最近は「SaaSの死」という穏やかではない言葉を聞きます。SaaSは(Software as a Service)の略で、インターネット経由でソフトウェアをクラウドサービスとして利用する仕組みです。

顧客が自前でシステムを構築する必要がなく、適時アップデートされていくため、利便性が高いサービスといえます。主に月額課金制なので、初期コストが少なく済むこともメリットです。コロナ禍ではSaaS関連銘柄も隆盛を極めていましたがこのところはさえない動きです。一体何が起きているのか、調べてみました。
AIの台頭
冒頭で出した「SaaSの死」はSaaS企業の提供するサービスがAI(人工知能)に代替されてしまい、存在意義を失ってしまうのではないか?という懸念を表現したものです。
直近のマーケットでは、米国の新興企業であるアンソロピックが、AIエージェント「Cowork(コワーク)」で1月30日に追加ツールを発表したことがSaaS関連銘柄の下落につながったと指摘されました。「Cowork」に追加されたのは法務・営業・マーケティング・データ分析といった分野の業務を自動化するAIツールです。
米国のSaaS企業ではセールスフォース、アドビなどが大手です。国内でもオービックやラクスなどが有名ですね。これまでAIが代替してきたのは簡易的な事務作業でしたが、専門分野にも進出してきたことが「SaaSの死」を強く連想させ、2月3日~4日にかけてこれらのSaaS関連企業が世界的に急落しました。
AIに取って食われるのか?
本当にAIによってSaaS企業は存在意義を失ってしまうのか、AIのことはAIに聞いてみることにしました。
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プロンプト
「アンソロピックは1月30日に、法務・営業・マーケティング・データ分析といった分野の業務を自動化する「Cowork」についてエージェント向けプラグインを導入しました。専門分野に切りこむAIツールです。これを踏まえると、専門性の高い分野もAIに置き換えられる懸念が指摘されています。 実際のところ今後は本当に代替されてしまい、SaaS企業が存在意義を失う可能性は高いですか?」
ChatGPT
SaaS企業が一斉に「存在意義を失う」可能性は低いが、役割は確実に変質していくと見るのが現実的。生き残るSaaSは、単なる業務ツールから、業界特化型のAIプラットフォームへと進化。AIが判断や最適化を担い、SaaSが実行、記録、統制を担う「人×AI×SaaS」の三位一体モデルが主流になる。
Gemini
「中途半端な機能提供にとどまっているSaaS」は存在意義を失う(コモディティ化する)可能性が極めて高いが、SaaSという形態そのものが消滅するわけではない。今後は「SaaSを使って仕事をする」時代から、「AIエージェントがSaaSを使って仕事をするのを人間が管理する」時代へと移行する。
DeepSeek
アンソロピックが発表した「Cowork」のような専門特化型AIエージェントの登場は、確かに一部の業務を自動化する可能性を示している。しかし、SaaS企業がすべてすぐに存在意義を失うとは考えにくい。「完全な代替」ではなく「業務の一部が変わり、SaaSの価値提案が進化する」 という見方が現実的。専門性が高い分野ほどAI単体ではなく「AI+人間の専門知+業界特化型プラットフォーム」の組み合わせが重要になる。
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このような回答が得られました。一部では少々ストレートな表現もされていますが、3つの回答をまとめると「SaaSは消えない。AIが業務の主体となり、人と協調しながら業界特化型の実行基盤へと進化する。差別化できないSaaSは淘汰されていく」ということで一致しています。
SaaS企業もAI活用が必須に
ChatGPTの誕生を起爆剤としてAI投資が加速し、個人でも生成AIを使うことが一般的になってきました。企業においてもAI活用は生き残りに必須となってきたため、SaaS企業にも同じことが言えます。
属人的になりがちだった事務系作業をSaaSという形で体系化させたことは大きな意義があります。SaaSと言えども、時代の流れとともに進化できなければ淘汰されていくのは自然なことです。脅威とみなされるAIを逆にうまく活用し、替えが利かないほどに支持されるサービスに昇華できるかは企業次第。熾烈な競争で生き残るSaaS企業を見極めることができれば、投資においても大きなリターンを狙えるかもしれませんね。



