先週は主要3指数がそろって上昇 S&P500が史上最高値に肉薄
先週の米国株式市場ではダウ平均が0.55%高と反発し、S&P500が1.47%高、ナスダック総合が2.58%高とともに3週ぶりに反発しました。
週初にトランプ米大統領が鉄鋼やアルミなどの輸入品に25%の関税を課すとしたほか、相互関税の導入の意向を示しましたが、即時発効が見送られたことで過度な警戒感が和らぎました。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げを急く必要がないとしたことや、米1月消費者物価指数(CPI)や米1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなりましたが、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の低下の可能性を示唆する内容と受けとめられ米10年債利回りが低下したことも米株の支援となりました。米10年債利回りは前週末の4.487%から一時4.66%台まで上昇しましたが、4.478%で終了し、週間で小幅低下となりました。
S&P500は14日に一時6127.47ポイントまで上昇し、1月24日に付けた史上最高値6128.18ポイントに肉薄。終値でも1月23日に付けた最高値まで4.08ポイント(0.07%)に迫りました。ダウ平均とナスダック総合も終値ベースで最高値までそれぞれ1.04%、0.73%に迫って週の取引を終えました。
センチメントは改善しました。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の16.54ポイントから14.77ポイントに低下し、昨年12月26日以来の低水準となりました。
マグニフィセント・セブンは高安まちまち 年初来ではメタが独り勝ち
先週は主要3指数がそろって上昇し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.58%高とダウ平均やS&P500をアウトパフォームしましたが、S&P500の時価総額の32%を占めるマグニフィセント・セブンのパフォーマンスはまちまちでした。
アップルが7.46%高、エヌビディアが6.94%高となったほか、メタ・プラットフォームズも3.10%高と大幅に上昇した一方、テスラが1.60%安となり、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベットも0.1-0.3%下落しました。
年初来のパフォーマンスではメタ・プラットフォームズが25.82%高となり、ダウ平均の4.71%高、S&P500の3.96%高、ナスダック総合の3.71%高を大きくアウトパフォームしました。
アマゾン・ドット・コムとエヌビディアもそれぞれ4.23%高、3.40%高となりましたが、アルファベットが2.15%安、アップルが2.32%安、マイクロソフトが3.10%安、テスラが11.89%安と4銘柄が年初来でマイナスとなりました。
メタが20日続伸し、連日で上場来高値を更新
年初来騰落率で独り勝ちとなったメタ・プラットフォームズはAI関連の好材料が相次ぎました。
ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は1月24日、同社は今年、AIインフラの構築に重点を置き、600億~650億ドルの設備投資を行うと発表しました。これは、昨年の設備投資額390億ドルを53~67%上回ります。また、同社のリアリティ・ラボ・ハードウェア部門が、AI搭載のヒューマノイド・ロボットの開発を検討しているとブルームバーグが報じました。
好決算も株価の上昇を後押ししました。1月29日に発表された2024年第4四半期(10-12月)決算は、売上高が前年同期比20.6%増の483億8500万ドルとなり市場予想の470億3700万ドルを上回りました。純利益が同48.7%増の208億3800万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は8.02ドルと市場予想の6.77ドルを大幅に上回りました。
また、1月20日のトランプ大統領の就任式にザッカーバーグCEOが出席したほか、2021年のフェイスブックのアカウント停止を巡るトランプ大統領との訴訟に関して、トランプ氏へ約2500万ドルを支払うことで和解したと報じられ、トランプ政権との関係強化を印象付けました。
1月下旬に中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けて米国市場ではAI関連株を中心にショック安となりましたが、メタの株価は上昇が続きました。株価は1月17日から2月14日まで20営業日続伸し、17日連続で終値の上場来高値を更新しました。