2024年IPOで事業内容に注目した3銘柄を紹介

#IPO #日本株 #銘柄選び

2024年12月28日

河賀宏明

今回は2024年に上場した会社で事業内容に注目した3銘柄を紹介したいと思います。

１. ＧＶＡＴＥＣＨ（298A）

ＧＶＡＴＥＣＨ（以下、ＧＶＡテック）は、2024年12月26日に東京証券取引のグロース市場に上場しました。初値は公開価格690円を小幅に上回る700円とIPOとしては落ち着いたスタートとなりました。

ＧＶＡテックは、リーガルテック事業として、主に法務部門や法律事務所向けに法務業務のDX（デジタル変革）を推進する「LegalTech SaaS事業」および社内に法務機能が無いようなスタートアップ企業や中小企業でも簡単に登記手続きが行える「登記事業」の２つのサービス群を主要なサービス群として提供しています。

法務部を対象とするシステムはかなり珍しく、コンプライアンス（法令順守）強化の流れのなかで期待される役割は大きいといえます。しかし、赤字が拡大するタイミングでの上場となったことから、初値は小幅高にとどまりました。

このタイミングでの上場は、商談では信頼性をことさら重視されることが多いことから、上場による信用向上を優先させたとのことです。今後順調に顧客を獲得し、黒字転換となればその評価は大きく変わると想定されます。

2. ラクサス・テクノロジーズ（288A）

ラクサス・テクノロジーズ（以下、ラクサス）は、2024年12月13日に東京証券取引のグロース市場に上場しました。初値は公開価格281円を大きく上回る426円と堅調なスタートとなりました。

ラクサスは、中古ブランドバッグの定額課金制レンタルサービス「Laxus（ラクサス）」を提供しています。レンタル中にユーザーが気に入った場合は購入することも可能です。

相当回数利用したバッグは国内リユースセレクトショップやオークション、海外EC（電子商取引）サイトなどに販売しており、サービス開始以来、廃棄ゼロを実現しているとのことです。

似た業態としては、月額制の洋服レンタル「エアークローゼット」を提供するエアークローゼット（9557）がありますが、洋服とバッグではメンテナンスやリセールを考慮するとバッグの方がシェアリングサービスに向いていると考えられます。

「Laxus」現在の会員費は月額9800円（税別）ですが、ブランドバッグのレンタルですので、値上げ余地はまだあると思います。上場による認知度向上による会員数の増加も期待されますので、今後の株価推移に注目したいと思います。

3. フィットイージー（212A）

フィットイージーは、2024年7月23日に東京証券取引のスタンダード市場に上場しました。初値は公開価格990円を大きく上回る1213円と堅調なスタートとなりました。

フィットイージーは、アミューズメントフィットネスクラブの運営、企画、FC展開事業を行っています。フィットネストレーニング機器だけを設置した単なるフィットネスクラブではなく、会員が気軽に「楽しみながら健康になれる」「楽しみながら目標達成できる」のがアミューズメントフィットネスクラブとのことです。

アミューズメント設備としては、FIT-GOLF（インドアシミュレーションゴルフ）やFIT-SAUNA（個室サウナ）、FIT-RACE（レーシングシミュレーター）、ボルダリングマシン、テニス、フットサルなどが挙げられます。

同社は、会員に非日常で洗練された「サードプレイス（自宅でもない職場でもない第三の場所）」となる空間を提供するために、サービス・接客はもとより、カラーコーディネーターの色彩理論に基づいた店内全体のデザイン、全店共通の香りのアロマディフューザーの設置などを行い、同社の雰囲気や印象を魅力的に表現しているとのことです。

「サードプレイス」となる空間提供というコンセプトの浸透により会員数が増加すること、そしてそれが業績拡大につながることに期待したいと思います。