行われるケースがあります。特別キャンペーンの実施や限定商品の販売。企業ロゴやコーポレートサイトのリニューアルなど、単なる一時的なイベントにとどまらない、今後の企業の指針にかかわるものまでさまざまです。
そのなかで、株式市場にも関連するものがあります。記念配当や記念株主優待などがそれにあたりますね。創業〇周年ではなく、設立から〇周年で記念配当を行う企業などもありますが、2025年の周年企業が404社もあるわけですから、記念配当や記念優待を狙ってみると、チャンスにつながると思います。